チェーンポール埋め込みのデメリット|費用・故障・防犯性まで徹底解説

チェーンポール埋め込みのデメリット|費用・故障・防犯性まで徹底解説

チェーンポールは地面にポールを立て、チェーンを渡して境界線の存在を示す外構設備です。敷地内へのショートカットや侵入を防ぐほか、駐車場の前に設置して車の盗難を防ぐ効果も期待できます。

しかし、チェーンポールにはいくつか注意しておきたい点があります。今回はチェーンポールのなかでも特に埋め込み式のデメリットを解説するので、設置を検討している場合は一度チェックしておいてください。

目次

チェーンポール埋め込みのデメリットは?

チェーンポールの埋め込み式にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

以下に、埋め込み式チェーンポールを設置する際に注意しておきたい点を挙げるので、しっかりチェックして設置を検討してください。

上げ下げの負担がある

埋め込み式のチェーンポールは、上げ下げの動作が負担になることがあります。引戸式のカーゲートなら横に引くだけですが、チェーンポールは1本ずつ地面に収納しなければなりません。

広い範囲にチェーンポールを設置していて、全て下げたい場合は作業の本数も増えるため、面倒に感じる方も少なくないでしょう。

上げ下げの動作は簡単なので大きな労力にはなりませんが、腰痛があるなど前にかがむ動作が辛いという方にとっては大きな負担になってしまう可能性があります。

穴に雨水が溜まりやすい

ポールを収納するための穴に水が溜まりやすい点も埋め込み式のデメリットです。穴のなかに雨水が溜まると、ポールが錆びやすくなったり劣化しやすくなったりします。

埋め込み式には排水用の穴があけてあるものや、蓋が密閉できるものがあるので、あらかじめメーカーの仕様書を確認しておくとよいでしょう。

ただし、穴があいている製品でも内部にゴミが溜まるとうまく排水できなくなってしまいます。定期的に掃除して、排水経路を確保することが大切です。

砂利やゴミの混入で動作不良が起きる

地中部分にゴミが入ると排水がうまくいかなくなるだけでなく、動作不良を起こすおそれがあるため注意が必要です。ゴミの付着や詰まりは、ポールがスムーズに動かない、途中で引っかかるといった症状を引き起こします。

ゴミが入ってしまった場合は取り除きます。それでも改善しない場合や取り除くのが難しいゴミがある場合は、業者に掃除を依頼しましょう。

地中部分に腐食や錆があると、ポールの出し入れの動作が重くなったり、異音が発生したりします。この場合も専門業者にメンテナンスを依頼してください。

設置後の移動・撤去が困難

埋め込み式チェーンポールは一度設置したら簡単には移動・撤去ができません。

埋め込み式は地中深くにポールが埋め込まれているため、撤去の際は掘削して引き抜かなければなりません。とくに固い地盤の場所では撤去が困難となり、追加作業や費用が必要になるケースがあります。

撤去費用は1本あたり数千円~1万円が目安ですが、状況によって変動するため、事前に図面を用意したうえで現地調査を依頼して、正確な見積もりを出してもらうと安心です。

工事費用が高い

埋め込み式チェーンポールは設置費用が高額な点もデメリットといえるでしょう。

ポール本体の価格は約31,000~35,000円で、取り外し式のおよそ2倍とされています。これに施工費用4~9万円がかかります。

塀やフェンスに比べれば低いコストで設置できますが、設置する本数が多ければその分費用がかさむ点は、理解しておいた方がよいでしょう。

設置の際は複数の業者から相見積もりをとり、工事の内容を比較・検討することをおすすめします。

防犯面には限界がある

チェーンポールはあくまでも境界線を示して侵入しにくい環境をつくるための目印という側面が強く、本格的に侵入を防ぐことは難しいといえます。

乗り越えたりくぐり抜けたりしやすく、チェーンもネットショップや専門店の店舗で売っているような工具を使えば切断できてしまいます。ガレージやカーポートの車を傷つけられたくないという場合はシャッターなどでしっかりと侵入を防いだ方が安心です。

一方で、車の盗難防止には一定の役割を果たせるほか、駐車場の見通しを確保できる点はメリットです。車の影など死角になりやすい場所はセンサーライトなどを設置すると防犯効果も高まるでしょう。

DIY設置は故障リスクが高い

埋め込み式チェーンポールは重量が1本5キログラム程度あり、設置が難しく故障リスクも高いため、DIYでの設置や交換はおすすめできません。

設置の際はポールをまっすぐに立つように位置を正確に決め、水平を保たなければなりません。少しでもずれるとポールが傾き、不具合の原因となります。

土が固いと掘削作業も困難です。下に配管や配線が埋まっている可能性がある場合はさらに作業が困難になるうえ、駐車場の地面にコンクリートやインターロッキングが設置されている場合は床面をカットする作業も加わります。

DIYでの安易な設置はかえって高額な補修費用につながる可能性もあるので、できるだけプロの専門業者に依頼するようにしましょう。

駐車場チェーンポールの種類

チェーンポールには「上下式(埋込式)」「取り外し式」「固定式」の3種類があります。

種類によって設置費用だけでなく、駐車場の使い勝手にも影響が出るため、特徴をよく理解して選んでください。

上下式

上下式は埋め込み式とも呼ばれ、ポールを上下に動かして使用、収納できるタイプです。使用するときはポールを上に引っ張って地上に出し、使用しないときはポールを地面にあけた穴に収納します。収納した状態では地面がフラットになるため、車の出入りがスムーズです。

上下式は使い勝手がよく、高い人気を誇っていますが、製品の価格が高いことと施工が大変なことから、工事費用が高額な点がデメリットです。

取り外し式

取外し式はポールを使わないときは取り外して別の場所に収納するタイプです。取り外したあとは、差し込み口に蓋をします。再び使用するときは蓋をあけ、差し込み口にポールを差し込んで立てます。

上下式に比べてコストを抑えて設置できるものの、車の出入りのたびにポールを取り外し、別の場所に置いておかなければならないため、やや面倒といえるでしょう。そのため、頻繁にチェーンを外す必要のない場所に向いています。

固定式

固定式はポールを地面に固定するタイプです。モルタルで完全に固定するため、取り外しできません。そのため、車の通行を防ぐと同時に人や自転車が通れるようにする場所などの設置に適しています。

固定式はポール本体が比較的安いため、工事の総額が安くなる傾向があります。

ただし、ポールが折れたり壊れたりすると、設置しなおさなければならず、都度工事費用がかかる点には注意が必要です。

チェーンポールを施工するメリットはある?

では、チェーンポールを設置するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここではチェーンポールの代表的なメリットを紹介するので、デメリットと照らし合わせて検討してみましょう。

場所に制限なく設置できる

チェーンポールは設置場所を選ばない点が大きなメリットです。幅の狭い場所や面積の狭い場所でも設置が可能です。

それだけでなく、設置する間口が直線でなければならない跳ね上げ式のカーゲートや、引戸式のようにレールを設置するタイプのカーゲートが施工できないような、曲線のある土地でも設置できます。

また、勾配のある場所もカーゲートやフェンスは施工が難しいことが多いですが、チェーンポールなら問題なく設置できるため、坂道に面した住宅にも向いています。

埋め込み式や着脱式なら取り外せる

チェーンポールは、いつでも自由にポールを取り外せる点がメリットです。埋め込み式は地中に格納し、着脱式は取り外して収納場所に置いておけば、簡単に障害物がなくなり車の出し入れがスムーズになります。

ポールの収納時は地面がフラットになるので、解放感のあるオープン外構になります。反対にポールを出している状態では敷地の境界線を明確に示せるので、時間帯や状況に応じて使い分けると、オープン外構、セミオープン外構の両面を活かせるでしょう。

開放感を維持しながら防犯対策ができる

チェーンポールはフェンスのように敷地を面で囲わずに、点をつないで区切るので、エクステリアに解放感を与えられます。

フェンスは格子で敷地を囲うため、目隠し効果や防犯効果がありますが、狭い敷地の場合は圧迫感が出て外構を余計に狭く見せてしまったり、暗くしてしまったりすることがあります。

日陰が多くなると植栽の生育にも影響が出るでしょう。チェーンポールなら境界線を示しつつ解放感を維持するので、狭いスペースを広く見せたい場合に効果的です。

埋め込み式を選ぶときの注意点

ここでは、埋め込み式チェーンポールを選ぶ際の施工面での注意点を紹介します。

業者と契約してからトラブルが発生することのないように、事前に起こりうるリスクを把握しておきましょう。

施工品質と排水設計の重要性

埋め込み式チェーンポールは、施工品質が非常に重要です。ポールを埋め込む穴は十分な深さと強度の高い基礎が求められます。地盤の状態に合わせてしっかりとモルタルを充填し、ポールを固定します。

排水設計も非常に重要で、地中部分に水が溜まるとポールに影響を及ぼすだけでなく、周囲の地盤が軟弱になる可能性も否定できません。

このような不具合を防ぐためには、経験豊富な優良業者に依頼する必要があります。業者のホームページで施工実績などをチェックしてから、見積もりを依頼すると安心です。

凍結の多い環境でのトラブル

凍結が多い環境では地中部分が凍結して不具合を起こす可能性があるため、注意が必要です。地中部分に溜まった水が凍ると、ポールが収納できなくなったり、動かしにくくなったりします。

そのほか、基礎のコンクリートに凍害が発生し、コンクリート表面にひび割れや劣化が起こり、ポールにぐらつきや破損が起こる可能性があります。

これらのトラブルを防ぐには適切な排水処理と基礎工事が不可欠です。地域の環境に合わせた施工をする業者に相談し、適切に工事することで被害を最小限に抑えられます。

費用相場と追加工事リスク

埋め込み式チェーンポールの施工費用の相場は、ポールを3本設置した場合、上で紹介した本体価格、施工単価から計算すると

  • ポール本体31,000円×3本+工事費用40,000円=133,000円
  • ポール本体35,000円×3本+工事費用90,000円=195,000円

となり、約13.3万~19.5万円かかります。

すでに駐車場にコンクリートやタイルを施工している場合は、はつり工事や床材を切る作業などが必要となり、追加工事が発生する可能性があります。

追加費用の発生を防ぐためにも、現地調査で現場をしっかり見てもらうことが大切です。

デメリットを最小限に抑える対策

埋め込み式チェーンポールは、こまめなお手入れや定期的なメンテナンスで不具合を最小限に抑えられます。ここでは、埋め込み式のデメリットを抑えるための対策を紹介します。

定期的な清掃と泥・砂利の除去

埋め込み式は穴のなかにゴミや砂が溜まりやすいため、定期的に除去する必要があります。ゴミや砂を放置していると、ポールの出し入れがスムーズにできなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。

ゴミや砂を長期間放置していると穴の底で固まり、取り出しにくくなってしまいます。できるだけこまめに取り除くようにし、難しい場合は無理に取り除くことはせず、業者に清掃を依頼してください。

キャップや排水口のメンテナンス

キャップや排水口もチェーンポールの重要な部分です。頻繁にチェックして不具合がある場合は業者に補修や交換を依頼しましょう。

キャップが歪むと雨水や砂、ゴミが入り込んでポールを劣化させる原因となってしまいます。キャップの形に異常がある場合や錆を発見したら、早めに業者に連絡してください。

また、地中部分の水が排出しにくくなったなどの異常が見つかった場合には、自分で無理に修理するのは避け、業者に点検してもらいましょう。

設置環境に合った方式を選ぶ

チェーンポールは設置する環境に合ったものを選ぶことが大切です。外構が狭くポールを収納する物置などを置く場所がない場合は、取り外し式よりも埋め込み式が向いています。

チェーンポールの着脱をする必要がなく、車止めポールとして利用したい場合は固定式が向いているでしょう。

また、ウッドデッキやテラスのような設備では段差を示す目印として利用できますが、手すりにはなりません。

チェーンポールを検討する際は、門扉や門柱、表札、宅配ボックスなどの外構アイテムや、バルコニーや屋根のデザイン・色など住宅全体の雰囲気を考慮して、統一感があるかよく検討して選ぶと失敗を防げます。

チェーンポールに関するよくある質問

ここでは、チェーンポールの設置に関してよくある質問とその解答を紹介します。

設置を検討している場合は疑問を解消しておき、同時にどのタイプのチェーンポールが適しているか、検討の材料にしてください。

チェーンポールの耐用年数はどのくらい?

チェーンポールの耐用年数は、一般的に10年以上とされています。ただし、素材や設置する屋外の環境、メンテナンスの有無で耐久性には大きな差が出ます。

素材はステンレス製や防錆加工された素材が腐食に強く、おすすめです。また、定期的な点検でチェーンやポールの埋め込み部分に錆びがないか、チェーンに緩みはないか確認すると、劣化を早期発見できます。

チェーンポールを長くきれいな状態で使用するためにも、年に1回の頻度で業者に点検を依頼し、自分でもこまめに劣化の有無をチェックしましょう。

チェーンポールの撤去費用はいくらくらい?

チェーンポールの撤去費用は上でも解説した通り、1本あたり数千円~1万円が目安です。埋め込み式の場合、ポールの地中部分の深さや基礎の構造が費用を左右する可能性があります。

ポールの本数が多ければその分撤去に時間がかかり、金額も大きくなります。早めに相見積もりをとって、見積金額と作業内容を比較して決めることが大切です。

また、日頃からメンテナンスをしておくことで、ポールの劣化を防ぎ、突発的な不具合による撤去費用の発生を避けられます。

まとめ

チェーンポールは外構の解放感を維持しつつ、道路と敷地の境界線を示すために有効な外構設備です。一方でデメリットがいくつかあるので、デメリットを理解して検討することが大切です。

外構を何で囲むか迷っている場合は、外構工事業者に相談してプランを提案してもらうことをおすすめします。土地の形状や外構の条件に欠点があっても、それをカバーできる対応策をプロの知識と経験でアドバイスしてもらえるので、まずは気軽に相談してみましょう。

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