
新築や中古住宅の庭でガーデニングを楽しみたい、緑あふれる憧れのお庭にしたいと考えている方は多くいます。しかし、庭が狭すぎて何もできないとあきらめている方もいるのではないでしょうか。
ガーデニングは工夫次第で狭い庭でも十分楽しめます。今回は、狭い庭でもガーデニングするコツ、庭を広くおしゃれに見せるポイントを紹介するので、スペースが狭くて悩んでいる方は参考にしてください。
一戸建ての狭い庭でガーデニングを楽しむ方法

一戸建て住宅の庭が狭い場合、ガーデニングを最大限楽しむにはどのようにすればよいのでしょうか。
ここではおしゃれで緑あふれるエクステリアを完成させるコツを紹介するので、できるところから取り入れてください。
コンセプトを決めて統一感を出す
お庭のプランを立てるときは、まずコンセプトを決め、統一感のあるデザインにまとめましょう。
エクステリアは、庭、アプローチ、駐車場、門まわりなどの各設備がお互いに関係しあって一つの空間を創り出しています。それぞれのテイストがバラバラだと、まとまりがなく、コンセプトの分からない庭になってしまいます。
コツは、外構設備を建物の雰囲気に合わせること、植栽も建物と外構設備に合ったものを選び、すっきりとまとめることです。
お花屋さんできれいな花を見かけると、つい欲しくなってしまうかもしれませんが、自宅の庭のコンセプトに合っているかを考えてから購入するようにしましょう。
ガーデニング雑貨やソーラーライトで奥行きを演出
エクステリアにガーデン雑貨やソーラーライトを配置すると、狭い庭でも奥行きを演出できます。
ガーデン雑貨は園芸店やホームセンターで販売されているので、自宅の庭のテーマに沿ったものを設置するとよいでしょう。このとき、強風や雨で飛ばされたり壊れたりしないものを選ぶことが大切です。
夜の庭に奥行き感を出すには、ソーラーライトが効果的です。ソーラーライトはポール型のタイプ、地面から照らすタイプなどさまざまなものがあるので、お庭のライティングプランに合わせて設置するようにしましょう。
生活感がでるものは隠す
エクステリアに園芸用品や使っていないプランター、工具などが出ている場合は収納してすっきりさせましょう。
生活感のあるアイテムが外に出ていると、途端に乱雑な印象を与えてしまいますし、風で飛ばされると危険です。
最近ではエクステリアの雰囲気を損ねないおしゃれな物置や収納ボックスも多く登場しているので、荷物の量に合ったものを設置するか、外から見えにくい場所に収納しましょう。
玄関アプローチを活用する
庭が狭く、植物を植えるスペースが足りない場合は、玄関アプローチもガーデニングスペースとして活用するのがおすすめです。
アプローチのコンクリートやタイル、石などの目地にグラウンドカバーを植えるとナチュラルな印象に仕上がります。バラや藤、ミモザなどの植物を門まわりに植えれば、花の時期は玄関までの道が華やかに彩られるでしょう。
そのほか、アプローチは全面舗装して、人やベビーカーが通りやすいようにしておき、鉢やプランターをアクセントとして置けば、安全性が高く手入れが簡単なアプローチになります。
小道を作る
庭に小道を作ると、空間に立体感が生まれるだけでなく、庭の動線を確保できます。
小道とは、アプローチとは別に設置された動線のことです。小道の脇にガーデニングスペースを設ければ、庭にメリハリができ、外構デザインを一層引き立たせることができます。
小道の動線は、テラスやウッドデッキとアプローチをつないだり、駐車場から庭をつないだりするなど、家族のライフスタイルに合わせて設計すると、より外構を便利に使えるようになるはずです。
一戸建ての狭い庭を広く見せるコツ

一戸建て住宅の庭が狭い場合、どのようにすれば広く見せられるのでしょうか。
ここでは、狭い庭に奥行きや立体感を持たせ、広く見せるコツを紹介します。うまく取り入れて、限られた空間をおしゃれに演出しましょう。
視線の奥行きをつくる
遠近法を使って奥行きをつくると、狭い庭を効果的に広く見せられます。これは日本庭園でよく活用されている手法で、近くに背の低いもの、遠くに背の高いものを配置することで目の錯覚により実際の距離よりも遠くにあるように感じさせる効果を得られます。
たとえば、庭の奥に背の高い植物、手前に背の低い植物を植えると、奥行き感が生まれ、空間を広く見せられるでしょう。
また、応用として、手前に背の高い木、奥に背の低い植物を植えて奥行きを感じさせるテクニックもあります。
曲線を取り入れる
庭は直線よりも曲線を取り入れた方が空間に奥行きが生まれ、広く感じられます。小道やアプローチは、直線よりも曲線やクランクを取り入れ、道の先を見えにくくすると効果的です。
さらに、小道に植栽を配置して道の行先がやや隠れるようにすると、視線が左右に止まり、奥行き感を得られます。
アプローチや小道の曲線はエクステリアの安全性向上にも効果的です。道の先が見えにくいことで不審者が進入しにくい設計にできるだけでなく、子どもの飛び出し防止にも役立ちます。
高低差を意識する
縦の視覚を意識した庭づくりは、庭に立体感を持たせるのに効果的です。庭が狭いからといって背の低い植物ばかりを植えてしまうと、かえって狭さが強調された単調な庭になってしまいます。
背の高い植物と背の低い植物を効果的に組み合わせると視線がさまざま方向へ向けられ、限られたスペースを広く見せられます。シンボルツリー、低木、背の低い草花、グランドカバーをうまく組み合わせて縦の空間を演出してください。
視線を集めるポイントを作る
庭を見たときに、視線が自然に特定の場所に向かうように誘導する、フォーカルポイントを設置すると、敷地全体を広くバランスよく見せられます。
こちらも日本庭園でよく使われる手法で、木や大きな石、水辺などの庭の構成要素を効果的に配置することで視線の軸をつくり、全体のバランスを保つ効果が期待できます。
一戸建て住宅の庭では、シンボルツリーやガーデングッズが取り入れやすいアイテムです。そのほか、季節の花を鉢に植えて飾ると、簡単に目線を誘導できるのでおすすめです。
壁や縦の空間を有効に使う
狭い敷地でも、壁などの縦の空間を有効に使えば、おしゃれな庭を演出できます。植栽に高低差を設けるほか、レンガで高低差をつくって視覚的な安定感を生み出すことが可能です。
ほかにも、鉢やプランターを段差やスタンドの上に配置するだけでも簡単に高低差を活かした植栽が完成します。
植物を壁にハンギングして飾ったり、フェンスに絡ませて飾るのも効果的なので、環境に合った方法を取り入れるとよいでしょう。
狭い庭のガーデニング向きの草花

敷地が狭い場合、大型のシンボルツリーは植えられない場合があります。しかし、狭い庭でも育てやすく、小ぶりながら存在感を発揮してくれる植物は多くあります。
ここでは、狭い庭に向いている植物を紹介するので、条件に合ったものを取り入れて庭をおしゃれに演出してください。
宿根草
宿根草(しゅっこんそう)とは、植えた場所に根付き、生育に適さない冬季などは地上部は枯れますが、地下部は生きていて、生育条件に適した気候になると再び発芽して花を咲かせる植物です。
丈夫な品種が多く、毎年増えていくので植え替えの手間がなく、初心者でも育てやすいのが特徴です。
宿根草は生育時期が終わると地上部が枯れ、放置すると見た目が悪くなってしまうので、花が終わったら枯れた部分はバッサリと剪定する必要があります。また、次の花を咲かせるために施肥するのがポイントです。
つる性植物
つる性植物は、ほかの樹木に絡みついたり、地面や岩をつたって伸びる植物のことです。フェンスやトレリスに絡ませて育てられるので場所を取らないうえ、道路に面したフェンスに絡ませれば目隠し効果により、室内のプライバシーを守れます。
つる性植物は、さまざまな種類があります。常緑樹と落葉樹、一年草と多年草、巻きひげタイプと吸盤タイプなど、住まいとお庭のテーマに合ったものを選んで庭づくりに活用しましょう。
陰生植物・半陰生植物
庭に広さがなく日陰が多い場合は、日陰や半日陰でも生育する陰性植物、半陰性植物がおすすめです。
陰性植物は直射日光が当たらない半日陰から日陰の環境を好み、一日1~2時間程度の日照でも育ちます。半陰性植物は一日3~4時間程度直射日光が当たる環境を好み、部屋の中ならレースのカーテン越しの光で育つ植物です。
陰性植物・半陰性植物は地味な印象を持つかもしれませんが、きれいな花を咲かせる品種も多くあり、狭く暗い庭でも華やかに彩ってくれます。
狭い庭でガーデニングをするのに役立つアイテム

狭い庭でもちょっとしたアイデアで空間を最大限におしゃれに演出できます。ここでは狭い庭に役立つアイテムを紹介するので、ガーデニングやDIYで積極的に活用し、理想通りの庭を完成させてください。
レンガ
レンガは外構のあらゆるところに使用でき、その温かみのある風合いと色が植栽によくマッチする素材です。
小さな庭でもレンガを並べて縁石にし、好きな大きさの花壇を作れるほか、数個を積み重ねるだけで鉢植えスタンドとしても活用できます。
ホームセンターなどでも販売されており、手に入りやすいのでDIYでも施工できますが、床面をレンガにしたい場合などは、外構工事業者に依頼した方が安心です。
フェンスや壁面フェンス
フェンスを利用すれば、狭いスペースや外構の床面に土がなくても、ガーデニングを楽しめます。
プランターつきの壁面フェンスなら、フェンス近くにつる性の植物、手前に背の低い季節の花を植えてプランターのなかに小さなお庭をつくり出せます。フェンスが支柱になるので、ミニトマトや豆などを植えて家庭菜園にするのもよいでしょう。
また、装飾つきのアイアンフェンスは庭に置くだけでアクセントとなり、ヨーロッパ風のお庭を演出してくれるでしょう。
コンパクトなベンチや椅子
庭が狭くテーブルと椅子を置くのが難しくても、小さなベンチや椅子を置いて憩いのスペースをつくることは可能です。ベンチや椅子があれば、ガーデニング中の休憩や日向ぼっこなどに活用できます。
ガーデンベンチは木製、金属製、樹脂製などさまざまな素材があるので、お庭のテイストや使いやすさで選ぶとよいでしょう。
座面が収納になっているものなら園芸用品などこまごまとしたものをすっきり収納できて便利です。
一戸建ての狭い庭をおしゃれにするアイデア

ここでは、一戸建て住宅の狭い庭をおしゃれに演出するアイデアを紹介します。
狭くても空間を上手に使い、レイアウトすれば、理想のイメージに近づけることが可能です。自宅のスペースに合った方法を取り入れてみましょう。
小さな鉢植えを複数並べる
庭に花壇を設置するスペースがない場合は鉢やプランターでガーデニングができます。
複数の鉢を並べ、植える花や組み合わせを変えると、変化も生まれて見る人を楽しませてくれるでしょう。階段状のガーデンラックを使用すれば鉢を上下に配置でき、飾り方のバリエーションも増えます。
鉢植えは花壇と違い、簡単にレイアウトを変更できるうえ、周囲の掃除も簡単なので、忙しい方や初心者さんにもおすすめです。
グランドカバーを花畑にする
花が咲くカバープランツを植えて、雑草対策をしながら小さな花畑を楽しむことも可能です。グランドカバーは広い庭でも小さい庭でも、そのスペースに応じて植物の絨毯をつくれます。
花が咲くグランドカバーにはクラピア、タピアン、シバザクラ、クリーピングタイム、ヒメツルソバ、スーパーアリッサムなどがあります。咲かせる花の色や香りの有無など、好みの植物を植えて、お花の絨毯を楽しんでください。
乗り物や車輪型のオブジェを置く
庭のオブジェとして乗り物や車輪を置くのも人気の手法です。とくに車輪は壁面に立てかけるだけで狭い庭もおしゃれにできるアイテムで、庭に採用する実例も多くあります。
車輪が庭のオブジェとして人気が高いのは、車輪が愛と幸福のシンボルというのが理由のひとつです。
由来については諸説あり、車輪が太陽や普遍性を暗示している、ローマ神話の運命の女神フォルトゥーナの絵はいつも車輪と共に描かれている、車輪は豊かな生活のシンボルである、などがあります。そのため、古代ローマ時代には既に車輪は、愛と幸福のシンボルとして飾られていました。
このような幸福を象徴する車輪をハーブやお花と組み合わせることで豊かさの象徴性を視覚的に表現できます。
まとめ

限られたスペースでもガーデニングは可能です。お金をかけずにできる方法もあるので、ご紹介した方法を参考に、自分だけの素敵な家づくりをしてみましょう。
自分ではうまくレイアウトできない、床面やフェンスなどの外構設備をおしゃれにリフォームしたい、などの要望があるときは、外構工事業者に相談するのがおすすめです。
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