
瓦チップは廃瓦を利用したエコな素材として人気があります。赤茶色の温かみのある風合いが植栽との相性もよく、撒くだけでおしゃれなエクステリアを完成できる点も大きな魅力です。
しかし一方でデメリットも存在します。施工で後悔しないためにはデメリットを理解したうえで決断することが不可欠です。
そこで今回は、瓦チップのデメリットや後悔しないために押さえておきたいポイントを解説します。
瓦チップにはどんなデメリットがある?

瓦チップにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。安全性や利便性のデメリットは住む人の生活に大きな影響を与えるので、素材選びの段階でしっかり理解しておきましょう。
歩きにくくなる
瓦チップを敷いた地面は歩きにくいのが大きなデメリットです。角ばった形状をしているので、砂利よりも歩行しにくいという特徴があります。
特に粒の大きいタイプは足裏に不快感を与えるだけでなく、転倒リスクが高まるため注意が必要です。
小さな子どもや高齢者がいる住まいでは怪我をする危険性があります。このような場合は人が往来する場所には設置せず、植栽の根元やタイル、コンクリートなどの平坦な素材の目地に、アクセントとして活用するとよいでしょう。
靴が傷つく場合がある
瓦チップは歩きにくいだけでなく、尖った破片が靴底に刺さったり、靴を傷つけたりする場合があります。ハイヒールのようにかかとが尖った靴は、ヒールが埋まってしまうこともあるでしょう。
また、車が通行したときに瓦チップが跳ね、車を傷つけてしまうこともあるかもしれません。
靴を傷つけないためには、大粒や中粒よりも尖った部分の少ない小粒の瓦チップを選ぶか、人が歩く部分はレンガや石などを配置し瓦チップはその周辺に配置するとよいでしょう。
上に物を設置しにくい
瓦チップはコンクリートとは違い、表面が安定しにくいので、テーブルや椅子を置くとぐらついたり安定しない、といったデメリットがあります。
庭にテーブルを置いて家族の憩いの場として利用したい場合は、ウッドデッキやテラスを設置して平坦な地面を作った方が快適です。
また、家具の脚の部分がバー状になっているものなど、設置面積が広いタイプなら、沈みにくく安定させることもできるでしょう。
風で飛びやすい
瓦チップは砂利よりも軽い素材のため、風で飛ばされたり雨で流されたりして敷地外に飛び散ってしまうことがあります。道路に瓦チップが散らばっていると美観の低下にとどまらず、歩行者や自転車にとっても危険です。
また、瓦チップが敷地外に飛散することによって、量が減っていきます。チップが減ると地面が見えて見た目が悪くなってしまったり防草効果が薄れてしまったりするため、定期的に追加しなければなりません。
瓦チップにはメリットもある

一方、瓦チップにはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下に主なメリットを7つ紹介するので、デメリットと照らし合わせながら読み進めて検討の材料にしてください。
防草対策になる
瓦チップを地面に敷き詰めると、日光を遮り植物の根が土に張るのを防ぐため、雑草対策に有効です。また、雑草が生えてしまった場合でも早い段階であれば取り除きやすい点もメリットと言えるでしょう。
温かみのある赤系の瓦チップなら、無機質な雰囲気になり過ぎずに雑草の被害を抑えられます。
瓦チップの防草効果を最大限に活かすには、防草シートを併用することが大切です。防草シートを土の上に敷き、その上から瓦チップを重ねることで、隙間からの種の侵入を防げます。
安く購入できる
瓦チップは費用が比較的安く、ホームセンターでも手に入りやすい素材です。
販売価格は家庭用の15kgで約500円が相場です。直販している業者からまとめ買いする場合は1トン(1㎥)あたり20,000円が目安となります。また、ホームセンターでは10個以上などまとめて購入すると割安で購入できることもあります。
厚さ5cmで敷き詰める場合、1㎡あたり約30~40kg(約50リットル)の瓦チップが必要です。施工場所の面積から必要な量を割り出し、まとめ買いするとお得です。
消臭・防臭効果が期待できる
瓦チップの原料の瓦は粘土を高温で焼き固めた多孔質の構造を持っているため、消臭・防臭効果が期待できます。
瓦チップは表面の微細な孔が臭気分子をスポンジのように吸い込み、閉じ込める機能を持っています。そのため、動物のにおいなどが気になる場所に敷き詰めて、お庭に防臭機能を持たせることも可能です。
また、無数の穴が湿気も吸着するのでカビや菌の増殖を抑え、結果としてカビのにおいを防ぐ効果も高めます。
吸水性が高い
瓦チップは吸水性・透水性に優れており、雨の日でも地面がぬかるみにくい外構を実現できる点も大きなメリットです。
吸水性を持った水はけのよい外構は雨水を地中に通したり、一時的に貯留するため、水たまりができにくい効果があります。そのため、雨の日の水はねや泥汚れを軽減でき、歩行者にとって快適な環境を実現できるでしょう。
また、雨水を地中に戻すことで、自然な水循環を保全する効果も期待できます。
防犯対策になる
瓦チップは砂利と同様に防犯対策としても有効です。瓦チップの上を歩くとじゃりじゃりと音がするので、侵入者が侵入を諦める効果があります。
確かに防犯砂利の方が大きな音が響きますが、殺風景のグレーの砂利ではなく、見た目もおしゃれにしたいという場合は瓦チップがおすすめです。
フェンスの近くや庭の通路、家の裏手、窓の下など、侵入経路になりやすい場所に撒いておくと、不審者に「防犯意識の高い家」と認識され、狙われにくくなるとされています。
ヒートアイランド現象が抑えられる
瓦チップの吸水性は、ヒートアイランド現象の緩和にも有効です。
多孔質のため、打ち水をすることで無数の穴が水を蓄え、表面温度が上がりにくいという特徴があります。さらに、晴天時に蒸発した気化熱で周囲の熱を奪い、気温上昇を抑制する効果もあります。
打ち水は気温の低い朝または気温が下がり始める夕方に行うのが最適です。朝に行えば午前中の気温上昇を抑え、夕方に行えば地面の熱を冷まし、夜の暑さを和らげることができます。
おしゃれな仕上がりになる
瓦チップは主に赤茶色または黒系(いぶし)の2色です。特に赤系の色は植栽との相性がよく、外構をおしゃれに演出してくれます。赤系といっても釉薬の部分など、黒っぽい色も混ざっているため、色合いのコントラストを楽しみたい方におすすめです。
レンガとは違い、撒くだけで施工できるため、庭木の根元に撒いて泥はねを防いだり、アプローチのタイルの横に撒いてアクセントにしたりすることもできます。
廃材瓦を使用していることから、環境に優しいエコな住宅づくりをしたい方にも向いています。
そもそも瓦チップとは?

ここまで瓦チップのメリットとデメリットをお伝えしてきましたが、そもそも瓦チップとはどのような素材なのでしょうか。ここでは、瓦チップの基礎知識を整理しているので、外構の床材選びの参考にしてください。
特徴
瓦チップは、廃材となった屋根瓦を破砕したもので、外構の床面に砂利のように撒いて利用できます。これまで利用用途がなかった瓦を再利用しているので、環境に優しいエコ資材として注目が高まっています。
破砕の加減によりサイズが異なり、大きさが5~15mmのLサイズ、4~10mmのMサイズ、粉末~3mmのSサイズの主に3種類です。色は赤系と黒系があります。
赤系は、明るい赤茶色が庭を明るくナチュラルな雰囲気に演出してくれるため、南欧風の庭など、温かみのあるエクステリアを目指す場合におすすめです。
レンガチップとの違い
レンガチップはレンガを細かく砕いたものです。瓦チップもレンガチップも赤茶色で植栽によく合うナチュラルな雰囲気を持っています。
両者の大きな違いはその色です。レンガチップは赤茶色のみであるのに対し、瓦チップは釉薬がかかっている部分の黒色が混ざっています。そのため、外構に敷くとレンガチップは黒系のなめらかな面が散らばって光り、個性を生み出してくれます。
複数の色が混ざっている地面の方が好みの場合は瓦チップがおすすめです。
主に使われる場所
瓦チップはサイズによって最適な用途が変わります。Lサイズは砕石と同じように使用でき、玄関周辺や犬走り、庭に敷き詰めると、敷地を温かい欧州風の雰囲気にしてくれると同時に水はけがよく防犯効果の高い外構を実現できます。
反対にSサイズの瓦チップは靴の底面に挟まりやすいため、人通りがある場所よりも庭の端を飾ったりアクセントとして一部に敷いたりするとよいでしょう。
瓦チップには粉末状のタイプもあります。粉末状の瓦チップは、グラウンドの土などに利用され、転んでも痛くない地面としても人気があります。
購入可能な場所
瓦チップを購入できるのは、主に以下のような場所です。
- ホームセンター
- ネットショッピング
- 瓦の専門業者
狭い範囲に施工したい場合は、ホームセンターかネットショッピングで少量から購入できます。広い範囲に施工したい場合は専門業者での購入がおすすめです。1トンからなど、多く注文しなければなりませんが、格安で購入できます。
ホームセンターでも大口注文に対応してもらえるお店も多いので、事前に確認しておきましょう。個人の場合は、ホームセンターで購入した方が必要量のみを購入できるので、ロスを少なくできます。
瓦チップを固める方法

瓦チップの飛散を防ぎ、歩行性や景観を長期間維持するには、施工時に締め固めると効果的です。ここでは瓦チップを締め固める流れを紹介するので、DIYでの施工を検討している場合は取り入れてみましょう。
地面をしっかり整地する
瓦チップをきれいに撒くには、整地作業が不可欠です。地面の空洞をなくし均一な密度で固定することで、上を歩いても沈みにくく美観を長持ちさせることができます。
まずは雑草をすべて取り除き、土を平らにします。地面は水平ではなく水勾配を設けて排水経路を確保しましょう。勾配は少なくとも1~2%、つまり1mあたり1~2cmの高低差ができるように作るのが基本です。傾斜は建物側から排水溝や道路に向かって作りましょう。
表面を平らにならしたら転圧をします。転圧はDIYではタンパーを使うのがおすすめです。狭い範囲であればレンガで表面を叩いたり足で踏み固めたりすることもできますが、ある程度の広さがあるならタンパーが効率的です。
均一に敷きつめて圧をかける
整地が完了したら防草シートを敷き、その上に瓦チップを撒きます。瓦チップは3~5cmが適切だとされていますが、防草効果を高めたい、人が頻繁に歩く場所に敷きたい、という場合は10cm程度の厚みで敷くと安心です。
瓦チップは風で飛ばされてしまうリスクがあるので、十分な敷き厚を確保すると、チップ同士の重みで安定できます。美観と安全性を高めるためにも十分な量を撒くようにしましょう。
表面を整える
瓦チップは角があるので、しっかりと下地を整え十分な厚みを確保して敷けばお互いがかみ合ってよく締まり、歩きやすくなります。より安定した地面にしたい、チップが動かないようにしたい場合は、専用の樹脂で固める方法を選択するとよいでしょう。
簡単なものはスプレーで全体に浸透させることで表面が固まります。1回目が乾いたあとに再度スプレーして表面を整えると強度アップに効果的です。
瓦チップの表面は定期的にメンテナンスすると美観を維持できます。表面を固めた場合は欠けているところを補修する、固めていない場合はチップを追加すると長くきれいな状態を保てます。
ハードルが高いなら業者への依頼がおすすめ
広い場所に施工したい場合やDIYで設置するのが負担になる場合は、業者に依頼することをおすすめします。
業者に依頼した場合の1㎡あたりの費用単価の相場は、以下の通りです。
- 瓦チップ:約1,000円
- 砂利敷設費用(防草シートあり):約3,500円
15㎡の床面に敷き詰める場合、以下のように合計約67,500円となります。
- 瓦チップ:約15,000円
- 砂利敷設費用:約52,500円
防草シートのグレードにより費用が変わる可能性があります。また、この費用に整地費用など、状況によって必要な作業費用や出張費などが上乗せされる場合もあります。
瓦チップを選んで後悔しないためのポイント

瓦チップは一定のデメリットはありますが、施工時の工夫次第で快適な地面を実現できます。以下で紹介する対策の一例を参考に、お庭に合わせた方法で後悔のないエクステリアを実現しましょう。
よく立ち入る場所には粒度が細かいものを使う
大きい瓦チップはごつごつしていて歩きにくいので、人が頻繁に往来する場所は3~10mm程度の小粒タイプが歩きやすく快適です。小粒タイプは敷き詰めて固定しやすく、見た目も落ち着いています。
ただし、粒子が小さいタイプは歩行時の沈み込みが大きくなる傾向があるので注意が必要です。歩行時の圧力でチップが横にずれるため、全体が沈み込みます。沈み込みを抑えるためには、小さすぎるタイプではなく、適度な大きさがおすすめです。
なお、ロックガーデンや植栽の周辺に撒いて外構のアクセントにしたい場合は大粒タイプを選ぶとおしゃれになります。
十分な敷き厚を確保する
瓦チップを敷く場合は十分な厚みを確保しましょう。敷き厚が十分でないと、歩きにくいだけでなく地面に光が届いてしまい、雑草が生える原因となってしまいます。
不十分な敷き厚は瓦チップの沈み込みの原因にもなります。沈み込んでしまうと、土壌がでこぼこしてしまい、美観が悪くなるだけでなく水たまりが発生しやすくなるため注意が必要です。
瓦チップを敷く際には少なくとも3~5cmの厚みは確保するようにします。防草効果を高めるには10cmほどの厚みで敷くと安心です。
庭に合っているかイメージしておく
瓦チップを施工してから後悔しないためには、デザインが庭に合っているかイメージしておくことが大切です。
瓦チップは温かみのある赤茶色のため、どのような住宅でも合わせやすい素材です。しかし、シンプルモダンな住宅にしたい場合や、クールな雰囲気をイメージしている場合は合わないケースもあります。外壁や塀の色とバランスが合っているか十分検討するようにしましょう。
また、家族の動線も重要です。ベビーカーや車いすで往来する場合は、地面が瓦チップだとスムーズな移動が難しくなる場合もあります。アプローチはタイル張りにして周辺に瓦チップを敷くなど、外構の使いやすさもイメージすると満足度が高まります。
定期的にお手入れする
瓦チップや砂利は経年により敷地外に流れ出たり、摩耗して量が減っていきます。そのため定期的に追加するメンテナンスも必要です。
瓦チップが減って下地の防草シートや土が見え始めたとき、または水たまりができる場合は補充のサインです。
補充の際は既存の瓦チップを軽く掘り起こし、隅に寄せられた瓦チップを中央に戻してならします。同じ色、サイズの瓦チップを均一に敷き、軽く踏み固めて密着させればメンテナンス完了です。
瓦チップのデメリットでよくある質問

ここでは瓦チップに関してよくある質問とその回答を紹介します。特にDIYを検討している場合は疑問を解消しておき、道具や施工工程の確認などを入念に準備したうえで施工するようにしましょう。
人体に有害な要素はない?
瓦チップは人体に有害な成分は基本的に含まれておらず、安全に使用できる素材です。瓦は天然素材由来であり、焼成時に有害物質も含みません。不純物を吸着する性質があり、水質改善に活用される事例もあります。
注意点は安全性が高いのは「粘土瓦」の瓦チップであることです。古いセメント瓦にはアスベストが含まれている製品も存在しているので、粘土瓦以外の古い瓦チップの取り扱いには注意が必要です。
瓦チップは自分で作れる?
瓦チップは、自分で瓦を砕けば手作りが可能です。ハンマーやランマーで、瓦を好きな大きさに砕けば簡単にできてしまいます。ただし、庭に敷くには大量の瓦チップを作る必要があり、非常に手間と時間がかかることは理解しておいた方がよいでしょう。
瓦を砕く際には破片が飛び散るため、ゴーグルや手袋を着用しての作業となります。砕くときに粉塵も発生し、近隣住民への配慮が必要など面倒な面も多いため、まとまった量が必要な場合は、購入した方が負担が少なく済みます。
瓦チップにセメントを混ぜるとどうなる?
瓦チップにセメントを混ぜ、地面に均等にならして締め固めた後、水を撒くと表面が固まり、透水性の高い舗装面になります。
瓦チップを骨材にしたポーラスコンクリートも製品として販売されており、骨材の瓦の保水効果により、透水性と保水性の両方を兼ね備えた地面に仕上げることが可能です。
さらに、瓦チップを骨材にしたコンクリート舗装材は、瓦の釉薬部分がキラキラ光る模様として現れ、意匠性の高い舗装面を実現できる点が魅力です。
まとめ

瓦チップは一定のデメリットはありますが、メリットも多く、何より自然環境に優しい素材です。撒くだけで簡単に理想の庭づくりができる点も魅力と言えるでしょう。
長くきれいな状態を維持したい場合や、施工範囲が広い場合は外構工事業者に施工を依頼すると安心です。素材選びから相談すれば、住まいのニーズに合った瓦チップのエクステリアを実現できます。

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