
解体工事を依頼する場合、見積もりや工事中に立会う必要があるのかどうか分からない、忙しくて立会いに日数を割けない、という方もいるのではないでしょうか。
解体工事ではトラブルを防ぐためにも立会いが必要なケースがあります。
この記事では、解体工事の立会いが必要な理由やタイミング、遠方や仕事で立ち会えない場合の対応方法を解説します。
解体工事の立会いは必要?

解体工事では立会いは必ずしなければならないのでしょうか。ここでは、工事の準備から完了までの段階別に立会いの必要性を整理しているので、最低でもどれくらい立ち会えそうか、検討しながら読み進めてください。
見積もり時の立会いは重要
解体工事の立会いは必須ではありませんが、見積もり時の現地調査の立会いは工事を円滑に進めるために非常に重要です。大きな理由は施主と業者の間で食い違いが発生するのを避けるためです。
コミュニケーションが行き違うと「撤去しないで欲しいと伝えていた庭木を撤去されてしまった」「解体してほしいと伝えていたブロック塀が残されてしまった」などのトラブルが発生します。
もちろん、打ち合わせはメールや電話でも可能ですが、現場を実際に見ながら施主が要望を伝えた方が正確に情報が伝わりやすくなります。土地の状況や、周辺環境に関する情報は施主が持っています。そのため、少なくとも現地調査には立ち会うようにしましょう。
工事中は毎日立ち会わなくてもよい
工事に立ち会った方がよいからといって、毎日立ち会う必要はありません。解体作業は業者に任せておけば安全に、基礎まで丁寧に解体してもらえます。
トラブル発生時は立ち会う必要がありますが、工事が始まったら立ち会いは毎日は必要ないことがほとんどです。
最近ではお茶出しも不要としている業者も増えており、毎日お茶出しをする必要もありません。お茶出ししないからといってサービスが変わることもないため、気にせず作業は任せましょう。
気になる場合は時々顔を出し、進捗状況をチェックしておくと、業者とのコミュニケーションも円滑になり、連絡の行き違いも防げます。
工事完了後は仕上がり確認のため立ち会いたい
解体工事の完了後は完了検査のため、現場に立ち会っておくことをおすすめします。これは、施主が現地を直接確認することで、工事の不備によるトラブルを防ぎ、安心して土地活用へ進めるためです。
撤去できていないものがあると次の工事に進めませんし、整地がきちんとされていなければ土地の売却も困難になります。
施主の目でしっかり検査し、問題がないことを確認したうえで引き渡しをすることで、その後の流れもスムーズになるため、完了検査には立ち会うようにしましょう。
解体工事で立ち会うタイミング

では、解体工事ではどのタイミングに立会いが必要なのでしょうか。ここでは立会いを求められるタイミングや重要度について解説するので、優先度が高いタイミングではスケジュールを合わせるようにしておきましょう。
見積もり・現地調査のとき
見積もりの現地調査の際の立会いは非常に重要です。正確な見積もりを出すために、解体範囲や隣家との境界線を実際に見ながら確認する必要があります。
解体工事は隣接する住宅と近い場合や老朽化の度合いによっては、手壊し解体を選択しなければならないケースも珍しくありません。図面では判断できない情報を、業者が建物や敷地の状態を見たり施主にヒアリングしたりして確認します。
また、古い浄化槽や井戸などを実際に業者に見てもらうことで、追加工事の発生を抑えられます。反対に残しておいてほしい庭木や庭石、ブロック塀などを明確に指定するためには施主からの説明が必要です。
工事開始前の最終確認時
着工前の最終確認の際も立ち会った方がトラブルを避けられます。
最終確認で解体する範囲、残すものなどを確認しておくことで、勘違いによるミスを防げます。このとき、見積書の内容を確認し、追加費用についても打ち合わせておくことが大切です。
この段階で、工事日程や近隣住民への配慮、追加工事が発生した際の対応についても再度確認しておくと安心です。施主からも周辺道路状況や近隣住民への対応で変化があった場合は、情報提供しておきましょう。
工事中に確認が必要な場面
工事が滞りなく進んでいるか、近隣住民に迷惑をかけていないか確認するために、施主が現場で作業状況をチェックすることも大切です。残しておいて欲しいものが壊されていないか確認することで、予期せぬトラブルを防げることもあります。
工事中の立会いは必須ではありません。また毎日現場に行く必要はないので、事前に業者に相談して、いつ頃立ち会えばよいか決めてください。
ただし、工事中に地中埋設物が発見された場合など、施主の最終判断が必要な場合は立会いを求められることがあります。
工事完了後の引き渡し時
解体工事が完了した後は、施主が現場を確認しなければなりません。依頼通りに解体できているか、残っているものはないか、整地が要望通りに行われているか確認します。
問題なければ引き渡し・工事完了です。万が一不具合や疑問がある場合はその場で確認し、必要に応じて再施工や補修を行ってもらいます。
そのため、基本的に引き渡しは現地に出向きましょう。現場が遠方など、立ち会えない場合は業者に写真を送ってもらい、画像で状況を判断するケースもあります。
見積もりの立会いで確認しておくべき内容

正確な見積もりを出すためには、現場で施主が情報を共有することが大切です。
施主の立会いは追加費用を防ぐだけでなく、業者の対応や信頼性を確認する機会でもあります。ここでは、現地調査の際に確認しておくべき内容を紹介します。
道路・敷地・境界・搬出経路の状況
現地調査では、敷地と境界を施主が業者と共に確認することが大切です。図面をもとに境界線を確認し、境界が明確でない場合は隣家の立会いのもと測量を行って境界線を確定します。
境界線上に設置されたブロック塀は、隣家の了承を得ないと解体できません。老朽化などにより解体を検討している場合は隣家と書面で合意する必要があります。
周辺の道路状況について施主が知っている情報は伝えておくとスムーズです。これは工事の見積もりにおいて、運搬経路が作業効率を左右する重要な確認事項のためです。
重機が搬入できないほどの狭い道の場合、手壊し解体を選択することになり、費用が高額になります。
時間帯による一方通行、通学路となっている道がある場合も情報を共有しておきましょう。
解体する建物の状況
現地調査で建物をチェックする場合は、図面などの資料を業者に提供しましょう。解体工事の見積もりは建物の構造や延べ床面積で大きく変動します。そのため、図面があれば正確な見積もりを出しやすくなります。図面は事前にメールで業者に送るか、コピーを取って渡すとよいでしょう。
残置物についても、いつまでにどのように処分するか業者に説明しておきます。残置物を解体業者に処分してもらいたい場合は、現地調査でどれくらいの家財道具が残っているのか正確に把握できるよう、施主が説明しておく必要があります。
付帯物や庭・残すものの状況
現地調査での施主の立会いは、付帯物を解体するか、庭に残したいものがあるかどうかを伝えておくためにも重要です。付帯物とは建物以外の工作物を指し、庭木、ブロック塀、カーポート、土間コンクリートなどです。
取っておきたいものがある場合は明確に伝えておくようにしましょう。口頭だけでなく、メモを渡すなどしておくことが大切です。契約の際に契約書に明記されているかも確認してください。
また、当日作業員が間違えないよう、残すものリストの張り紙をしておくと、誤って解体されてしまうリスクを最小限にできます。
配管・ライフライン・地中埋設物の確認
現地調査では、ライフラインの停止や配管撤去の有無について業者と確認しておきましょう。
解体作業が始まる前までに、電気・ガス・電話・インターネットなどのライフラインは停止しておかなければなりません。
特に電気やガスが供給された状態で解体作業をすると火災や爆発のおそれがあるため、スケジュールの確認は重要です。
解体後、当面はガスを使用しないことが分かっている場合はガス管の撤去も必要です。ガス管の撤去はガス会社や専門業者に依頼する必要があります。
地中埋設物の撤去は追加工事になりやすい作業です。追加費用を請求されないためにも、古い井戸や浄化槽があることが分かっている場合は、現地調査のタイミングで業者に伝えておきましょう。
近隣建物や養生が必要な箇所
現地調査では、隣接する家との境界線を業者に確認してもらいます。隣家の車やカーポート、庭木を汚してしまいそうな場合は、隣家に養生をしてもらうよう求めることも大切です。
さらに近隣住民について、「日中寝ている」「ペットがいる」などの情報は業者に伝え、配慮を求めましょう。これらの情報は近隣トラブルを防ぐために重要であり、現地調査に施主が立ち会わなければ提供できない情報です。しっかり立ち会って必要な情報は共有しましょう。
解体工事の立会いにかかる時間の目安

仕事で忙しく、解体工事の現地調査・見積もりの立会いに割く時間があまりないという方もいます。
ここでは、現地調査・見積もりの立会いの所要時間の目安や、立会いが長くなりやすいポイントについて紹介します。
立会い時間の目安
一般的な30坪の木造住宅の現地調査にかかる時間は30分程度です。現地調査では建物の構造、大きさ、付帯物、周辺エリアの道路の状況などについて写真を撮影したりメモをとりながら進めていきます。
ただ、現地調査のやり方は業者によって異なるため、立会い時間も業者によって幅があると考えておいた方がよいでしょう。効率よく建物の状況を確認する業者もいれば、ヒアリングを丁寧に行う業者もいます。
効率的に現地調査を進め立会い時間を短くしたい場合は、事前にメールで必要な情報や要望を送っておくと効果的です。
立会いが長くなりやすいケース
現地調査は建物の条件によっては1時間以上を要する場合があります。以下のケースに当てはまる場合は、時間に余裕を持って現地調査を設定しましょう。
- 建物が大きい
- 付帯物が多い
- 部分解体工事
- 店舗の内装解体
- 残置物がある
- アスベスト含有建材を使用している
確認項目が多い場合や入念な調査が必要な場合は、現地調査に時間がかかる可能性があることを想定して予定を組んでおくと安心です。
立ち会えないときの対処法

解体工事のトラブルを防ぐためにもできるだけ現地調査には立ち会うことをおすすめします。
しかし、解体を希望している住宅が遠方の空き家など、簡単に現地に行けないこともあるでしょう。その場合は以下の方法で対応してください。
図面や写真をできるだけ用意する
家屋の図面や敷地内外の写真を多く用意し、これらを見ながら業者と打ち合わせすれば、何もないよりもトラブルを防げます。
図面も写真もない状態で打ち合わせすると、どの場所について話しているのか分からなくなったり、話した内容を忘れてしまうリスクがあります。
図面があることで正確な見積もりを出しやすくなる点もメリットです。解体工事の費用は構造と坪数で大きく変わるため、図面を資料として共有することで、正しい施工面積を割り出せ、見積もりミスを防ぐ効果が期待できます。
残すもの・壊すものを明確に伝える
工事で残しておいてほしいもの、解体撤去してよいものを文章などにまとめて伝えておくと、誤って解体されてしまうリスクを減らせます。
このとき、残しておきたいものの写真を添えておくと認識の違いを防げます。特に気をつけておきたいのが、隣家との境界線です。
境界に設置されているブロック塀が隣家のもの、または共有財産の場合は間違って解体してしまうことのないよう、写真で説明しておくことをおすすめします。
要望や気になる点を文章でまとめる
そのほか、要望や気になる点をメモにまとめ、担当者に渡しておきましょう。
不用品の処分はどうするか、工事前の挨拶回りの日程、養生シートや散水による粉じん対策、騒音・振動への配慮、解体後の整地の方法など、具体的に記載しておくと、業者も工事の計画を立てやすくなります。
要望は箇条書きや表にまとめておくと分かりやすくなります。また、伝えた要望は契約書に反映されているかもしっかりチェックしてください。
代理人を立てる
施主がどうしても現地調査に立ち会えない場合は、代理人が立ち会っても問題ありません。ただし、解体予定の建物について理解しており、解体業者からの質問に明確に回答できる人を選任しましょう。
建物について詳しくない人が代理人になると、現地調査で工事範囲などの詳細な確認ができず、正確な見積りができない可能性があります。
代理人は、家族や信頼できる知人、専門の立会い業者に依頼するのが一般的です。
進捗報告や完了写真を共有してもらう
施主が現場に立ち会えない場合は、工事の進捗状況を写真や動画で報告してもらうと、施工不良を防げます。
施工前の状態・中間報告・整地後と、工程ごとに報告してくれるか、事前に確認しておきましょう。中間報告が欲しいタイミングがある場合は事前に文書で希望の工程を伝えておくと確実です。
進捗報告の頻度は、業者によって異なります。こまめな連絡やサポート体制が整っている業者は、報告も頻繁にしてくれる可能性が高いと言えます。見積もり料金だけで判断せず、問い合わせの段階で回答のスピードや丁寧さもチェックしておくと、業者選びに役立つはずです。
解体工事の立会いでトラブルを防ぐポイント

ここでは工事のトラブルを防ぐために立会いの際に意識しておきたいポイントを紹介します。
コミュニケーションミスによる行き違いを防ぐために、以下にまとめたポイントを参考にして、必要な部分はしっかり業者に確認しておきましょう。
口頭だけでなく写真やメモでも残す
立会いの際はこまめに写真撮影をしたりメモを取ったりして記録しておきましょう。業者任せにせず、施主も記録を残すことで、見積もりの整合性確認や、後々の言った・言わないのトラブルを防げます。
現地調査当日は図面と地図のコピーを用意しておくことをおすすめします。図面や地図に直接書き込むことで、後で見たときに情報を整理しやすくなるはずです。
現地調査が終わったら、メモした内容と業者が説明した内容に相違がないか、口頭で確認しておくと見積もりトラブルを避けられます。
追加費用が発生する条件を確認する
見積時には追加費用の発生条件と、追加工事が必要になった場合の流れを事前に確認しておき、文書で残しておきましょう。
解体工事は追加工事が発生しやすい工事です。建物の基礎を撤去したら、昔の建物の基礎や廃棄物が出てきた、床下から図面に載っていない古井戸が出てきた、などというケースもあり、その場合は撤去工事を行わなければなりません。
急な追加費用の発生で慌てないためにも、追加費用の条件を事前に理解しておき、万が一のために備えておくことが大切です。
完了後は整地状態や取り壊し漏れを確認する
作業完了後の完了検査では、希望通りの整地がされているか、契約した範囲が全て解体されているか確認しましょう。構造物が解体されていても現場や周辺道路にコンクリートガラやゴミが散乱していないかチェックしてください。
整地は、目的に応じて「粗整地」「砕石舗装」「真砂土舗装」「コンクリート・アスファルト舗装」のいずれかを選択します。更地の状態が短期間の予定の場合や売却前の土地の場合は粗整地にすることが一般的ですが、業者によって仕上がりが大きく異なるため注意しなければなりません。
粗仕上げを希望している場合は、業者の施工事例をチェックして実績のある業者に依頼する、工事完了後は立会いをして仕上がりをしっかり検査することが大切です。
まとめ

解体工事の立会いは業者との行き違いを防ぐために重要です。施主が直接説明することで、トラブルを最小限にできます。
仕事が忙しい場合は、現地調査と完了検査の最低限のタイミングで立ち会えば十分でしょう。遠方の空き家など、施主が現地に行くことが難しい場合は、リモートで見積もりや進捗状況の報告をしてくれる業者に依頼すると安心です。
施工業者は、施工金額だけでなく、質問に対して迅速で丁寧な回答をする、知識が豊富で説明が明確な業者を選びましょう。

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