シンボルツリーで虫がつかないのはどれ?手入れが不要で外構のアクセントになる植栽

シンボルツリーで虫がつかないのはどれ?

エクステリアのアクセントとなるシンボルツリーは、住まいの雰囲気をつくり出す重要なアイテムです。

しかし、せっかくの美しい植栽も害虫の被害に遭ってしまったら台無しですよね。

この記事では、害虫の被害に遭いにくいシンボルツリーの種類とその理由、植栽の選び方、管理方法などについて紹介します。

目次

シンボルツリーで虫がつかない植栽は?

虫が寄りつきにくい植物にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここではシンボルツリーにおすすめの、虫の被害に遭いにくい植物を紹介するので、植栽選びの参考にしてください。

オリーブ

葉の表面にツヤがあり、裏面は銀色に輝くオリーブの木は、エクステリアのデザインを演出してくれるだけでなく害虫に比較的強い木です。

オリーブが虫に強いとされているのは、葉や果実に「オレウロペイン」という虫が嫌う成分が含まれているためです。

ただしオリーブには、オリーブアナアキゾウムシやハマキムシ、スズメガの幼虫が付きやすいので注意しなければなりません。被害を見つけたら早めに薬剤を散布するようにしましょう。

フェイジョア

南米原産で白いユニークな花を咲かせるフェイジョアも葉が硬く、虫が付きにくいため人気があります。

ただし、アブラムシやハダニには注意が必要です。アブラムシが付くと葉が黒くなってしまうので、見つけたら早めに駆除しましょう。

フェイジョアの実はパイナップルのような風味のしゃりっとしたゼリーのような食感で、生食で楽しめます。

ただし、自家不結実性の植物なので、複数の品種2本以上の木がないと実ができません。

果実を楽しみたいときは複数品種で2本以上植える、反対に実を付けたくない場合は近所にフェイジョアの木がないか確認しておきましょう。

ヤマボウシ

ヤマボウシは枝を大きく広げて伸び、美しい葉を持つ常緑樹で、病害虫に強く、手入れが簡単な植物です。初夏に白い花、秋には赤い実を付けるため四季の変化を楽しめる点で人気があります。

比較的害虫の被害に遭いにくいですが、イラガやアメリカシロヒトリという蛾の仲間が付く場合があります。

特にイラガの幼虫には毒があり、触ると激痛が生じるため、直接肌に触れないように駆除することが大切です。

シマトネリコ

シマトネリコは害虫に強く丈夫で育てやすい、シンボルツリーに最適の植物です。樹形がすらりとしていて、爽やかな雰囲気の葉を茂らせます。

生長も早く、数年で2階くらいの高さまで伸びるため、ショッピングモールなどでも建物を彩るグリーンとして広く活用されています。

暑さに強いですが、耐寒性にややかけるため、関東以南での栽培に適した植物です。生長が旺盛なので、コンパクトに育てたい場合は鉢植えにすると良いでしょう。

虫はあまりつかないことで知られていますが、ハダニやカイガラムシがつくことがあるため、発見したら早めに取り除く必要があります。

金木犀

金木犀は秋に咲く香りの強いオレンジ色の花が魅力の常緑樹です。葉が硬いため、害虫の被害に遭いにくく管理しやすいといえるでしょう。

ただし、ハダニやカイガラムシがつくと葉の色が黄色くなり見た目が悪くなってしまいます。見つけたら全体に広がる前に駆除することが大切です。

基本的に丈夫な植物ですが枝を大きく切りすぎたり、葉がなくなるほど刈り込んだりすると枯れてしまうことがあります。

小枝が枯れると再び生長を始めるまで2~3年かかることがあるので注意しましょう。

ローリエ

ローリエ(月桂樹)は、葉に爽やかな香りを持つ、古代ギリシャで勝利のシンボルとされてきた植物です。葉は料理の臭み取りにも使用されますが、米びつや下駄箱などに置いておくだけで防虫効果も期待できます。

一方で、テッポウムシやハマキムシには注意が必要です。テッポウムシは幹の内部を食い荒らし、枯らしてしまうおそれがあるので、被害を発見したら早めに薬剤を散布して駆除しましょう。

ジンチョウゲ

ジンチョウゲは、春に香りの良いかわいらしい花を咲かせる比較的低木の常緑樹です。葉が肉厚なので、虫の被害を受けにくい植物といえるでしょう。

生長が緩やかでほぼ剪定は必要なく、手間がかからない点もメリットです。

ただし、樹液や根、実に至るまで毒性があるため、子どもやペットがいる家はかじったり樹液をなめたりしないように注意が必要です。

また、根が弱く植え替えに適していません。あらかじめ植える場所を決めておき、一度植えたら移動させないようにしましょう。

ハイノキ

すっきりとした葉と樹形がどのようなエクステリアにもマッチし、春に白い花を咲かせるハイノキはシンボルツリーとして人気があります。

生長スピードが遅く、病害虫に強いため、あまり庭木に手を掛けられない人にもおすすめです。

虫が寄りつきにくいですが、アオムシやカイガラムシ、ハマキムシがつく可能性があるので、早めの駆除が肝心です。

また、独特の香りがあり、開花時には花粉を多く放出するため、香りが苦手な人やアレルギーがある人にはあまりおすすめできません。

ヤマモモ

ヤマモモは果樹でありながら病害虫に比較的強く、初心者でも育てやすいのでシンボルツリーとしても適しています。

青々とした葉が年間を通して付き、大きくなると樹形が自然と丸く整っていきます。梅雨が過ぎたころに赤い果実を付けるので、収穫してジャムや果実酒として楽しめるでしょう。

基本的に大きく剪定する必要はありませんが、春先に重なった枝や混んだところを間引き剪定すると、生育が良くなります。

ただ、先端を刈り込みすぎると実がならなくなるので注意が必要です。

植栽によって虫の被害が少ない理由

植物にはなぜ、虫が寄りつきやすい植物と寄りつきにくい植物が存在するのでしょうか。

ここでは虫が付きにくい植物の特徴を紹介します。シンボルツリーにしたい植物が条件に当てはまっているかチェックしてみましょう。

ハーブ類のような強い匂いがある

一般的にハーブのような強い香りを放つものは虫がつきにくいとされています。

香りを放つ植物は、病気や虫から身を守るため、葉っぱを食べられると香りを発して虫を追い払おうとします。

この香り成分は葉や茎の中にある腺毛と器官で作られる精油で、これが破れたり踏みつけられたりして傷つくと、破壊されて香りを発するのです。そのため、香りのある植物をシンボルツリーにすると、虫の被害に遭いにくくなります。

花や実が目立たない

花や実が目立たない植物も虫が寄りつきにくいといえるでしょう。シンボルツリーのなかには美しい花や良い香りの花を楽しめるものも多くありますが、開花期に蜂や蝶が蜜を求めてやってきます。

果樹は花だけでなく果実にも虫が寄ってきたり、落ちた果実にアリが寄ってきたりするのもよくあるケースです。

虫を見たくない場合は、花や実が付きにくい樹種や、強い香りを持たない花を咲かせる樹種を選ぶと良いでしょう。

葉が虫にとって食べにくい形状をしている

葉が硬く肉厚の植物は、虫の食害に遭いにくいとされています。特に柔らかい葉や新芽は虫の産卵場所にされたりアブラムシがついたりするので、これら害虫を避けるには、厚みがあり硬い葉を持つ樹木を選ぶと良いでしょう。

注意しておきたいのは、虫が付きにくい植物でも風通しが悪くなると害虫や病気が、乾燥するとハダニが発生する可能性があります。

定期的に剪定して風通しを良くしたり、葉水をかけることで、害虫を避けられるだけでなく植物が生育しやすい環境を保てるでしょう。

植栽後の管理方法

シンボルツリーに虫を寄せ付けないためには、植えたあとの手入れも大切です。

以下に挙げるポイントをしっかり押さえて、害虫が付きにくいだけでなく、植栽を健康に保って美しいエクステリアを維持しましょう。

定期的に防虫剤や薬剤を撒く

シンボルツリーを害虫から守るためには、定期的に薬剤を撒くなどして消毒することが大切です。

消毒は春に活動を始める虫の卵や病原菌対策のために行う1~2月、越冬して活動を始めた虫や病原菌に対処するための3~5月、害虫が大量発生しやすくカビやダニが増える7~9月の年3回行うのが一般的です。そのほか、害虫を見つけ次第殺虫剤で駆除すると被害が大きくならずに済むでしょう。

特定の虫が付きやすい樹種もあるので、事前にどのような虫が付きやすいのか調べておき、事前に防虫剤を撒いておくなどの対策も有効です。

定期的に剪定して木が蒸れないようにする

シンボルツリーを病気や害虫から守るためには、定期的に剪定して枝1本1本に風と日光が当たるようにすることが大切です。

剪定で枝や葉を減らしておけば、病気や害虫を早期に発見しやすく、被害が樹木全体に及ぶのを防げます。

シンボルツリーの剪定時期は基本的に冬と夏。冬は樹木が春から大きく成長できるようにエネルギーを蓄えている時期です。

この時期に余計な枝を落としておくと樹木が必要なエネルギーを効率的に蓄えられます。10~2月に行うと良いでしょう。

夏は伸びすぎた枝を落として形を整えたり、風通しを良くしたりする目的で行います。真夏は植物が暑さに負けてしまうので4~6月に行うのが一般的です。

季節ごとのメンテナンスを理解しておく

シンボルツリーのメンテナンスは樹種によって最適な時期が異なります。

暑さに弱い植物、寒さに弱い植物があり、植物にとって苦手な時期に剪定で大きく刈り込んでしまうと弱ってしまう場合があります。

また、害虫の被害に遭いやすい時期も植物によって異なるでしょう。

反対に、最適な時期にしっかり肥料を施してあげることで生育が旺盛になったり花がきれいに咲いたりします。

シンボルツリーを健康で美しい状態に保つためには植物の性質を理解しておき、最適な時期に適切なお世話をしてあげましょう。

虫が発生した場合の対処法

万が一シンボルツリーに虫が付いているのを発見した場合、どのようにすればよいのでしょうか。

害虫駆除の方法は虫の種類や大きさによって異なります。虫の種類によっては短期間で葉を食い荒らしてしまうものもあるので、以下を参考になるべく早く対応しましょう。

手作業で取り除く

ヨトウムシやアオムシなどの大きめの害虫は、割りばしやピンセットでつまんで取り除けます。

ナメクジも同様に取り除けますが、夜行性のため、夜に懐中電灯で照らしながら割りばしやピンセットで掴んで取り除きましょう。

カイガラムシは歯ブラシやヘラなどでこすり落としたり、ホースの水で飛ばしたりして取り除けます。

このほか、防虫ネットや寒冷紗を張って虫が付くのを防ぐ方法や、虫が光を嫌う性質を利用してアルミホイルを周辺に置くなどの対策方法もあります。

薬剤を散布する

虫の数が多い場合や小さい虫、卵には薬剤散布で駆除すると効果的です。

殺虫剤には、広範囲に散布できるエアゾールスプレータイプのほか、土壌に撒いて駆除する浸透移行性の殺虫剤があります。

また、自然の成分のみで害虫駆除したい場合は、木酢液を薄め、スプレーボトルに入れて吹きかけると効果的です。

薬剤は植物に付いている虫の種類や季節によって選び方が異なるので、購入する際にはショップの店員さんなど、専門家のアドバイスを受けながら選ぶのがおすすめです。

虫のよりつき以外でシンボルツリーの選び方

シンボルツリーは虫が付きにくさだけでなく、外構の環境に最適な種類を選ぶことが大切です。

ここではシンボルツリーの選び方のポイントを紹介するので、エクステリアの条件に合うものを選びましょう。

手入れが簡単なものを選ぶ

シンボルツリーは手入れが簡単なものを選ぶようにしましょう。樹木は大きく分けて常緑樹と落葉樹に分けられます。

落葉樹は葉が薄く、爽やかな明るい木漏れ日をつくり、さらに紅葉で葉の色の変化を楽しめる一方で、冬になると落ち葉の掃除が手間になるというデメリットがあります。

常緑樹なら一年中葉が生い茂り、落ち葉掃除の心配がありません。

また、丈夫だからといって生育が旺盛すぎる植物を選ぶと頻繁に剪定しなければならないため、ある程度生育が緩やかな樹種を選ぶことも大切です。

日照条件を考慮して選ぶ

シンボルツリーは植える場所の日照条件に合ったものを選びましょう。植物は日光が好きなものや半日陰が好きなものなどさまざまです。

玄関周辺の方角や周囲の建物の高さも樹木が生育する環境に影響を与えるので、植えたい場所がどのような場所なのか事前に確認しておきましょう。

北側の玄関前に植える場合は、日当たりが悪く冬は寒いので、日陰と寒さに強いシマトネリコやアオダモなどがおすすめです。

光が十分に当たり温かい南側には光を好むオリーブやハナミズキが良いでしょう。

東側は午前中は明るく午後は日陰になるため日陰に強いソヨゴやヤマボウシが最適です。

西側は西日が強く乾燥しやすいため、光と乾燥に強いオリーブやユーカリ、キンモクセイが向いています。

木の成長後の高さで選ぶ

シンボルツリーの樹高についても考えておくこともポイントです。木が大きくなりすぎると剪定ばさみが届かず、お手入れに苦労したり、日陰が大きくなったりします。

反対に、生長が遅い種類の木で低い樹高のものを植えると十分な大きさになるまでに時間がかかり、長い間目隠しとして機能しない状態が続きます。

シンボルツリーでお手入れしやすいとされている樹高は2メートルです。人の背丈より少し高いくらいの高さならお手入れしやすいので、定期的に剪定して高さを保ちながら管理するとよいでしょう。

なお、高木を植えたい場合は、高さ3メートルくらいを限度にしておくのがおすすめです。

シンボルツリーに関するよくある質問

ここでは外構にシンボルツリーを植える際によくある質問とその回答を紹介します。

シンボルツリーを植えてから変更するのは難しいので、植物を選ぶ際には事前にチェックしておき、失敗を防ぎましょう。

シンボルツリーはどの場所に植えるのがよい?

シンボルツリーを植える場所の代表的なものが玄関付近や門周辺です。道路から住宅を見たときに目立つ場所なので、外観の演出に役立つはずです。

そのほか、リビングからよく見える庭や、中庭などの特別な空間に植えておしゃれなガーデンをつくる場合もあります。

玄関周辺に植える場合は、玄関ドアの正面よりも道路から見て枝が玄関に少しかかって見えるように配置すると圧迫感がなく、スタイリッシュな空間を演出できます。

また、2階の窓からシンボルツリーの葉が少し見えるように配置すると、室内で過ごしていても自然な雰囲気を楽しめるでしょう。

シンボルツリーを植えるデメリットはある?

おしゃれだからといって安易にシンボルツリーを植えると世話が大変だったり余計な費用がかかったりして後悔するケースもあるため注意が必要です。

代表的なものは、落葉樹を植えたことで秋の落ち葉の掃除が大変だった、丈夫な植物を植えたら生育が旺盛すぎて大きくなりすぎた、剪定作業が大変だった、などです。

また、配管の近くに大きな樹木を植えたら根が配管に入り込み詰まってしまった、という場合もあります。

デメリットを避けるためには住宅の条件とライフスタイルに合った樹種を選ぶ、植える場所を決めるときは配管が近くにないか確認することが大切です。

まとめ

害虫の被害に遭わずにシンボルツリーで外構の印象をおしゃれに演出したい場合は、虫が付きにくく、自宅の条件に合った植物を選ぶことが大切です。

また、日常のお手入れ次第で虫が寄りつきにくくできるので、定期的に薬剤散布や剪定を行い、虫が嫌う環境を作りましょう。

新築住宅のシンボルツリーにどの植物を選んだらよいのか分からない場合は、外構工事業者に無料見積もりを依頼して、アドバイスを受けたりしながら選ぶのがおすすめです。

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