新築外構工事でよくある失敗例20選!避けたいポイントと対策を解説

新築外構工事でよくある失敗例20選

新築マイホームを計画する際、つい後回しにしがちなのが外構です。外構プランをしっかりと練らなかった結果、出来上がってから問題が発覚して後悔するケースも少なくありません。

今回は、新築外構工事で起こりがちな失敗事例や、失敗を避けるためのポイントを紹介します。

目次

新築外構工事でよくある失敗例20選

新築外構工事では具体的にどのような失敗があるのでしょうか。

ここでは、よくある失敗事例を20個紹介するので、今後外構工事を依頼する際のチェックポイントとして活用してください。

駐車スペースが狭すぎる

外構工事の失敗で最もよくあるのが、駐車場に関するものです。駐車場を使い始めてみたら狭くて駐車が大変だった、乗り降りしにくい、という失敗が多くあります。

駐車場が狭すぎると車の出し入れがしにくくなるだけでなく、車が外壁に近すぎると排気ガスで壁が黒く汚れてしまう場合があるため要注意です。

駐車場の広さは国土交通省の指針によれば、軽自動車なら幅2m×長さ3.6m、普通乗用車なら幅2.5m×長さ6mとなっています。将来車を買い替えることも考えて駐車スペースを確保するようにしましょう。

駐車場から玄関までが遠い

外構工事で駐車スペースを作る場合は、動線にも注意が必要です。駐車場から玄関ドアまでの動線が悪いと雨の日に濡れたり、重い荷物を長い距離運んだりしなければなりません。

日本では1年のうち3分の1程度は雨降りです。新築工事をする際に、駐車場と玄関の位置関係をよく確認して、外構を設計するようにしましょう。

スムーズな動線が確保できない場合はカーポートを設置して玄関までの動線に屋根を設けたり、夜に安全に歩けるようにセンサーライトを付けるなどして対策できます。

車重のかかる部分へ装飾デザインを施した

駐車スペースに土間コンクリートを打設しただけでは殺風景なので、芝生や人工芝、砂利などで装飾を施したら車重に耐えられなかった、という失敗例もあります。

装飾デザインを施す場所は、タイヤの切り回し部分や車重がかかる部分を避けて入れるようにしましょう。

事前にシミュレーションしておき、効果的にデザインを施すと、土間コンクリートだけの無機質な駐車場ではない、おしゃれなカースペースを演出できるはずです。

カーポートの柱が導線の邪魔になる

カーポートの柱が駐車の際に邪魔になり、ストレスになる場合があります。特に限られたスペースにカーポートを置くと、柱の分駐車場が狭くなってしまうでしょう。

スペースが狭く柱が車の出入りの邪魔になる場合は、柱が背面にある後方支持タイプのカーポートを選ぶと良いでしょう。

また、積雪などの心配がない地域であれば1本柱タイプのカーポートを選ぶと、導線を確保できるようになります。

カーポートの屋根から隣家に雨水が入る

カーポートを設置し、自分の家は雨や雪、ほこりなどから車を守れるようになった一方で、カーポートの屋根が受け止めた雨水や雪が隣家に流れてトラブルに発展するケースがあります。

はねた雨水が庭を水浸しにしてしまったり、外壁を汚してしまったりするおそれがあるため、カーポートは隣地境界線から50cm以上離して設置するようにしましょう。

スペースが狭く境界線から50cm以上離せない場合は逆勾配のカーポートも存在するため、検討してみましょう。

カーポートによる圧迫感や薄暗さが気になる

カーポートを設置したら、エクステリア全体に圧迫感が出てしまった、カーポートの周辺に日陰ができて玄関前が暗くなってしまった、などで後悔するケースも少なくありません。特に駐車スペースがコンパクトな場合は圧迫感が生まれやすいため注意が必要です。

カーポート選びの際は、柱はシルバーやシャンパンゴールドなどの明るい色、屋根はクリアもしくはクリアに近いカラーを選ぶと圧迫感や暗さを軽減できます。

スペースが狭い場合や玄関までの動線によってはカーポートを設置しないという選択肢もあるので、外構業者にデザインを提案してもらい、検討すると良いでしょう。

カーポートの屋根が低すぎた

カーポートは高さでの失敗が多いため、注意が必要です。マイカーの車高に合わせて高さを決めたら、屋根が低すぎてハッチバックを十分に上げられず、荷物の揚げ降ろしが不便になったという声は多くあります。

カーポートの高さは車高プラス30~50cmの高さが理想的です。高さは最大高さではなく「有効高」と呼ばれる柱の最も低い部分の高さで判断するようにしましょう。

また、カーポートは高すぎると雨が大量に吹き込んでしまい、雨だれやほこりで車を汚す可能性があり、設置している意味を感じにくくなってしまう可能性があるため注意が必要です。

駐輪スペースが必要だった

カースペースばかりに気を取られてつい忘れてしまいがちなのが、駐輪スペースです。自転車1台に必要なスペースはそれほど多くありませんが、家族全員分の自転車を置くためにはしっかりと場所を確保しておく必要があるでしょう。

今は必要ないと思っていても、子どもが自転車に乗るようになってからどこに自転車を置くかで悩むこともあるので、あらかじめ将来のライフスタイルを考慮して余分なスペースを確保しておくと安心です。

植栽の手入れに手間がかかる

緑あふれる外構にしたら、思った以上に植栽の手入れが大変で、後悔するケースがあります。

生育が旺盛すぎる植物はこまめな剪定が必要で、害虫の被害に遭いやすい植物は定期的な農薬の散布が欠かせません。また、落葉樹は秋になると葉を落とすため、枯れ葉の掃除が大変です。

手入れが大変な植物を植えたり植栽が多すぎたりすると手間がかかり、世話をさぼってしまうとエクステリアの外観を損ねる原因となってしまいます。

外構の植栽選びの際は、手間がかからない植物を植える、植物を多くしすぎないことがポイントです。

すぐに雑草が生えてくる

外構の条件によっては、こまめに草取りをしていてもすぐに雑草だらけになってしまう、というお悩みを抱える場合もあるでしょう。

雑草が生い茂ると外構の仕上がりを損ねるだけでなく、湿気がたまりやすくなったり、害虫の温床になったりするので注意が必要です。

雑草が生えにくい外構にするには、床材選びが重要です。コンクリートやタイルなど雑草が生えない素材や、砂利敷きにすると雑草を予防できます。

植栽と上手に組み合わせると見た目を損なわずに雑草の発生を最低限に抑えられます。

ウッドデッキが使いにくい

せっかく憧れのウッドデッキを設置したものの、使いにくくて放置している、という失敗例もあります。

狭すぎて家族のくつろぎ空間にできなかった、洗濯物が干せない、大きすぎて庭の動線やガーデニングを邪魔してしまうなど、ウッドデッキで後悔するケースは少なくありません。

ウッドデッキを設置したい場合は、ウッドデッキで何をしたいのかをよく検討して、目的に合った素材とサイズのものを選ぶことが大切です。

水栓やコンセントがなくて不便

生活してみて初めて、水栓やコンセントがなく不便に感じることもあるでしょう。外構では植栽の水やりや洗車など、水を使う機会が多くあります。

水栓は大きく柱が立っているタイプの立水栓と地面に直接設置されている散水栓の二つに分けられます。

散水栓はホースを取り付けて水を使用するのが一般的なので、庭の水やり以外に手足や屋外で使ったものを洗ったりするなら立水栓がおすすめです。

また、車の掃除やエクステリアの手入れ、バーベキューなどのため屋外コンセントがあると便利でしょう。

洗濯物を干せる場所がない

新築住宅を計画するときについ忘れてしまいがちなのが、洗濯物を干す場所です。

1階に洗濯機がある場合、2階のベランダまで運んで干すのは大変です。庭に物干しスペースを確保するだけで洗濯のストレスを軽減できるでしょう。

ウッドデッキやテラスなどを設置すると、家族分の布団を干せるだけでなく、ティータイムやバーベキューを楽しむ場所としても活用できます。

また、リビングから段差のない一続きの空間となり、リビングが広くなったような印象を与える効果も期待できます。

室外機を設置するスペースを決めていなかっった

外構工事のプランを立てる際に盲点になりやすいのが、エアコンの室外機の設置場所です。

エアコンの室内機と室外機が遠いと、エアコンの性能に影響を与えるだけでなく、エアコンの設置工事に追加料金がかかる可能性があります。

また、室外機から出る温かい風が隣家に直接当たると、トラブルにつながる可能性があるので、設置場所には十分注意しなければなりません。

エアコンは外構が未完成の状態では設置できないケースがあります。そのため、エアコン工事の時点では少なくとも室外機の設置場所は外構工事が終わっているように計画することが大切です。

目隠しフェンスが高すぎた

住まいのプライバシーを確保する目的で設置した目隠しフェンスが高すぎて圧迫感が出たり、日当たりが悪くなったりしてしまうという失敗もあります。

特に隙間がなく背の高いフェンスを設置すると、圧迫感に加えて庭の見通しが悪くなり、かえって不審者に狙われやすい家になってしまうので注意が必要です。

目隠しフェンスの高さは人の視線を遮るには140~200cm、車の視線を遮るには100~200cmが適切です。また、縦格子のフェンスにすると通行人や車からの視線を効果的に遮りながら、見通しを確保できます。

オープン外構でプライバシーが保てない

開放感があり、外構工事の施工費用も安く済むオープン外構ですが、さまざまなデメリットがあり、後悔する人も多くいるでしょう。

オープン外構はフェンスや門扉がないため、敷地内に侵入されやすいという欠点があります。目線も遮られないため、植栽などで目隠しができないと、プライバシー面でも不安を覚えることもあるでしょう。

また、子どもやペットが飛び出しやすい点にも注意が必要です。オープン外構で失敗したというケースは多くあるので、メリットとデメリットを照らし合わせて、よく検討しましょう。

台風や強風でフェンスの強度が心配

毎年台風や強風による深刻な被害を受ける日本では、設置したフェンスが飛ばされて近隣住民にけがをさせたり、住宅を破損したりしないか、心配になる場合もあるでしょう。

特に隙間のない目隠しフェンスは風に煽られやすく、強風で破損したり飛ばされたりするおそれがあるため注意しなければなりません。

強風対策のためには、耐風圧強度41m/s以上のフェンスを設置する、メッシュタイプのフェンスにするなどの対策が有効です。

アプローチの床材が滑りやすい

アプローチでよくある失敗は、採用した床材が滑りやすく、危険な玄関周りになってしまったというケースです。特にタイルや天然石は高級感を得られる一方で、雨に濡れると滑りやすくなるので注意する必要があります。

アプローチの床材にタイルや天然石を使用する場合は、水はけがよく滑りにくいタイプを選ぶか、洗い出しコンクリートなどの滑りにくい床材にすると安全な外構にできるでしょう。

施工したあとに滑りが気になる場合は滑り止め加工で対策できる場合があるので、外構工事業者に相談してみてください。

階段やスロープが急で歩きにくい

狭いスペースに階段やスロープを設置したため、勾配が急で歩きにくくなってしまった、という失敗例もあります。

階段の蹴上の高さは15cm~23cmが適切とされています。また、スロープの勾配は建築基準法では12.8%以下、バリアフリー法では8.3%以下でなければなりません。

緩やかな階段やスロープを作るためにはある程度のスペースが必要です。新築工事を計画する際にはアプローチのスペースも意識するようにしましょう。

玄関まわりの夜間照明が足りない

玄関周辺の照明が足りず、暗い玄関に後悔した、というケースもあります。外構の照明は夜間に帰宅した際に足元を照らすだけでなく、暗い時間帯でも見通しを確保し、防犯対策につながるため重要です。

外構のライトにはガーデンライト、ウォールライト、フロアライト、スポットライトなどがあり、上手に組み合わせると、明るくおしゃれな外構を演出してくれるでしょう。

注意点は明るくしすぎると、近隣の家にとっては眩しくなってしまう点です。周囲に配慮しつつ、明るさを確保するようにしましょう。

新築外構工事で失敗しないための注意点

では、新築住宅のエクステリアで失敗を防ぐためにはどのようにすれば良いのでしょうか。

後悔しないためには、主に以下の6つの点に注意して外構工事の計画を立てるようにしてくださいね。

優先順位を決めて予算を振り分ける

限られた予算のなかで使いやすくおしゃれな外構を完成させるには、優先順位が大切です。

新築住宅の外構工事費用は一般的に建物の費用の10%程度が目安とされています。つまり、30坪の土地に注文住宅を建てる場合、外構工事費用は100~300万円程度かかると考えて良いでしょう。

外構のすべてにこだわってしまうと、工事費用が予算を大きく超えてしまうおそれがあります。

庭やアプローチなど、エクステリアのメインとなる場所を決め、お金をかける所と節約する所を振り分けると予算オーバーを防げます。

複数の業者から相見積もりをとる

これは外構工事に限ったことではありませんが、工事を依頼する際は複数業者から相見積もりをとり、比較検討するようにしましょう。

外構工事は相場が分かりにくいため、複数の業者から見積もりをとることでおおよその相場を把握でき、不当に高い費用で工事を発注してしまうリスクを回避できます。

まずはインターネットで検索するなどして気になる業者に問い合わせしてみます。その後3社程度に絞って現地調査と見積もりを依頼し、最も良いと思った業者1社を選定するのがおすすめです。

生活動線をよく考慮する

外構は生活動線を入念にシミュレーションして計画することが大切です。特に玄関アプローチや駐車場、洗濯物干場など頻繁に使う場所は、どのような動線になるのか、しっかりイメージして計画するようにしましょう。

生活動線は将来、変わっていく可能性があります。家族が増えたとき、子どもたちが巣立ったあと、高齢になったときの動線をそれぞれイメージしながらプランを練ると、長期間にわたって快適な外構を維持できるでしょう。

デザインばかりを重視しすぎない

外構ではデザインだけでなく、機能面も重視することが大切です。例えば、天然木のフェンスでナチュラルなイメージにしたいと考えた場合、天然木の耐用年数に注意が必要です。

朽ちて倒れるとフェンスの役割が保てないほか、道路側に倒れて通行人に危険を及ぼす可能性もあります。定期的なメンテナンスの手間と出費を考えるならモダンなアルミ製のフェンスと植栽で外構を演出した方が良いといえるでしょう。

外構は敷地をおしゃれに演出するだけでなく、防犯性や安全性、使い勝手を考慮することも重要です。

プライバシーの確保も検討する

外構は目隠し効果など、家族のプライバシーを確保する役割も持っています。フェンスや植栽などをうまく活用してプライバシーを守るようにしましょう。

しかし、同時に防犯のために見通しの良さも確保しなければなりません。見通しがよく目隠し効果のある外構にするためには、外構工事業者のプロの視点からアドバイスを受けながらどのようなアイテムを採用するか決めていくと失敗を防げるはずです。

外構計画を早めに立てる

注文住宅では決めることが多いため、外構工事を後回しにしがちです。しかし、できるだけ早めに外構の計画を始めることが、失敗を防ぐポイントとなります。

外構工事を依頼するベストなタイミングは住宅の基礎工事が完了した段階です。基礎が完成すると、現場の勾配、電柱の位置、間取りや水道管、ガス管などの位置が決まっているため、外構プランを立てやすくなります。

外構工事の着工が遅すぎると引っ越しまでに作業が終わらず、ポストやインターホンがない状態で不便な思いをする可能性があります。できるだけ早い時期から業者に相談し始めるようにしましょう。

まとめ

外構工事では完成してからさまざまな失敗に気づくことがあります。住宅に関して決めることが多いとつい外構を後回しにして、業者任せにしてしまい、デザインだけでなく安全性や利便性の面で後悔するケースがあります。

満足度の高い外構を完成させるためには、早いうちから外構工事業者に相談してプランを練りましょう。

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