自宅の庭にドッグランを作る方法|費用・必要な設備・注意点まとめ

自宅の庭にドッグランを作る方法

自宅の庭をドッグランにして愛犬を思いっきり遊ばせたい、と考えている飼い主さんは少なくないでしょう。

また、近所に公園やドッグランがなく、リードなしで遊ばせてあげる場所が欲しいと考えている方もいるのではないでしょうか。

今回は、自宅でいつでも愛犬と遊べるドッグランの作り方や注意点などについて紹介します。

目次

自宅の庭にドッグランを作る手順

まずはドッグランを自宅の庭に設置する手順を紹介します。ドッグランをDIYしたいと考えている方はもちろん、外構工事業者に発注する予定の方も、流れを押さえておいてください。

雑草を処理する

最初にドッグランの広いスペースを確保するために、雑草を除去します。

雑草があると床材を敷きにくく、ドッグランの仕上がりも悪くなるため、しっかりと取り除きましょう。

雑草は根からしっかり抜き、除草剤を撒きます。なお、除草剤を撒いてから少なくとも3日間程度は、愛犬を庭に立ち入らせないでください。

雑草のほか、農薬や肥料類、使っていない鉢や不要なものは撤去しましょう。

ガーデニングをしている場合は庭に植えられている植栽を植え替えて移動させ、スペースを確保することもあります。

排水対策を行う

次に排水対策を行い、水はけを良くします。人工芝やウッドチップを床材にする場合、水はけが悪いとカビの温床になってしまいます。

天然芝を敷いた場合も、地面が濡れた状態が長く続くと枯れる原因となるので注意が必要です。

排水対策の方法は、外構工事で地面に勾配を設けたり、暗渠排水(あんきょはいすい)という地面にパイプを通して地上からの浸透水を流し、排水できる設備を施工したりする方法があります。

整地をする

次に整地をして土地を平らにし、下地を締め固めます。これは地面が柔らかいままだと表面に凹凸ができやすく、水はけが悪くなってしまうためです。

また、凹凸のある地面は犬の足に悪影響を及ぼしたり、家族が転倒したりするおそれがあるので、できるだけ平坦な地面を作ることが大切です。

自分で整地する場合は土を均したあと、板の上に乗って踏み固めたり、スコップで叩いたりして締め固めます。

締め固めがうまく進まない場合や、ドッグランのスペースが広い場合は「プレート」と呼ばれる締め固め用の機械をレンタルすると良いでしょう。

フェンス・扉を設置する

土地の整地が終わったらドッグランをフェンスで囲い、扉を設置します。

フェンスの設置の流れは、以下となります。

  1. 基礎石を埋めるための穴を掘る
  2. 基礎石を穴の中に置く
  3. 水平器で基礎石どうしの水平をとる
  4. 基礎石の周りに土を戻し、しっかりと締め固める
  5. フェンスを挿し込み、水平をとる
  6. フェンスどうしをボルトで連結し、固定する
  7. 基礎石の中にモルタルを隙間なく流し込む
  8. モルタルが固まれば完成

ホームセンターでもフェンスは販売していますが、安全性の高いフェンスを設置するためには、外構工事業者に依頼した方が安心です。

床材を敷く

地面に床材を敷きます。床材は素材によって設置方法が異なります。

人工芝は地面に防草シートを敷いたあと、人工芝をたるみのないように広げます。人工芝を横に並べて敷くときは、芝目が同じ方向になるようにするのがきれいに仕上げるポイントです。

ドッグランの長さに合わせてカッターやはさみでカットし、人工芝用固定ピンで地面に固定して完了です。

天然芝の場合は土壌を耕し、肥料を施してからローラーやトンボなどで表面をならします。種を均等に蒔き、土をかぶせ、水やりをして発芽を待ちましょう。

設備を設置する

ドッグランにトイレや水飲み場を設置します。愛犬が運動できるように障害物や屋外用のおもちゃを用意しておくと良いでしょう。また、愛犬や家族が休めるよう日陰を設置しておきます。

設備には立水栓や犬がくぐって遊べるトンネルなどもありますが、これらは施工前、または施工の途中で設置する必要があります。設備によって設置するタイミングを把握しておき、スムーズにドッグランを作っていきましょう。

自宅の庭にドッグランを作るときに必要な設備や材料

ここでは庭にドッグランを設置する際に必要な材料を紹介します。

ドッグランに必須の設備や材料の種類の違いについても解説しているので、しっかり準備して材料を選び、愛犬にとって快適なスペースを作りましょう。

フェンス

愛犬をリードなしで思いっきり遊ばせたい場合、飛び出し防止用のフェンスの設置は不可欠です。

フェンスの高さは、小型犬は1.2m以上、中型犬は1.5m以上、大型犬は1.8m以上が目安です。活発な犬種やジャンプが得意なワンちゃんの場合は犬種に限らず十分なサイズを確保しましょう。

フェンスはスチール製のメッシュフェンスのほか、アルミ製の目隠しフェンス、樹脂フェンス、鋳物フェンスなどがあります。それぞれデザインや価格、耐久性が異なるので、用途とエクステリアのイメージに合ったものを設置するようにしましょう。

ドッグランに愛犬と人が出入りするためには扉が必要です。ドッグランのメッシュフェンスに取り付ける扉は「アニマルフェンス用扉」と呼ばれるものが一般的です。

地面との隙間から脱走される心配がなければ、エクステリアで使われる一般的なフェンス扉を設置しても良いでしょう。

扉は鍵がかかるものを選択します。鍵が簡単なものだと開けてしまうワンちゃんもいるので、不安な場合は複数箇所に鍵を取りつけるか、複雑なタイプの鍵を取り付けてください。

地面材

ドッグランでよく使用される地面素材は天然芝、人工芝、ウッドチップです。

天然芝はクッション性があり夏場でも表面が熱くならないため、愛犬も快適に過ごせるでしょう。手入れに手間がかかるというデメリットはあるものの、自然素材ならではの使い心地を体感できます。

人工芝は均一なグリーンを一年中楽しめる素材です。施工したらすぐに使用でき、汚れたら交換すればいつでもきれいな地面を維持できます。夏の日差しで表面が熱くなりやすい点に注意が必要です。

ウッドチップは、クッション性があり、ワンちゃんの足が汚れにくく肉球にも優しい素材です。素材によっては木の良い香りを楽しめます。

立水栓・ガーデンパン

ドッグランには立水栓とガーデンパンがあると便利です。ドッグラン内の掃除のほか、ワンちゃんの洗い場としても役立つでしょう。

立水栓は大きく分けて90cmと120cmの高さのものがあります。片方をホースにつないだまま水を使いたいという場合は2口タイプを選ぶと良いでしょう。デザインも豊富で、レンガやタイル製のものが人気です。

ガーデンパンにもさまざまなデザインが登場しているので気に入ったものを設置しておしゃれな外構を演出しましょう。

休憩スペース

ドッグランには風通しが良い日陰の休憩スペースを作るようにしましょう。気温の高い日に愛犬を長時間外で遊ばせると熱中症になるおそれがあるため、適切に休憩させる必要があります。

日陰はパラソルやサンシェード、植栽などで簡単に作れます。ドッグランが建物と隣接している場合は、外構リフォーム工事でテラス屋根を設置すると、洗濯物を干すスペースとしても活用できるでしょう。

日陰になる場所にリードフックを設置して、人が座るベンチを用意すれば安心して愛犬と休めるはずです。

トイレスペース

ドッグランの一部をトイレスペースにして、トイレはそこでするようにトレーニングすれば、ドッグラン全体を長くきれいに保てます。

トイレスペースにはトイレパンを置き、その上にトイレシートを敷きます。トイレスペースは立水栓の近くに決めると、掃除や後片付けも楽です。

トイレの場所を決めていないとドッグラン内の色々なところにトイレをされて臭いが出る原因となります。

飼い主さんと愛犬が快適に過ごせるように、トイレは決めておくのがおすすめです。

自宅の庭にドッグランを作る費用の目安

庭にドッグランを設置するにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

ここでは、自分でDIYする場合と外構工事業者に依頼する場合の費用の目安を紹介するので、DIYの注意点も合わせてチェックしてください。

手作り(DIY)で作成できる?

ドッグランは、ホームセンターで材料を揃えて自分で作ることも可能です。DIYの費用相場は、25坪程度のドッグランであればおよそ15~20万円が目安と考えておけば良いでしょう。

ただし、整地やフェンスの設置には技術力が必要です。工事の内容によっては特別な道具が必要になるケースがあるだけでなく、プロに任せるのに比べて作業日数がかかる傾向があるため、トータルコストが高くなる可能性は留意しておきましょう。

外構業者に依頼する場合

外構工事業者にドッグランを施工してもらう場合の費用は、25坪程度の広さでおよそ30万円が目安です。

ドッグランに使用する材料の種類、広さ、既存の庭を解体するかどうかで費用は大きく変わるので、事前に現地調査と見積もりを依頼するようにしましょう。

見積もりはできるだけ3社程度から相見積もりを取り、契約先を決めると失敗が少なくなります。

比較検討の際には提案内容だけでなく、営業担当者としっかりコミュニケーションが取れるか、アフターサービスが充実しているかなどもチェックして決めると安心です。

メンテナンス費用も考慮する

ドッグランは設備が経年劣化していくので、定期的なメンテナンスが必要です。ドッグランの清潔感と安全性を保つため、古くなった人工芝やウッドチップの交換を行いましょう。

金属フェンスの耐用年数は10年なので、10年を目安にフェンスの交換工事を行うと、愛犬を安心して遊ばせられます。

メンテナンスは費用もかかりますが、快適なドッグランを使用し続けるためには重要です。

事前にメンテナンスのスケジュールを立てておき、予算も振り分けておくと急な破損などで慌てるリスクを軽減できるでしょう。

ドッグランを自宅の庭に作るメリット

自宅にドッグランを作ると愛犬にとっても家族にとってもさまざまなメリットがあります。

ここでは、主なメリットを紹介するので、ドッグランを検討する際の参考にしてください。

愛犬を安心して遊ばせられる

ドッグランが自宅にあればいつでも愛犬を思いっきり遊ばせられます。ワンちゃんもリードなしで自由に走りたいでしょう。

しかしドッグランが遠い場合はなかなか愛犬を連れていけず、散歩で精一杯、という方も少なくありません。このような悩みを解消してくれるのが自宅ドッグランです。

また、ほかの犬が苦手でドッグランに連れていけないワンちゃんも、自宅に遊ぶ環境があれば、ペットどうしのトラブルを心配せずに運動不足などの問題を解決できるはずです。

子どもと一緒に遊べる

自宅の庭にドッグランを設置することで、子どもと愛犬が遊ぶ場所を敷地の中に作れる点も魅力です。

一般的なドッグランはワンちゃん専用のスペースのため、子どもが走り回ると子ども、ワンちゃん双方にとって危険です。

自宅に家族専用のドッグランがあれば、愛犬と子どもが安心して遊べます。愛犬との遊びは子どもの運動能力や社会性を育む良い機会となるでしょう。

ドッグランでは、床材に天然芝や人工芝、バークチップなど柔らかい素材を使用するので、ワンちゃんが一緒にいなくても、最適な子どもの遊び場として活用できるでしょう。

コミュニケーションスペースになる

自宅ドッグランは、友人や犬仲間とのコミュニケーションの場としても活躍します。完全プライベートな空間なので、好きなタイミングで自宅に集まり、愛犬たちを遊ばせられるでしょう。

注意点はドッグランに招く人は親しい人に限った方が良いという点です。しつけなど、ワンちゃんに対する考え方が同じでないと自分にとってストレスになる可能性があります。

また、複数人が集まると、気を付けていても近隣に声が響き、ご近所トラブルに発展するおそれがあります。自宅ドッグランはあくまでも家族と親しい人々で使用した方が良いでしょう。

自宅の庭をドッグランにするときの注意点

一方で自宅にドッグランを設置する場合にはいくつか注意しておかなければならない点があります。

対策を怠るとトラブルに発展するおそれもあるので、以下で紹介する注意点を事前にチェックしておきましょう。

近隣住民への配慮(騒音・臭い対策)

ドッグランを自宅の庭に設置する場合は近隣へ十分な配慮をしなければなりません。犬の嗚き声はもちろん、一緒に遊ぶ人間の声もクレームにつながるおそれがあるので声の大きさや遊ぶ時間帯には十分考慮しましょう。

愛犬がドッグランでトイレをしてしまうことがあります。その場合に近隣に臭いで迷惑をかける可能性があります。

人工芝を汚してしまった場合、フンは固形物をすぐに片付け、水で洗い流します。また、中性洗剤で汚れを落とすと臭い対策に有効です。

段差の解消

ドッグランを作るときは段差を解消しておく必要があります。犬が段差を上がるときは後ろ足で体重を支える状態になり、段差を降りるときは前足で踏ん張る前傾姿勢になり、足腰に負担がかかります。

特に段差を降りるときの負荷が椎間板ヘルニアを引き起こすおそれがあるので注意が必要です。

人間にとっては何気ない段差でも犬にとっては大きな負担になる場合もあります。愛犬の健康のためにも段差を解消して快適なドッグランを作りましょう。

脱走防止の工夫

ドッグランを作る際には脱走防止対策も忘れてはいけません。柵は十分な高さのものを設置し、飛び越えられないようにしましょう。

愛犬が体当たりしたくらいでは倒れない強度のフェンスを設置することも大切です。出入り口は人の出入りの隙に逃げ出せないように二重扉にしておくと良いでしょう。

ワンちゃんによっては地面に穴を掘って外に出てしまう可能性もあるので、フェンスの下はブロック塀やコンクリートにするなどして穴を掘っても出られないような工夫が必要です。

植物の管理

好奇心旺盛なワンちゃんは、さまざまなものに興味を示します。庭に有毒な植物があると口にしてしまう可能性があるので、ドッグランから離れた場所に置くようにしましょう。

園芸品種として親しまれている植物のなかで犬にとって有毒な植物は多くあります。

例えば球根植物の水仙、スズラン、チューリップ、ユリ、ヒガンバナや、庭木では定番のアジサイ、ツツジ、ナンテン、藤、ハイビスカス、オシロイバナ、ジンチョウゲなどは犬にとって有毒です。

また、室内で栽培する観葉植物のポトス、アイビー、ドラセナ、アロエ、ポインセチア、クワズイモなども犬にとって危険なので犬が生活する場所からは撤去しておきましょう。

自宅の庭にドッグランを作るときによくある質問

ドッグランの設置を検討しはじめると、さまざまな疑問が浮かび上がってくるでしょう。

ここでは庭にドッグランを設置するときによくある質問とその回答を紹介するので、疑問の解消に役立ててください。

狭い庭だとドッグランは難しい?

ドッグランの理想の広さは、小型犬で10平米以上、中型犬で20平米以上です。庭に広いスペースを確保するのが難しい場合は、愛犬が数歩走って折り返せる程度の面積があれば良いでしょう。

庭が狭い場合は犬走や駐車場、ウッドデッキを活用してドッグランを作る方法もあるので、使われてない場所をドッグランにできないか検討してみると、愛犬が走り回れるスペースが見つかるかもしれません。

ドッグランの最適な広さはワンちゃんの運動量によっても異なります。愛犬の活動量に合わせたドッグランを作ってあげるのがおすすめです。

自宅の庭でドッグランでフェンスを置くだけってあり?

ドッグランのフェンスは置くだけのタイプよりも柱が地面に固定されたタイプを設置するようにしましょう。

ドッグランではワンちゃんが走り回っているうちにフェンスが倒れる場合があります。倒れて愛犬が下敷きになると危険ですし、フェンスがずれた隙間から脱走してしまうおそれもあります。

置くだけタイプを設置する場合、置くだけフェンスとは別に外構に十分な高さのフェンスが固定されていること、門扉の隙間が愛犬が脱走できないくらい狭いことが条件です。

また、強風の日は飛ばされないようにフェンスを撤去しましょう。

まとめ

自宅の庭にドッグランを作れば、いつでも愛犬を思いっきり遊ばせられます。

DIYでも設置可能ですが、安全のためにはできるだけプロの外構工事業者に依頼した方が良いでしょう。

ドッグランはお庭のちょっとしたスペースにも作れるので「庭が狭いから」と諦めずに、一度外構工事業者に相談してみるのがおすすめです。

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