
新築工事で忘れてはならないのが外構工事です。また、既存の住宅も、外構工事によって家族のライフスタイルに合った動線にリフォームできます。
とはいえ、外構工事では具体的にどのようなことをするのか分からない、という方も少なくないでしょう。そこで今回は、外構工事とはどのような工事か、費用相場や失敗しない業者の選び方について解説します。
外構工事とは?

外構工事とは門扉、塀、フェンス、駐車場、庭など、建物の外回りを整備・施工する工事です。住宅の建築工事とは別に行われ、住まいのイメージを整えるほかに敷地内のセキュリティ性、利便性を向上させます。
ここでは外構工事の基礎知識を整理しているので、まずはどのような工事なのか確認してみましょう。
外構の種類
外構のスタイルにはオープン外構、クローズ外構、セミクローズ外構の3種類があります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
| 外構スタイル | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| オープン外構 | 50~150万円 | 塀や柵をほぼ設置しない、または低いフェンスや生垣で囲った外構。 開放的で設置する設備が少ないため費用や工期を抑えられる。 北向きの敷地では採光を確保するためにオープン外構を採用することが多い。 |
| クローズ外構 | 200~300万円 | 敷地との境界線を塀やフェンスで囲った外構。 プライバシーが守られやすく、子どもやペットが飛び出しにくい。 フェンスの見通しが悪いと、かえって防犯面で不安が残ったり圧迫感のある印象に。 |
| セミクローズ外構 | 150~250万円 | 道路との境界線の一部に塀やフェンスを設置した外構。 目隠ししたいところには塀やフェンスを設置し、他の部分はオープンにして開放感を演出する。 オープン外構からのリフォームも可能。 |
外構工事の費用相場
外構工事の場所別の費用相場は以下の通りです。
| 施工内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 門周り | 15~30万円 |
| フェンス | 30~60万円 |
| 玄関アプローチ | 30~60万円 |
| 駐車場・カーポート | 40万円~100万円 |
| テラス・ウッドデッキ | 40~50万円 |
| 庭・植栽 | 10万円〜100万円 |
| 照明 | 10万円前後 |
外構設備は敷地の広さによりできる施工内容が変わり、費用もそれに応じて変わります。
以下に一般的な30~50坪の広さ別の費用目安と、可能な工事をまとめています。
| 建物含む敷地面積 | 費用相場 | できること |
|---|---|---|
| 30坪 | 100~250万円 | ・土間コンクリートの駐車場 ・簡易的なアプローチ ・壁付けタイプのポスト・表札 ・メッシュフェンス |
| 40坪 | 150~300万円 | ・土間コンクリートの駐車場 ・機能性門柱 ・10m程度のフェンス ・植栽 |
| 50坪 | 200~350万円 | ・駐車場(2~3台) ・機能性門柱 ・目隠しフェンス ・シンボルツリー・植栽 |
外構工事にかかる期間
外構工事にかかる期間は外構スタイルにより変わります。
- オープン外構:1~2週間
- セミクローズ外構:2週間~1か月
- クローズ外構:1~2か月
外構工事の流れは外構スタイルや業者によって異なりますが、一般的に以下のような流れで進めます。
1.現地調査(1~2日)
2.プラン提案・打ち合わせ(2日~1週間)
3.設計図決定・契約(2日~1週間)
1.基礎工事(2~4日)
2.コンクリート打設・養生(2~7日)
3.構造物設置(1~7日)
4.仕上げ(1~2日)
設置する外構設備が多いほど工事期間が長くなります。また、レンガ敷きやタイル敷きなど、職人の手作業が多い素材は施工に時間がかかります。
外構工事の依頼先
外構工事は、以下で依頼できます。
- 外構工事業者
- ハウスメーカー・工務店
- リフォーム業者
- ホームセンター
ハウスメーカーやリフォーム業者は住宅の工事を担当している業者が一括で窓口になるため、業者を探す手間がない点がメリットです。ただ、ベーシックなデザインが中心で、こだわりを実現できない点、中間マージンが発生する点がデメリットです。
ホームセンターは店頭で実物を見ながら設備を選べますが、定番商品から選ばざるを得ない点や、中間マージンの発生に注意が必要です。
家族のライフスタイルに合った配置やこだわりのデザインを希望する場合は、外構工事業者に依頼するのがおすすめです。相見積もりなどの手間はかかりますが中間マージンが発生することもなく、理想の外構を実現できます。
エクステリア工事との違い
外構工事とエクステリア工事はどちらも建物の外回りの工事を指しますが、外構は「構造物や機能を設置する工事」、エクステリア工事は「外構空間を演出する工事」というニュアンスの違いで使い分けられています。
実際のリフォーム現場では、ほぼ同じ意味で使われています。あえて使い分けるとすれば、防犯性を高めたい、門扉を交換したい場合には「外構工事」、庭をトータルコーディネートしたい、おしゃれなアプローチにしたい場合には「エクステリア工事」というニュアンスで使うと、業者に意図が伝わりやすくなるでしょう。
外構工事のメリット

外構工事は住まい全体の美観が良くなるだけではありません。機能性を高めることで生活の質を高め、家の付加価値を向上させる効果が期待できます。ここでは、外構工事で得られる主なメリットを5つ紹介します。
住宅に個性を出せる
外構は住宅の第一印象を決定づける家の顔です。建物と調和させながら住む人の個性やこだわりを表現できる設備と言えるでしょう。
床材やフェンスの素材にはさまざまな種類があります。好みの素材を選ぶことで建物とのトータルコーディネートが可能になり、通行人の印象に残るおしゃれな住宅に仕上がります。
限られたスペースでも高低差や植栽をうまく活用することで立体感のある空間に仕上げられ、奥行きのある住宅を演出できる点もメリットです。
防犯対策ができる
フェンスや門扉、照明の設置により、不審者の侵入を未然に防ぐ防犯機能を発揮できる点もメリットです。乗り越えにくい高さのフェンスや、死角がなく見通しの良い庭、境界線の砂利敷きは侵入を諦めさせる効果があります。
外構はデザイン性と防犯機能を兼ね備えた素材も多くあるため、おしゃれなお庭や玄関まわりを演出しながら侵入対策を行うことも可能です。
また、外構をきれいに整えておくことは、防犯意識が高いというイメージを与えるため、外構工事は不審者に狙われにくい家づくりに有効です。
プライバシーを守れる
目隠しフェンスや生垣を設置することにより、通行人や近隣住民からの視線を遮り家族のプライバシーを守れます。
注意点は隙間がなく高すぎるフェンスで敷地全体を囲うと、近隣住民に圧迫感を与え、庭が狭く暗い印象になることです。見通しも悪くなり、一度不審者に侵入されてしまうと隠れやすい場所になってしまい、かえって防犯機能が低下してしまいます。
フェンスは適度な隙間があるタイプを設置し、気になる場所には植栽を植えてうまく目線を遮ると、見通しを維持しながらプライバシーを守れます。
安全対策ができる
外構工事で住む人に合わせた安全対策も可能です。
門扉やフェンスを設置することで、子どもやペットの飛び出しを防げます。アプローチにスロープや手すりを設置すれば、ベビーカー・車いすでスムーズに通行でき、高齢者でもつまずき事故を防げ、安心です。
それだけでなく、アプローチや玄関ポーチに滑りにくい床材を選ぶことで雨の日でも安全に通行できるなど、工夫次第で利用しやすい空間づくりができる点が大きなメリットです。
災害時の対策ができる
台風や大雨、地震などの自然災害が多く起こる昨今の環境に合わせて、外構で防災対策も可能です。
たとえば、外構の床面に透水性の高いインターロッキングや透水性アスファルトを採用すれば、ゲリラ豪雨のときに地中に雨水を逃がして排水します。
また、耐風圧カーポートを設置することで、台風の日も雨や飛来物から車を守れます。そのほか、ブロック塀を軽量のアルミフェンスに交換すれば、地震による倒壊リスクを防ぎ、第三者への被害を防げます。
外構工事では何ができる?

では外構工事では具体的にどのような施工ができるのでしょうか。ここでは住まいに特に必要な設備を中心に、施工内容を紹介します。どんなことができるのかをチェックしながら理想のイメージを考えていきましょう。
造園やウッドデッキの施工
庭は外構工事の中でも面積の広い場所です。デザイン性はもちろん、ライフスタイルに合わせた使い勝手が求められます。
庭にタイルを敷き詰めたり人工芝を張ったりする舗装作業は3~7日間程度かかります。
リビングと庭をつなぐ空間が欲しい場合はウッドデッキもおすすめです。ウッドデッキは広さや素材によりますが2~3日で施工できます。
門柱やフェンスの施工
門柱にはコンクリートブロックで下地を作り、塗装やタイルで仕上げる造作門柱と、表札、ポスト、インターホン、照明が一体化した機能門柱の2種類があります。機能門柱の施工期間は1~2日、造作門柱は3~7日が目安です。
フェンスは隣家や道路との境界線を示したり、不審者の侵入を防ぐ効果、外部からの視線を遮る目隠し効果が期待できます。フェンスは2~3日で設置が可能です。
駐車スペースやカーポートの施工
駐車スペースやカーポートも外構の重要な設備です。安全に車を出し入れできるようにプランを立てましょう。施工は土間コンクリートの打設から1~3日で完了します。しかし歩行できるまで2~3日、車の乗り入れまでに1週間の養生期間が必要です。
車を紫外線や雨から守りたい場合はカーポートの設置がおすすめです。カーポートは1日程度で施工できます。
玄関アプローチの施工
玄関アプローチは住む人の動線を考えてストレスのない配置を考えなければなりません。また、S字などの曲線を取り入れるなどすると視線が奥へ誘導され、空間を広く見せられます。アプローチは3~10日程度で完成します。
外構工事業者を選ぶときのチェックポイント

満足度の高い外構工事は、外構工事業者選びが重要です。ここでは、外構工事業者を選ぶ際にチェックしておきたいポイントを紹介するので、事前にしっかり押さえておき、信頼できる優良業者に依頼するようにしてください。
見積もり内容
見積書が提示されたら、詳細に内容が記載されているか確認してください。
外構工事の見積もり金額は主に材料費、施工費、諸経費で構成されています。
材料費:素材・製品の種類、数量、単価が明記されているか。
施工費:作業内容ごとに明細が記載されているか。単価と工数が適切か。
諸経費:経費内訳と算出根拠が明確か。
図面と照らし合わせて工事範囲に誤りがないか確認しましょう。オプション工事は基本工事費用と区別されている必要があります。
保有資格と実績
外構工事業者に有資格者が在籍していることは、業者の技術力の証明となります。
業者に以下の資格を保有している従業員が在籍しているかチェックしましょう。
- 造園施工管理技士
- 土木施工管理技士
- エクステリアプランナー
外構工事業者が豊富な施工実績を持っていることも重要です。ウェブサイトを確認して、依頼したいテイストの施工事例があるか確認しておくと、技術力が高く理想の外構を実現してくれる業者に依頼できます。
アフターサービスや補償の充実度
外構工事は定期的なメンテナンスや補修が必要なため、アフターサービスや保証制度が充実している業者に依頼しましょう。
具体的には次のようなアフターサービスがあるか、確認しておきます。
- 保証期間(一般的に1~2年)
- 定期点検
- 相談窓口
優良業者であっても施工時の気象条件などにより、施工不良が起こる場合があります。補修工事が必要になった場合に、アフターサービスの充実度は非常に重要です。契約前に必ず確認しておき、保証内容については書面で残すようにしましょう。
過去の施工画像
理想通りの外構を実現するには、デザインセンスが希望に近い業者に依頼することも大切です。気になっている業者がどのような外構工事を行っているか、チェックしましょう。
施工写真は業者のウェブサイトやSNSで確認できます。店頭でパンフレットを配布している業者の場合はもらってきましょう。仕上がりのデザインだけでなく、施工前・中・後の写真を見せている業者なら、基礎などの隠れる部分もチェックできるため安心です。
口コミや評判
見積もりを依頼する前には口コミもチェックしておくと安心です。
口コミには実際に工事を依頼した顧客の生の声が記載されています。業者のウェブサイトに施工の感想を掲載しているケースもありますが、口コミサイトやSNSも見ておくと、ネガティブな面も確認でき、トラブルを避けられるはずです。
口コミでは施工写真のほか、対応の速さ・丁寧さ、営業担当・職人の対応について、どのように書かれているかチェックしておきましょう。
そのほか、業者のウェブサイトの会社概要を見て、営業年数が長いか確認しておくとよいでしょう。さらに、コンテスト受賞歴がウェブサイトに掲載されている業者は技術力が高いと言えます。
外構工事で後悔しないための注意点

外構工事を成功させるにはいくつかのポイントがあります。ここでは、スムーズに希望通りの工事をするために押さえておきたい点を5つ紹介するので、依頼前に確認しておいてください。
複数の外構工事業者を比較する
見積もりは、複数の業者から相見積もりを取りましょう。外構工事は完全オーダーメイドの工事で定価がありません。そのため、適正価格やプランの内容が分かりにくい工事です。
複数の業者から見積もりを取ることでおおよその相場を把握でき、不当に高額な料金を請求する業者を避けられます。
施工エリア内で気になる業者の中から3社程度に絞り、現地調査と見積もりを依頼します。見積書が出揃ったらデザインや見積金額、作業内容、保証、営業担当者との相性などを総合的に見て判断しましょう。
要望や希望デザインを明確に伝える
業者との打ち合わせでは、具体的かつ明確に要望を伝えると失敗を防げます。
希望のイメージはできるだけ写真で見せ、優先順位をしっかりと伝えておくことで、完成イメージを業者と共有でき、認識のズレを避けられます。
住宅雑誌や施工事例サイト、SNSなどを活用し、好みの写真を複数用意しておきましょう。逆に「これは嫌だ」という写真も用意しておくとさらに明確になります。
また、庭でBBQをしたい、掃除が苦手だからメンテナンスを最小限にしたい、家族の自転車は何台、など、ライフスタイルを整理しておくと、業者もプランニングしやすくなります。
契約は内容に納得したうえで行う
トラブルを防ぐためにも契約は納得したうえで行いましょう。
契約前には以下の項目が具体的に文書に記載されているか確認してください。
- 見積書(作業内容と素材、数量・単価が記載されている)
- 工期と引き渡し日、延期時の対応
- 追加工事発生の際のルール
- 支払い条件
- 保証とアフターサービス
- 免責事項
契約前に契約書の読み合わせを業者と行うと確実です。
疑問がある場合は質問し、不明点を解消してから契約に進んでください。
事前に近隣へ工事する旨を伝える
工事前に近隣住民に挨拶回りをすることで、トラブルを最小限に抑えられます。
外構リフォームでは既存のブロック塀や床面を破砕するため、騒音や振動が発生します。外構の新設でも粉塵が発生したり、業者が出入りしたりして近隣に迷惑をかけることに変わりありません。
工事の1週間前に業者と共に挨拶に伺いましょう。施主が直接顔を見せることで印象が大きく変わります。その際に洗剤やタオルなどちょっとした粗品を持参するとよいでしょう。
排水対策は抜かりなく行う
雨が降るたびにぬかるむ外構は、外観を損ねるだけでなく、湿気により害虫が発生したり外壁にカビが生えたりする原因となります。住まいの耐久性を維持し快適に使用するために、排水計画をしっかりと立て、水はけの良い外構を作りましょう。
床面を施工する際には水勾配を確保し、敷地内から排水溝へスムーズに水が流れるように設計します。また、透水性のある舗装を選択し、雨水を地中に浸透させ、水はけを維持する方法もあります。
予算を抑えたぬかるみ対策としては、砂利敷きや人工芝がおすすめです。
外構工事でよくある質問

ここでは、外構工事でよくある質問とその回答を紹介します。税金や費用面についての質問を中心に取り上げているので、事前にしっかりチェックしておき、不安を解消しておきましょう。
外構は固定資産税の対象になる?
外構工事は基本的には固定資産税には影響しません。
固定資産税は土地や家屋にかかる税金です。屋外設備の外構工事は原則として対象外となります。
ただし、外構の構造物が「倉庫」「その他建物」と認められた場合は、固定資産税が課税される可能性があります。
固定資産税は以下の3つの要素を満たしている場合に対象となります。
- 外気分断性:屋根があり3方が壁に囲まれている
- 土地への定着性:基礎が建物と緊結されている
- 用途性:建物が目的に応じて利用できる状態になっている
つまり3方が壁に囲まれ、屋根のあるビルトインガレージは固定資産税の対象です。物置は地盤に固定されている場合は対象となりますが、敷地に置くだけタイプの物置は対象外です。
外構工事中にかかる電気代や水道代は自己負担になる?
外構工事作業で使用する電気代や水道代は多くの場合、施主が負担します。
例えば作業で使用する電力を住宅のコンセントから供給する場合、電気代は施主が負担します。費用負担額は、工事内容によって変動しますが、電気代は一日あたり数十円から数百円程度、月で換算しても数千円程度です。水道代も同様です。
見積もりの際に電気や水道をどれくらい使用するのか、費用負担の目安はどれくらいか、業者に確認しておくとよいでしょう。
外構工事は自分でもできる?
外構工事は簡単なものであればDIYも可能です。例えば砂利敷きや人工芝の敷設であれば、自分でも施工できます。
ホームセンターやネットショッピングで材料は手に入るので、工事費用を節約したい場合はDIYに挑戦するのも一つの方法です。
ただし、外構の床面はしっかりと下地処理をしなければ数年で表面がでこぼこするなどして、外観が悪くなったり使いにくくなったりします。また、ブロック塀は、中に配筋するなどの技術と知識が必要です。
範囲が広い場所や施工の難易度が高い場所はプロに任せ、狭い場所や簡単にできる工程は自分で行うと、費用を抑えながら完成度の高い外構に近づくはずです。
まとめ

外構は家の顔となる場所です。新築工事を計画しているとつい後回しになりがちですが、重要な部分のため、住宅と同様にしっかりと計画を立てましょう。
業者に予算とライフスタイルを伝え、写真でイメージを共有することで理想に近い外構が完成します。計画段階から気軽に業者の店舗に足を運び、相談しておくことをおすすめします。

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