実家の解体費が払えないとどうなる?放置リスクと対処法を解説!

実家の解体費が払えないとどうなる?放置リスクと対処法を解説!

実家を解体する必要があるのに、手元資金が足りず、どのようにすれば良いのか分からないというお悩みは多く見られます。

解体費用が準備できない場合でも解決する方法はさまざまあり、状況に合わせて最適なやり方を選択すれば、負担を減らしながら引き継いだ不動産を活用できるはずです。

そこで今回は、実家の解体費用が払えない場合の対処法や注意点などについて解説します。

目次

実家の解体費を払えない場合の対処法

手元資金がなく、実家の解体費用を賄えないという場合は、いくつかの対応方法があります。

負担額を減らす方法やローンを利用する方法、売却する方法などさまざまな事例を紹介するので、どの方法が自分に合っているかを確認してみましょう。

自治体による補助金を利用する

解体費用が負担になる場合はまず、自治体の補助金制度について調べてみましょう。

補助金の名称は自治体によって異なりますが、以下のようなものが代表的です。

  • 空き家解体補助金制度
  • 老朽空き家解体補助金制度

支給額も自治体によって大きく異なり、概ね30~50万円程度が相場です。

補助金は多くの場合、老朽化した空き家を対象としています。居住中の家屋や賃貸中の物件は対象外となる可能性が高いです。また、補助金は解体作業と解体に伴う処分費用が対象となります。残置物撤去や付帯工事は対象外となる可能性が高い点は、留意しておきましょう。

ただし、アスベストを含む建物は、除去に利用できる補助金制度が別途設けられているため、自治体に確認しておくとよいでしょう。

解体ローンを利用する

解体費用が足りない場合、ローンを利用する方法もあります。

解体工事に特化したものとしては、金融機関が提供している「空き家解体ローン」が代表的です。無担保・保証人不要など利用しやすい点が特徴で、自治体の補助金の併用で金利引き下げの優遇措置を受けられる場合があります。

ただし、空き家解体ローンは居住していない家屋の解体費用を賄うローンであり、居住している住宅の解体工事では利用できません。また、住宅ローンは建て替えを前提していなければ利用不可です。

そのため、居住している住宅の場合は、プロパーローンやフリーローンを検討することになります。

売却で得た利益で解体する

空き家を解体して更地を売却する場合、買い手が見つからないと解体費用や更地の固定資産税が負担になってしまいます。この場合は「更地渡し」が有効です。

更地渡しとは土地の売買契約成立後、売主の負担で家屋を解体し、更地にした状態で引き渡す売買条件です。

更地渡しは売却が確定してから解体するため、解体費用の支払いに不安を感じている場合に大きなメリットがあります。

更地渡しは不動産売買契約書の「特約」に該当します。解体する範囲や引き渡し後の地中埋設物の取り扱いなどについて、トラブルを防ぐために細かく明記しておく必要がある点は理解しておきましょう。

古屋つきの土地として売る

家屋を解体せず、古家つき土地としてそのまま売却すれば解体費用がかかりません。

古家つき土地の場合は、解体から整地までの費用は原則として買主負担となり、売主の費用負担を大幅に引き下げられます。

一方で、購入希望者が見つかりにくくなったり、売却価格が市場価格よりも安くなったりする可能性が高まります。

古家つきの土地の売却は、老朽化しておらず問題なく住める建物の場合や、解体後に新たに建物を建てられない「再建築不可物件」の場合に有効です。

不動産会社や買取業者に現況のまま売る

すぐに売却したい場合は仲介ではなく、不動産会社や買取業者に現況のまま買取を依頼する方法があります。

不動産買取であれば、仲介手数料がかからず、不具合の多い物件でも売却できます。販売期間がほとんどなく、すぐに現金化できる点もメリットです。

一方で、売却価格が安くなる傾向がある点には注意が必要です。不動産買取は標準的な物件でも市場価格の80%程度、解体や大規模リフォームが必要な物件は市場価格の50%程度の査定額となります。

そのため、すぐに売却したい場合は買取、時間に余裕がある場合は仲介を利用した売却がおすすめです。

空き家バンク・賃貸活用をする

取り壊さずに賃貸として運用し、収入を得るのも一つの選択肢です。

比較的建物が新しく、都市部へのアクセスがしやすい物件であれば不動産会社に仲介を依頼して賃貸物件として運用できます。

一方で、古い空き家を賃貸・売却したい場合は空き家バンクを利用する方法があります。空き家バンクは自治体が運営している空き家と利用希望者をつなぐマッチングサイトです。物件情報を無料で掲載でき、利用したい人につなげられます。

近年では古い建物を利用してカフェやギャラリーなどを経営したいというニーズも増えています。古民家を探している層に訴求したい場合は活用してみるとよいでしょう。

その他、実家が借地に建っている場合は地主に相談の上、借地権を売却するなどの方法があります。

実家の解体費用が払えないときに最初に確認すべきこと

相続した実家の解体費用を工面できない場合には、どのようなことから確認していけばよいのでしょうか。

ここでは相続した実家を解体する際にやっておくべきこと、費用負担を心配せずに解体工事をするためのコツを紹介します。

実家の名義が誰になっているか確認する

解体工事をする前に実家の名義人を確認しておく必要があります。古くからある建物の場合、家の名義が亡くなった祖父のままになっている、などというケースは珍しくありません。このような場合、相続の権利者が複数人となり、協議が複雑化します。

勝手に解体すると大きなトラブルに発展するおそれがあるため、まずは名義人を調べましょう。

名義人は、登記簿謄本(登記事項証明書)を取得すれば確認できます。建物を管轄する法務局の窓口や、オンラインの登記情報サービスを利用して取得します。

相続人全員の同意が取れるか確認する

親が亡くなり相続が開始されると、その物件は相続人全員の共有財産となります。遺言書が存在せず、解体工事を行いたい場合は、相続人全員の同意を得なければなりません。

一般的には遺産分割協議を行い、土地と建物を相続する人を決めたあとに土地と建物を相続した人が解体工事を実施します。

建物の解体は相続前であっても、相続人全員の同意を得ていれば可能です。倒壊リスクがある、更地にして土地を売却したい、などの場合は相続完了前に解体した方がメリットがあります。

土地として売れる見込みがあるか確認する

相続財産が実家のみで、自分で解体費用を出すのに負担がかかる場合は、土地が売却できる見込みがあるか検討してから活用方法を決めると安心です。

まずは固定資産税の課税通知書で評価額を見たり、国土交通省の不動産情報ライブラリで公示価格を検索して、周辺相場を把握します。

その後、不動産会社に査定してもらい、売却可能価格や売却時期の提案を受けた上で売却を検討します。

納得のいく価格でない場合は自分で住む、賃貸に出す、などの選択肢もあります。さまざまな選択肢を考慮して、ベストな方法を選ぶのが後悔のない相続財産の活用法です。

参考:不動産情報ライブラリ|国土交通省

解体費用と売却査定額を同時に比較する

解体費用と売却査定額の見積もりを同時に受けておくことは、手元に残る金額を最大化するためのベストな方法です。

解体すべきか、そのまま売却すべきかの判断基準にもなるので、見積もりを比較して残高が大きくなる方を選択するのが賢いやり方となります。

古家付き土地売却:査定額-(仲介手数料+諸経費)
更地売却:査定額-(解体費用+仲介手数料+諸経費)+補助金

上記のように査定額から必要経費を差し引いて、手残りが多い方を選ぶとよいでしょう。

実家の解体費用が高くなる原因

解体工事費用は条件によっては相場よりも高額になることがあります。場合によっては追加費用を請求される場合もあるため、注意が必要です。

ここでは、解体費用が高くなる主な理由を紹介するので、できることは事前に対策しておきましょう。

残置物が多いと処分費が追加される

敷地内に家財道具を残したままにしていると、処分費用が追加されます。解体作業で発生する廃材は産業廃棄物として処分されますが、残置物は一般廃棄物として処分しなければならないものもあり、解体工事業者が処分すると、費用が高額になります。

特に家電リサイクル法の対象となる、エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機はリサイクル料金と運搬費が追加でかかり、解体費用の総額が跳ね上がる可能性には注意しなければなりません。

できるだけ費用を抑えるには、依頼主が自分で粗大ごみや燃えるごみとして残置物を処分しましょう。実家が遠方で難しい場合は、片付け業者に依頼する方法もあります。

庭木・庭石・ブロック塀・カーポートの撤去費がかかる

建物以外の解体作業や撤去作業など、付帯工事が多いとその分費用が上乗せされます。付帯工事はブロック塀・カーポートなどの外構設備の解体・撤去や、庭木の伐採・抜根、庭石の処分などが含まれ、別途加算されるのが一般的です。

庭木が多い住宅では費用が高くなる可能性があります。背が低く伐採作業が簡単な樹木は自分で撤去することで費用を抑えられるため、できる範囲でやっておくと節約になります。

アスベスト調査や除去費用が発生する場合がある

建材にアスベストが使用されている場合は、高額な除去費用がかかります。2006年9月以前に建築またはリフォームした住宅の建材には使用されている可能性があり、事前調査が必須です。

アスベスト含有建材を使用した建物を解体する場合は、飛散防止・隔離対策・除去・廃棄物処分などに費用がかかります。国土交通省の資料によれば、以下が費用の目安です。

  • 300㎡以下:2~8.5万円/㎡
  • 300~1000㎡:1.5~4.5万円/㎡
  • 1000㎡以上:1~3万円/㎡

アスベストの解体・除去工事には、自治体が補助金制度を設置しています。利用条件などを、管轄の自治体に相談しておくと安心です。

参考:アスベスト対策Q&A |国土交通省

地中埋設物や浄化槽で追加費用が出ることがある

工事が始まってから古い浄化槽や井戸、解体する家屋の前に建っていた建物の基礎が地中に埋まっていることが発覚し、追加費用が発生することがあります。

追加費用を防ぐためにも、見積もりの際は図面を用意しておくことをおすすめします。とはいえ、図面にも記載されていない昔の地中埋設物が発見されることも珍しくありません。

見積もり費用とは別に予備費を準備しておくと、急な追加費用の発生でも慌てずに対応できます。

実家の解体費用が払えないまま放置するリスク

実家の解体費用が払えないからといって、空き家の放置は税金面などでさまざまなリスクやトラブルの原因となります。

ここでは代表的な空き家リスクを紹介します。将来該当することが予想される場合は早めに解体工事を実施しましょう。

近隣に被害が出る可能性がある

空き家を管理しないまま放置していると、資産価値が低下するだけでなく、近隣住民に被害を及ぼすおそれがあります。

木造住宅は定期的に換気などをして適切に管理していないと、構造体が脆弱になり、小さな地震や台風で倒壊するリスクが高まります。さらに、古い空き家があることで景観が悪化し、周辺環境に悪影響を及ぼしてしまい、治安悪化につながる可能性もあるため注意が必要です。

近隣住民に迷惑をかけないためにも、住む予定がない空き家は放置せず、解体することをおすすめします。

害虫・害獣・不法侵入・放火のリスクが高まる

空き家を放置して庭に雑草が生い茂ると、害虫や害獣の住処にされてしまうリスクがあります。住宅の隙間から動物が中に入り込み、増えて近隣に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。

さらに、雑草が生い茂り見通しが悪くなると、不審者の隠れ場所にされてしまうことがあります。空き家が隠れ場所にされ、隣家に空き巣の被害が発生した場合は責任を問われかねません。

管理されていない住宅は、ゴミを投げ入れられたり、放火の被害に遭う危険性も高まります。周辺住民にとって安心できる環境を維持するためにも、空き家は適切に管理しなければなりません。

特定空家に指定される可能性がある

空き家を適切に管理せずに放置していると、市区町村から特定空き家に指定され、「住宅用地の特例」の対象から除外されて固定資産税が増額されたり、罰則の対象になったりするおそれがあります。

特定空き家に指定されると自治体から助言・指導が行われます。改善されないと勧告が行われ、住宅用地の特例の適用外となり、これまで6分の1に軽減されていた固定資産税が増額します。

さらに進むと命令となり、50万円以下の過料の対象となり、それでも改善されなければ行政代執行により家屋が解体され、費用は所有者に請求されます。

特定空き家に指定されないためには、定期的に掃除に訪れること、必要に応じて修繕することが重要です。

実家の解体費用を払えない人がやるべき手順

実家の解体費用が足りない場合にはどのように対応すればよいのでしょうか。

以下に、解体費用の負担額を軽減するための対処法を整理しているので、まずは流れを押さえておき、一つひとつ取り組んでください。

実家がある自治体の補助金制度を確認する

解体費用の負担を軽減するために、まずは実家の所在地を管轄する自治体の補助金制度を確認しましょう。

補助金制度は自治体によって内容が変わります。支給される金額にも幅があるため、該当の自治体の制度をしっかり把握しておく必要があります。また、補助金は解体工事が完了してから交付されるため、費用は一時的に全額負担しなければなりません。

不安な場合は自治体窓口に問い合わせ、手続きの流れや申請条件を確認しておくとよいでしょう。

不動産会社に古家付き売却と買取の査定を依頼する

次に不動産業者に、古家付きで売却する場合、更地渡しで売却する場合、買取の場合の査定を依頼しましょう。

できるだけ複数の業者に査定を依頼し、どの方法が負担が少ないか検討します。

それぞれメリットとデメリットがあり、建物の状態や土地の条件、地域により売却の難易度も異なります。解体費用がかかるかどうか、売却金額にどれくらいの違いがあるかだけでなく、固定資産税などの費用も考慮して比較すると失敗を防げます。

現状に対して真摯にアドバイスしてくれる業者に相談し、最善の選択をしましょう。

解体業者に見積もりを依頼する

解体して売却または土地を運用することが決まった場合は、解体工事業者に見積もりを依頼します。このときも、3社程度の解体業者から相見積もりを取ります。

現地調査の際は図面をコピーして用意しておくと、浄化槽や井戸などの地中埋設物の存在を見逃さずに済むでしょう。

解体工事は周辺住民へ騒音や振動の影響を与えやすく、追加費用が発生しやすい工事です。見積もり金額だけでなく、コミュニケーションのスムーズさや、必要な許可・届出や保証の整備が整っているかも重視して選ぶと、トラブルを防げます。

相続人で費用負担と売却方針を話し合う

換価分割などで、実家を解体して売却することが決定した場合は、費用負担を誰がするのか、売却はどのように行うのかを遺産分割協議で決め、遺産分割協議書に記載します。

換価分割とは、相続財産が実家しかない場合などに兄弟で平等に分割するために物件を売却し、売却益を兄弟間で分割する方法です。

相続財産に預貯金などの現金がほとんどなく、不動産のみの場合は誰が解体費用を負担するのかを協議しておく必要があります。

また、どの業者に査定を依頼し、どのような方法で売却するかを相続人全員が合意していなければ相続トラブルの原因となるので、売却方針についても協議し、文書に残しておかなければなりません。

相続放棄の可能性がある場合は家財処分や解体前に相談する

もし、相続放棄をする意思がある場合は、家財の処分などには手を付けず、早めに専門家に相談してください。

家財道具の処分や家屋の解体、被相続人の債務の支払いや携帯電話の解約手続きなどを行うと「単純承認」とみなされ、財産を相続する意思があると判断されます。その場合、裁判所に相続放棄が受理されなくなるおそれがあるので、被相続人の財産を動かさないことが大切です。

相続放棄は相続の開始があったことを知った日から3か月以内に手続きしなければなりません。速やかに弁護士に相談し、手続きを進めましょう。

まとめ

相続した実家の解体はお金がなくても、さまざまな対応方法があります。相続が完了していない場合は他の相続人と相談して慎重に進めましょう。

解体工事業者の中には、地域の補助金制度や相続手続きに詳しい業者もいます。お悩みに寄り添い、自分に合った方法をアドバイスしてくれる業者を選ぶと安心です。

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