玄関前が狭い家の外構はどうする?動線・視線・防犯をクリアするポイント

玄関前が狭い家の外構はどうする?動線・視線・防犯をクリアするポイント

新築住宅のガレージのスペースを確保したら玄関前が狭くなってしまった、親から譲渡された家の玄関前が狭すぎて使いにくい、というのはよくある悩みです。

しかし、限られたスペースでも空間を活かして使いやすく広い外構に見せることは可能です。今回は狭い玄関前をおしゃれな外構に変身させるコツや対応方法を解説します。

目次

玄関前が狭い家の外構はどうすべき?

では、玄関前が狭い家、家と道路の距離が近い家ではどのような外構にすればよいのでしょうか。ここでは、玄関前のスペースが限られている場合に押さえておきたいポイントを紹介します。

スムーズな動線を確保する

狭い玄関前では、スムーズな動線を意識することで、限られた空間を最大限に活用できます。玄関前の外構が狭いと、大きな荷物を持ったときや、複数人で出入りするときに身動きがとりにくく、ストレスにつながることもあるでしょう。

門から玄関までの動線の邪魔になる物は置かないようにし、できるだけシンプルな動線で通行できるようにすると、出入りも楽になります。

玄関ポーチやアプローチは、家族や来訪者が来たときと出るときに必ず使う場所です。利便性を考えた設計にすることで、快適になるだけでなく、ケガなどの事故防止にもつながります。

プライバシーと防犯性を両立する

玄関前と道路が近い場合、プライバシーと防犯性を意識した外構づくりが大切です。

玄関の出入りの際に通行人からの視線が気になるという方は多くいます。十分なスペースがあればアプローチを蛇行させたりして目線を遮れますが、スペースがない場合は植栽を有効活用するのがおすすめです。

門周りや玄関前に背が高すぎない常緑樹を植えれば、程よい目隠しになるでしょう。植栽は外構に立体感を持たせてくれるため、狭い玄関前でも無機質になりすぎず、住宅を彩る効果も期待できます。

駐車場からの動線も整える

玄関前が狭い場合、忘れてはならないのが駐車場からの動線です。駐車場からの道を作っていないと、車から降りたあと、門から玄関に入るという効率の悪い動線になりかねません。

スムーズに玄関に入れるように駐車場側にもアプローチを付ける、駐車場を玄関ドアの近くにするなど、配置を工夫するとよいでしょう。とくに頻繁に車を使う場合は、車からの出入りをしっかりシミュレーションして、外構プランを立てるのがおすすめです。

玄関前が狭い家の外構の導線設計

玄関前が狭い住宅では動線を工夫することが、使いやすくおしゃれなエクステリアを完成させるためのポイントです。門扉から玄関ドアまでどのような動線をつくればよいか、以下を参考に考えてみてください。

玄関ポーチ・アプローチを横長にする

玄関から道路までの距離が近い場合は、アプローチを建物に沿って横長につくるのがおすすめです。玄関ポーチへ上がる階段も、玄関の正面ではなく横から上がる動線にします。

玄関ドアの正面に門扉があれば、最短で建物に入ることが可能です。しかし、これでは圧迫感を与えるほか、ドアを開けたときに門扉から家のなかが丸見えになってしまいます。そこで門扉と玄関ドアの位置をずらし、横にアプローチを付けることで、丸見えになるデメリットを解消できます。

さらに、アプローチを通るときの目隠しとして、フェンスの内側に植栽や木製のオブジェなどを並べるとおしゃれです。

アプローチをカーブさせる設計にする

アプローチを直線ではなくカーブさせることで、エクステリアに奥行きを持たせられます。

確かに直線にすれば最短距離で玄関に行けますが、あえて曲線を設けることによって、デザイン性の高いアプローチの実現が可能です。また、子どもやペットの飛び出しを防止する効果も期待できます。

狭い外構の場合、玄関ドアと門扉をずらして設置すると、曲がり角の施工が可能です。スペースが狭い場合は必ずしも蛇行させる必要はなく、1つ曲がり角を作るだけでも効果があります。

アプローチと玄関ポーチを一体化させる

玄関ドアから道路までの距離が短く、十分な広さを確保できない場合は、玄関ポーチとアプローチを一体化させる方法が有効です。

狭い玄関ポーチは雨の日に荷物が濡れやすいだけでなく、玄関前に人が立っているときにドアを開けようとすると後退せざるを得ず、その際に段差から落ちて怪我をするおそれもあります。

このような事故を防ぐ対策の一つが、玄関ポーチを横長にして、アプローチにつなげる方法です。横に広げることでドアの開閉をスムーズにできるだけでなく、庇部分が多くなるため、雨の日も出入りしやすくなります。

玄関ポーチの形状やアプローチとのつなげ方は土地の形状によって最適な方法が異なるため、業者に現場を見てもらい、プランを提案してもらうとよいでしょう。

視覚効果で広がりを感じさせるデザインの工夫

外構のスペースが狭くても、視覚効果を意識して空間を広く見せることが可能です。ここでは、外構工事で可能な、空間を活かす工夫を紹介するので、狭い外構をおしゃれにするための参考にしてください。

奥行きを出す素材・カラー選び

狭い玄関前でも素材や色の選び方ひとつで広く見せられるので、上手に取り入れましょう。

たとえば、高低差のある植栽を上手く利用すると、奥行き感のある空間を演出できます。同じ高さの植栽で揃えず、さまざまな高さの樹木を手前と奥に分けて配置するだけで、広く見せる効果があります。

アプローチやポーチに使う色には空間を広く見せる膨張色を使いましょう。膨張色は、白、黄色、オレンジ、赤系などの暖色を指します。一方、青、黒などの寒色は収縮色となり、空間を狭く見せてしまうので狭い外構では避けた方が無難です。

縦のラインを強調するデザイン

外構を広く見せるには、縦のラインを意識することも大切です。縦のラインは見る人の視線を上に向けるため、高さがあるように見せる効果が期待できます。

これは、同じ大きさの正方形でもその中に縞模様を描くと錯覚が生じ、縞の方向によって正方形が縦長に見えたり横長に見えたりする効果を利用したものです。多くの場合、室内のカーテンなどを縦縞にして、天井を高く見せるのに利用されています。

外構でも同様に、縦長の門柱や縦格子のスクリーンなどは上方向の広さを演出できます。

明るい床材や縦格子で圧迫感を抑える

狭い外構では、圧迫感を抑えることも大切です。コンパクトな玄関前は、明るい色の床材で開放感を取り入れましょう。暗い色の床材は圧迫感が出てしまい、スペースを狭く見せてしまうので注意が必要です。

また、隙間のない目隠しフェンスは圧迫感を与えてしまいます。道路に面した場所のプライバシーを守りたいなら、縦格子フェンスがおすすめです。縦格子フェンスは動いている対象からの目隠しに効果的なので、圧迫感を抑えながら通行人と自動車からの目隠しに向いています。

おしゃれな玄関アプローチを作るポイント

では、おしゃれな玄関アプローチを作るには、どのようにすればよいのでしょうか。ここでは、アプローチをはじめとした外構をおしゃれに演出するためのコツを紹介します。新築外構や外構リフォームを計画している場合は参考にしてください。

高低差を意識して段差を利用する

敷地と道路の高低差が大きい場合は、アプローチに階段を設置することで、安全性を確保できるだけでなく、段差が外構デザインのポイントになります。

アプローチから玄関前までに階段があると、外構に奥行き感が出てデザイン性が高まります。植栽も段差がある方が見せやすく、簡単に玄関周りをおしゃれにできる点がメリットです。床材にタイルやレンガを使うと洗練された雰囲気にもできるでしょう。

階段の床材を選ぶときは、デザインと同時に安全性にも配慮が必要です。滑りにくい素材を選び、おしゃれで安全な階段アプローチを意識することで、玄関周りを快適にできます。

建物とテイストを調和させる

建物と外構のテイストを統一させると、住まい全体をおしゃれにまとめられます。

たとえば洋風モダンの住宅なら床材はシンプルなタイル、すっきりとしたデザインのフェンスが合います。和モダンの住宅には黒系の石材やタイル、砂利などを床材に採用し、重厚なデザインのフェンスを設置するとよいでしょう。

外構と建物のテイストが合っていないと、全体がちぐはぐになり、空間を十分に生かしきれません。どのようなデザインの外構設備を選べばよいのかわからない場合は、外構工事業者に相談すると予算に合わせて提案してくれます。

全体的な色調を統一させる

外構で使用する設備は、色調を統一させることも大切です。外構設備の色にアクセントを加えて広く見せる方法もありますが、使う色が多すぎると、全体的にまとまりがない仕上がりになってしまいます。

門柱やブロック塀などの外構設備は、建物で使用されている色とある程度揃えることで、敷地全体に一体感が生まれます。

外構の色にアクセントを持たせたい場合は、植栽を活用するのが簡単です。シンボルツリーが1つあるだけでも、印象が大きく変わるので、住まいに合った樹種を選びましょう。

防犯性・プライバシーへの配慮も狭小外構では重要

外構はおしゃれな門周りやガーデンをつくるだけが目的ではありません。防犯機能やプライバシーを守る効果も持っているため、安全面にも配慮して計画することが家族の安心につながります。

以下で挙げるポイントをチェックして安全安心なエクステリアを目指しましょう。

門柱&目隠しフェンスで視線をコントロール

外からの目線を遮るには目隠しフェンスが定番ですが、外構が狭い場合は門柱を玄関ドア前に設置して目隠しとして活用する方法もあります。門柱で目線を遮りながら、必要な一部の範囲のみに目隠しフェンスを設置すれば、圧迫感を感じにくく開放的な外構を実現できます。

限られたスペースに門柱を設置する場合は、「機能門柱」を選択するのがおすすめです。機能門柱は、表札、インターホン、ポスト、宅配ボックスなどの機能が一体化した門柱です。宅配ボックス付きの門柱なら、住所などの個人情報に不安を覚えることなく、安心して置き配を依頼できます。

防犯灯・センサーライトで安心感を強化

夜間のアプローチの安全性を確保しつつ、夜でもおしゃれな外構にするためには、ライトの設置が必須です。ライトがあれば夜間の見通しがよくなるため、不審者の侵入を防げます。また、夜間に帰宅した際に鍵を探すのに手間取ることもないでしょう。

玄関アプローチのライトアップは、人の動線に合わせて照明を設置するのが基本です。照明にはさまざまなタイプがありますが、ソーラーライトがおすすめです。形や高さ、サイズについては、目的、外構の形状、家族の生活に合った製品を選びましょう。

ライトを設置する際は光の角度に注意してください。隣家に光が当たると隣人にとって眩しく、苦情につながるケースもあるので配慮が必要です。

植栽で自然な目隠しをつくる

狭い外構をフェンスで囲うと圧迫感が出たり、室内が暗くなってしまったりします。その場合は必要な場所に植栽を設置すると、開放感を維持しながら必要な部分にだけ目隠しができます。

ガーデニングが趣味なら、花壇の植物で目線を誘導しプライバシーを確保することも可能です。また、地面を芝生にすれば雑草問題を解決できるうえ、夏でも涼しい外構になり、ナチュラルなエクステリアを楽しめるでしょう。

あまり植物の取り扱いに慣れていない、という方は、常緑樹で管理の手間が少ない植物を植えれば、初心者でも十分お世話ができます。

玄関前の外構に関するよくある質問

ここでは、玄関前の外構に関してよく挙がる質問とその回答を紹介します。新築の外構プランを計画中の方や、中古住宅の外構をリフォームしたいと考えている人は参考にしてください。

玄関アプローチを作る費用はいくらくらいですか?

玄関アプローチの施工費用の相場は約10~30万円です。アプローチの長さや使用する素材、施工会社のプランによって費用には幅があるので、複数の業者から相見積りを取って比較検討すると、満足度の高い外構を実現しやすくなります。

外構工事は自分の土地であれば自由に行う権利があります。とはいえ、法律や自治体のルールに従わなければなりません。そのため、工事を依頼する企業は地元で長年営業している信頼のおける企業を選ぶことが大切です。

業者のホームページで施工事例や実績を確認し、不安な場合は電話やメールで問い合わせて確認したうえで見積りを依頼すると安心です。

玄関の目隠しを後付けでおしゃれにする方法はある?

玄関前に後付けできる目隠しには、フェンス、スクリーンなどがあります。既存のフェンスを交換するだけで効果的に目線を遮れます。フェンスを高くすると圧迫感を与えてしまう場合は、スクリーンを設置するとよいでしょう。

これらの目隠しアイテムを選ぶ際の注意点は、アイテム1つに着目せず、全体の雰囲気をイメージして選ぶことです。

外構設備ではなく、植栽を植える方法も有効です。植栽は地植えが理想ですが、地植えができない場合や、一時的に目隠ししたい場合は、樹木の鉢植えをおく方法もあります。

まとめ

狭い外構でも、視覚効果を使うことによっておしゃれで安全に配慮した玄関アプローチの実現が可能です。「自宅の玄関前は狭いから」と諦めず、一度外構工事業者に相談してみてはいかがでしょうか。

相談の際は、具体的な理想の外構プランをまとめておき、現地調査もしてもらうと理想に近づけやすくなります。

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