解体業者の選び方完全ガイド|信頼できる業者を見極めるポイントと注意点

解体業者の選び方完全ガイド|信頼できる業者を見極めるポイントと注意点

解体工事は多くの方がはじめて経験するため、どのように優良業者を見つけたら良いのか分からない、という悩みを抱える方も少なくありません。

相性が合う業者を見つけるには、実際に見積もりを依頼して検討する必要があり、無事に工事を発注できるのか不安に思う方もいるでしょう。

この記事では、解体工事業者の選び方のポイントや、悪徳業者の見極め方を解説します。

目次

安心して任せられる解体工事業者のポイント

まずは、安心して任せられる優良業者の条件を整理します。気になる業者のホームページをチェックしたり、実際に見積もりを依頼して、以下に当てはまる業者かどうか確認してみましょう。

解体工事に必要な許可を持っているか

解体工事を請け負うには「解体工事業登録」または「建設業許可(解体工事業)」を取得していなければなりません。見積もりを依頼する前に業者のホームページで必要な許可を取得しているか確認しましょう。

建設業許可は消費税込み500万円以上の工事を請け負う際に必要な許可です。解体工事を請け負うためには建設業の29業種のうち、「解体工事業」を取得しなければなりません。許可取得には財産的基盤や専任技術者の配置が求められます。

解体工事業登録は請負金額が税込み500万円未満、かつ建設業許可を取得していない場合に必要な許可です。登録には一定基準を満たした技術管理者が配置されていること、不適格要件に該当していないことが条件です。

見積もりの内訳・数量・単価が明確か

見積書を受け取ったら作業の内訳・数量・単価が詳細に記載されているか確認してください。見積書の内容が詳細であることは、悪徳業者を避けるための重要なポイントです。

見積書に記載されている主要な項目は以下のようなものです。

  • 建物本体解体工事費
  • 仮設工事費
  • 屋根・内装材分別費
  • 付帯工事費
  • 別途工事費(地中埋設物撤去費・アスベスト含有建材除去工事費)
  • 産業廃棄物処理運搬費
  • 諸経費

見積書が「解体工事一式○○万円」とだけ記載されている見積書には注意が必要です。一式の中にどのような作業が含まれているのか分からず、工事が始まってから追加費用を請求される可能性があります。

「一式」見積書を出す業者は避け、詳細な見積書を出す業者の中から検討することが大切です。

追加費用が発生する条件を明示してくれるか

あらかじめ追加費用が発生する条件を明確に伝えてくれる業者は、信頼性があると考えられます。

追加工事が発生しやすい項目は以下の5つです。

  • 地中埋設物の出現
  • アスベスト(石綿)の発見
  • 残置物
  • 特殊な基礎構造
  • 近隣対策の追加

解体工事は入念な現地調査を行っていても、追加工事が発生してしまうことがあります。追加費用を抑えるためにも、打ち合わせ内容は書面に残すこと、契約書の追加工事に関する項目をしっかり確認しておくことが重要です。

契約書・工程表・必要書類をきちんと出してくれるか

解体工事の契約では、解体工事請負契約書・工程表・産業廃棄物処理委託契約書などの必要書類を作成してもらうことが大前提です。

解体工事請負契約書は、工事内容と当事者双方の権利義務を明確にするための書類で、建設業法第19条によって作成が義務付けられています。

工事工程表は、解体工事の流れを明確にし、関係者全員が同じ情報を共有するために必要です。施主にとっては工事の進捗状況を把握するためのツールなので、工事を予定通りに進めるためにも必ず受け取るようにしてください。

そのほかに必要な書類は以下のようなものです。

  • 産業廃棄物処理委託契約書
  • 建設工事計画届出
  • アスベスト事前調査・除去届出
  • 道路使用許可

参考:建設業法第19条

損害保険に加入しているか

重機の振動で隣家の壁にひびが入った、誤って隣家のブロック塀を破損してしまった、など、万が一の事態に備えて、契約前までに業者が「請負業者賠償責任保険」に加入しているか確認しておきましょう。

請負業者賠償責任保険は、第三者の人や物への損害に備える保険です。被害者に支払う損害賠償金などを補償します。

施主は加入する必要はありませんが、業者が未加入だと事故が起こった際に施主へ責任が及ぶリスクがあるため、契約前までに加入状況、適用される事故の範囲、保険金支払いの限度額を確認しておく必要があります。

対応が親切かつスムーズか

問い合わせや見積もりなどの対応が誠実でスムーズかどうかも、優良業者を見極めるためのポイントです。

レスポンスが早いか、説明が明確かを確認してください。メールや電話にすぐに対応できなくても、2営業日以内に折り返してくれる業者を選ぶと安心です。

反対に、回答が遅すぎる担当者がいる、曖昧な説明や担当者によって回答内容が変わる業者はトラブルを防ぐためにも避けた方がよいでしょう。

自社施工か

無駄な費用とトラブルを最小限に抑えて解体工事をするなら、自社施工の業者を選ぶことが重要です。

解体工事は、自社施工と他社施工の大きく2つに分けられます。

自社施工は、依頼者と契約を交わした業者が自らの従業員で直接工事を管理・遂行する方法です。一方、他社施工は、契約を行った業者が他の解体業者に工事を外注し、作業を依頼する方法です。

自社施工のメリットは中間マージンが発生しないため無駄なコストを抑えられる、複数の業者が介在しないため責任の所在が明確になる、といったものがあります。

依頼者の要望も伝言ゲームになりにくく、指示漏れや誤解が生じるリスクが避けられるため、できるだけ自社施工の業者に依頼しましょう。

法令を順守して諸手続き・廃棄物処理まで実施してくれるか

法令を順守して必要な手続きを行い、廃棄物処理までを正しく実施する業者は信頼のおける業者です。

解体工事では建設工事計画届や道路使用許可など、事前に官公庁にいくつかの届出を行わなければなりません。さらに、産業廃棄物は「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」を作成し、適切に処理する必要があります。

業者がこれらの書類を作成し、ルールに基づいて解体から廃棄物処理まで行っているか、事前に確認が必要です。

また、解体業者が資格取り消し処分を受けていないか、国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」でチェックしておくと安心です。

参考:ネガティブ情報等検索サイト|国土交通省

解体業者を選ぶ前にやるべき比較

優良業者を見極めるためには複数の業者を比較し、ポイントを押さえて見積もりを検討することが重要です。

ここでは、解体業者を選ぶ際のコツを紹介するので業者選びの際にはぜひ実践してください。

1社ではなく2〜3社以上で相見積もりを取る

解体工事を依頼する際は、いきなり1社に絞り込まず、2〜3社程度の複数業者から相見積もりを取ることをおすすめします。

解体工事には定価がありません。そのため、1社からの見積もりでは相場が分かりにくく、適切でない料金で工事を依頼してしまうリスクがあります。

とはいえ、見積もりを依頼する業者が多すぎると、現地調査の立ち会いに負担が生じます。そのため、3社程度が適切です。

まずは、インターネットで施工エリア内の業者を検索し、会社概要や施工事例を確認して気になる業者に問い合わせてみましょう。問い合わせの対応から3社程度に絞り込み、現地調査と見積もりを依頼するとスムーズです。

同じ条件で見積もりを依頼して比較する

相見積もりの際は、正確に業者を比較するためにも統一した条件を提示しましょう。

特に次のような項目をあらかじめ決めておき、見積もりを依頼すると、比較しやすくなります。

  • 解体範囲(部分解体・全解体)
  • 残置物処理方法(残置物の量・種類)
  • 追加作業の有無(付帯物解体・撤去の有無)

例えばA社には建物のみの解体費用の見積もりを依頼し、B社には付帯物解体と残置物処理費込みの見積もりを依頼すると比較が難しくなります。事前に条件をまとめておき、全ての業者に同じ内容で見積もりを依頼することが大切です。

極端に安い・高い理由を確認する

工事費用が相場とかけ離れている場合は、その理由をしっかり説明してもらうことでトラブルを避けられます。

見積もりが安すぎる激安業者には、次のようなリスクが潜んでいます。

  • 不法投棄
  • 手抜き工事
  • 追加費用の請求

それだけでなく、保険に加入していないケースや、工期が守られないなど、トラブルが発生する場合もあるため、あまりにも安い業者は警戒した方がよいでしょう。

一方、解体費用が高額になるのは、立地の問題や技術的な難易度が理由であることも珍しくありません。例えば狭小地では手壊し解体を選択することになり、人件費により費用が高額になります。また、アスベストが含まれている場合は特別な処理が必要となり、工事費用が大幅に高額になります。

現地下見で何を確認しているかを見る

解体工事の現地調査(現地下見)にはできるだけ立ち会い、業者が何を確認しているかチェックしましょう。

現地調査で業者が確認するのは以下のような項目です。

  • 建物所在地周辺の道路状況
  • 工事車両の進入経路
  • 敷地の広さ
  • 建物の構造と状態
  • 隣家との境界線
  • 付帯物の有無
  • 残置物の有無
  • 地中埋設物の有無

これらの項目を確認せずに短時間で現地調査が終わる業者は、追加工事のリスクがあるため、避けた方が無難です。

業者選びに役立つ手段

解体工事を検討し始めた場合にまず気になるのが「優良業者に依頼するにはどのように探せばよいのか」ではないでしょうか。ここでは、解体工事業者を見つける方法を4つ紹介するので、自分に合った方法で探してみましょう。

インターネットで検索する

最も簡単でオーソドックスな方法がインターネットでの検索です。

検索エンジンで「地域名 解体業者」「地域名 空き家 解体」などで検索し、自社サイトを持つ業者を直接探します。検索でヒットした業者の施工内容や会社概要、施工事例などを確認したうえで問い合わせフォームから現地調査と見積もりを依頼します。

注意点はホームページを持っている業者しか見つけられない点、そして検索して上位に出てきたからといって実績のある優良業者とは限らない点です。そのため、複数の業者を比較して判断する必要があります。

業者の紹介サービスを活用する

一括見積もりサイトのような解体業者の紹介サービスを利用する方法も有効です。このようなサイトは、全国の解体工事業者が加盟企業として登録しています。業者の情報や口コミをチェックできるだけでなく、一括見積もりで簡単に業者を比較できます。

一方で、このようなサイトに掲載するためには掲載料金が必要なため、掲載料金を工事費用に上乗せしている場合があります。その結果、工事費用が業者のホームページから直接依頼するよりも高額になる可能性には注意が必要です。

友人や知人に紹介してもらう

もし、友人・知人の中に解体工事を行ったことがある人がいる場合は、業者を紹介してもらうとよいでしょう。

実際に工事を依頼した人の生の声を聞くことができるため、安心して依頼することができます。実際の業者の印象やトラブルへの対応、工事の流れなど、ホームページを調べているだけでは取得できないようなリアルな情報を得られる点もメリットです。

注意点は知人の知り合いの業者に依頼した場合、クレームを伝えにくいというデメリットがある点です。知人の紹介だからといって安易に依頼するのではなく、業者の情報やインターネットの口コミを調べるなどして、本当に信頼できる業者と判断した場合に依頼するようにしましょう。

不動産会社に紹介してもらう

建て替えや売却を検討している場合は、物件を担当している不動産管理会社や住宅メーカーに紹介してもらう方法もあります。

不動産管理会社や住宅メーカーは独自のネットワークを持っているため、提携している下請け業者と情報を共有しながらスムーズに次の活用方法に移行できるというメリットがあります。

ただし、直接契約ではないため、中間マージンが発生し、工事費用が高くなる可能性がある点には注意が必要です。

業者選びで注意したい悪徳業者の特徴

残念ながら、解体工事業者の中には悪徳業者や手抜き業者も潜んでいるのが現実です。このような業者に引っかからないためにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。以下を参考に、優良業者を見極めましょう。

極端に安い見積もり

見積金額が他社に比べて極端に安い業者は、工事が始まってから追加料金を請求するおそれがあります。

解体工事は人件費や廃材処理費、重機の使用料がかかるため、決して安い工事ではありません。悪徳業者は見積もりの段階で相場よりも大幅に安い金額を提示して契約させようとします。

そして着工してから「想定外の工事が発生した」などと言って高額な追加費用を請求するのです。工事の中断をほのめかして支払いを迫る業者も存在するので注意が必要です。

見積書や契約書が「一式」ばかりで曖昧

作業項目ごとに単価・数量が記載されておらず、「木造家屋解体工事一式」「整地工事 一式」のように、一式ばかりの見積書・契約書を出す業者は警戒した方がよいでしょう。

一式という記載では工事内容と工事範囲が曖昧です。他社と比較しにくいだけでなく、工事中に高額な追加費用を請求されるおそれがあります。

見積書は工事の内訳と単価、数量(㎡など)を明記している業者と契約するようにしましょう。

追加費用の説明が事前にない

追加費用について明確な説明を行わない業者や、追加工事について質問しても曖昧にしてごまかす業者は避けた方が無難です。

解体工事は追加費用が発生しやすい工事です。地歴や建築図書、現場を調べると、「追加工事が発生する可能性がある」という情報を得られることがあります。そのような場合に追加費用の可能性を隠すことなく、想定される追加費用の目安を教えてくれる業者に依頼しましょう。

不法投棄やずさんな廃棄物処理の恐れがある

解体工事の価格があまりにも安い場合、不法投棄や不適切な廃棄物処理の可能性が否定できません。

産業廃棄物が不法投棄された場合、罰則の対象となるのは解体工事業者や廃棄物処理業者です。しかし、施主が不法投棄を知りながら発注を行うと、施主も責任を問われるおそれがあります。

業者選びの際は、産業廃棄物収集運搬許可や処分業許可を取得している業者から選びましょう。工事が完了したら業者からマニフェストの写しを受け取り、廃棄物が確実に最終処分場で処理されたことを確認してください。

近隣対応やクレーム対応が雑

悪徳業者は近隣住民への配慮やクレーム発生時の対応が誠実でないケースが多い傾向があります。

特に事前の打ち合わせで以下に当てはまるようであれば、契約を見送った方が失敗を防げるでしょう。

  • 工事前の挨拶回り・説明の省略
  • 騒音・粉じん対策の養生シートを設置しない
  • 打ち合わせの際の態度が悪い・レスポンスが遅い

このような業者はクレームが起こった場合に対応してくれない可能性があります。

万が一工事中のトラブルに業者が対応しない場合は、写真などで記録を取り、自治体の騒音・粉じんに関する窓口や消費者センターなどに相談しましょう。

契約前に確認したいトラブル回避ポイント

解体工事は依頼者が契約前に必要な項目をしっかり確認しておくことで、トラブルや悪徳業者を避けることができます。以下に挙げるポイントをしっかり押さえてスムーズに解体工事を完了させましょう。

建設リサイクル法の届出が必要な工事か

解体する建物の材料と規模が建設リサイクル法の届出が必要かどうかを知っておくと、業者がきちんと申請しているかどうかチェックすることができます。

建設リサイクル法の対象となる解体工事は、次の2つの条件を満たしている場合です。

1.以下の特定建設資材が使われている構造物

  • コンクリート
  • コンクリートと鉄からなる建設資材
  • 木材
  • アスファルト・コンクリート

2.床面積の合計80㎡以上の建築物の解体工事

発注者は工事に着手する7日前までに都道府県知事に届け出なければなりません。多くの場合、業者が届出手続きを代行してくれるので、きちんと届出が完了しているか確認しましょう。

道路使用許可やライフライン停止の段取りはどうするか

道路使用許可やライフラインの停止手続きについては、業者とスケジュールを共有して確実に済ませるようにしましょう。

現場前の道路に工事車両を一時的に停めて作業する場合には、道路使用許可が必要です。手続きは基本的に解体業者が行うため、確実に申請されているか確認してください。

ライフラインの停止手続きは、着手日までに確実に施主が行わなければなりません。電気・ガス・通信は必ず「解体工事による廃止」と伝えます。

水道は解体作業で使用するため、停止しません。業者が水道料金を負担する場合は精算手続きが必要なため、事前に業者と話し合っておく必要があります。

工事完了の基準と引き渡し条件は何か

解体工事完了の基準・引き渡し条件を明確にしておき、契約書に明記されていることで、トラブルを防げます。

解体工事の引き渡しは、工事終了後に施主が現場を確認し、了承をすることで完了します。多くの場合、契約書に記載された建物・基礎・塀などが全て撤去されていること、整地により土がならされた更地になっている状態で引き渡されます。

引き渡し条件が曖昧だと、次の土地の用途に適していない状態で工事が完了するなど、トラブルになるおそれがあります。完了検査前に契約書を再度確認しておくと安心です。

施主が了承すれば、業者が滅失登記手続きに必要な「建物取り壊し証明書」を発行して引き渡しとなります。

トラブル時の相談先はどこか

解体工事をめぐって業者とトラブルが発生した場合は、第三者への相談を推奨します。あらかじめ解体工事業者以外の相談先を知っているだけでも安心して依頼できるはずです。

トラブルが起きた場合はまずは消費者センター、次に法律の専門家に相談するのが一般的な流れです。

消費者センター

消費者センターは消費者からの問い合わせを専門の相談員が受け付け、公正な立場で解決のための手続きを行います。

弁護士

消費者センターに相談しても解決が難しい場合は弁護士への相談となります。相談費用が負担に感じる場合は、まずは法テラスを利用したり、弁護士に質問ができるネット掲示板を利用したりするとよいでしょう。

まとめ

優良業者は必要な許認可の取得や損害保険の加入があり、見積書や追加工事の条件が明確です。質問に対して曖昧な返答をする業者や、口約束で済ませようとする業者はトラブル発生リスクが高いため、避けるようにしましょう。

誠実な業者に出会うためには、複数の業者に実際に現地調査・見積もりを依頼することが大切です。まずは気になる業者に遠慮なく問い合わせしてみることをおすすめします。

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