
レンガ敷き駐車場は、温かみのある雰囲気とデザイン性の高さが人気です。コンクリートと組み合わせて色のコントラストや模様を楽しんだり、コンクリートの目地にしたりして、住宅全体を洋風の雰囲気にしたいと考える方もいるでしょう。
この記事では、レンガ敷き駐車場の費用目安や費用を抑えるためのレンガの選び方、長期間美観を保つためのコツを紹介します。
駐車場をレンガ敷きにする費用相場

レンガ敷きの駐車場はどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、レンガ敷き駐車場を選択した場合の費用単価や1台分の駐車場にかかる工事費用の目安を解説します。
1㎡あたりの費用目安
レンガ敷き駐車場の1㎡あたりの費用相場は、約1.1万円~2.5万円です。
工事費用は一般的に、以下で構成されます。
- レンガ代
- 下地工事・施工費
- 下地に使用する砂利・砕石の費用
- 目地に使用する砂、モルタルの費用
- 諸費用
施工単価はレンガの種類のほか、空間の広さによって変わる傾向があります。
また、業者や地域によって施工費に幅があるので、物件を施工エリアとしている複数の業者に相見積りを取って比較検討するのがおすすめです。
1台分(約18㎡)にかかる総額の目安
上記の単価から計算すると、車1台分(18㎡)にかかる施工費用の目安は、19万8000円~45万円です。
駐車場の大きさは車種や利用状況に応じて設定します。もちろん、広い方が駐車しやすいですが、駐車場を広くしすぎると建物を狭くせざるを得なくなるケースもあるので、自家用車のサイズに合わせてスペースを確保します。
車の大きさ別の駐車場幅の目安は以下の通りです。
- 軽自動車:幅2.0m×長さ3.6m
- 小型乗用車:幅2.3m×長さ5.0m
- 普通乗用車:幅2.5m×長さ6.0m
駐車場が広くなればその分レンガ舗装の施工費用もかかります。予算オーバーの場合は異素材と組み合わせて施工するとよいでしょう。
土間コンクリートやインターロッキングとの費用比較
土間コンクリートの駐車場の単価は1㎡あたり1.1万円〜1.2万円程度です。15㎡の駐車場でおよそ16.5万円〜18万円となります。
コンクリートは駐車場では最も人気のある素材で、耐久性の高さやシンプルでモダンな仕上がりが特徴です。
インターロッキングの施工単価は約9,000円が相場です。15㎡の駐車場なら約13.5万円程度かかります。
インターロッキングはブロックを噛み合わせて施工する床材で、公園や遊歩道などに広く活用されています。色やデザインが豊富で、補修費用が抑えられる点が大きなメリットです。
レンガ敷き駐車場の費用が変動する主な要因

レンガ敷きの駐車場は、さまざまな要因で費用が変動します。以下に費用に幅が出やすい要因を挙げるので、上手に調節してお得にレンガ敷きの駐車スペースを完成させてください。
レンガの種類・グレード
レンガと一口に言ってもさまざまな種類があり、特徴も異なります。国内で手に入りやすいレンガには以下のようなものがあります。
国産で、JIS規格でサイズが決められているレンガです。水に強い一方で耐火性は高くありません。安価で手に入りやすいのが特徴です。
こちらも国産レンガで、サイズはJIS規格で決められています。耐火性が高い一方で水に弱い点が特徴です。
輸入レンガは、硬くて赤い色のオランダレンガ、アンティークレンガとして出回っているイギリスレンガ、リーズナブルな価格のオーストラリアレンガなどがあります。
屋外の床材には、上記のなかでは普通レンガが向いています。
下地工事の有無
駐車場のレンガ敷き施工は、下地工事の有無で費用が大きく変わります。下地工事の費用相場は、1㎡あたり5,000〜1万円程度なので、10㎡で施工費用が5〜10万円ほど違います。
下地の役割は表面の水平を保ち、レンガの割れを防ぎ、雑草の発生を防止することです。
駐車場のように重量のある車が行き来する場所では、下地作りを丁寧に行うことが美観を保つために重要なので、下地工事は省略しないようにしましょう。
残土処分や運搬距離・人件費
外構工事では、工事で出る残土の量や人件費も費用を変動させる要因となります。
残土処分の費用は、土の量や処分場までの距離によって変わります。残土は1㎥単位で計算され、量が多いほど処理コストがかかります。
また、処理場までの距離が長いと運搬費用が加算されるのが一般的です。そのほか、粘土質やガラ混じりの土は処理工程が複雑なため、処分費用が高額になる傾向があります。
さらに、住宅の前にトラックを停車できない場合など、残土やがれきを手作業で運ぶ距離が長いと人件費が上乗せされ、工事費用が高くなるケースがあるので注意が必要です。
施工面積とパターン
レンガ敷きの施工面積は、工事費用に大きく影響します。通常、施工費用は単価×面積で計算されるため、面積が大きければその分費用が高くなります。
ただし、面積が広くなると施工単価が下がるケースもあるので、どれくらいの広さから単価が変わるのか、業者に聞いておくとよいでしょう。
広さだけでなく、レンガの並べ方は費用に大きく影響します。曲線をつけた並べ方や複雑な形状の外構は技術を必要とし、費用が高くなる可能性があることは理解しておきましょう。
DIYと業者施工の費用・仕上がり比較

駐車場のレンガ敷きをDIYして、費用を抑えたいと考えている方もいるでしょう。では、DIYと外構工事業者ではどれくらいの費用の差があるのでしょうか。
ここでは、両者の費用や、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
DIY施工のメリット・デメリット
DIYの最大のメリットは費用を抑えられる点です。材料さえ購入すれば施工費用や人件費は無料なので、1平方メートルあたり3,000円~1万円程度で駐車場をレンガ敷きにできます。また、自分で施工すれば完成したときの達成感はひとしおでしょう。
一方、プロが施工したようにきれいで耐久性の高いレンガ敷きには仕上がりにくい点はデメリットです。
駐車場は車が乗るため、下地をしっかり作らなければなりません。下地がしっかりしていないと使用している間にタイヤの重みで表面が凸凹してしまう可能性があります。
業者施工のメリット・デメリット
業者が施工するメリットは、プロの技術により品質の高い仕上がりになることです。業者に依頼すれば材料の手配から仕上げの掃除まで全て業者がやってくれるので、外構工事中に施主がすることはとくにありません。
経験豊富なプロからアドバイスをもらいながら、自宅の外構に最も適切な施工方法を選べる点も大きなメリットです。
一方、業者に依頼すると費用がかかる点はデメリットです。費用は1平米あたり1.1万〜2.5万円ほどかかります。業者の技術に差があることも少なくないため、優良業者を選ぶのにも時間と手間がかかる点もデメリットといえるでしょう。
DIYで失敗しやすいポイント
DIYのレンガ敷きで最も多い失敗は、下地が水平になっていないことによる表面の凹凸です。表面がでこぼこしていると水たまりができやすく、そこに苔が生えて劣化の原因につながります。
また、レンガをしっかりと並べられていないことにより、隙間ができて雑草が生えてくる可能性があります。雑草が生えるとレンガがガタつく原因となるため注意が必要です。
DIYでレンガを敷くときは、転圧機を使い水平に均したあと、水平器や水糸とメジャーを使って水平を確認します。レンガを敷き詰めるときも、ひとつずつゴムハンマーで叩き、水平器で確認しながら敷き詰めていくときれいな仕上がりになります。
レンガ敷き駐車場を長持ちさせるコツ

せっかくレンガ敷きのおしゃれな駐車場を施工したのなら、できるだけきれいで快適な状態を長く維持したいですよね。
ここでは、レンガ敷き駐車場を長持ちさせるためのコツを紹介します。
定期的な目地の補充
レンガ敷きは風雨で目地の砂が減っていくので、定期的に砂を補充してメンテナンスするときれいな状態をキープできます。
やり方は、レンガの目地に溜まったゴミや土を、ほうきやブラシで掃除します。レンガの隙間に砂を補充したあと、ほうきやパテベラなどで目地を全体的に均して完成です。
1年に1~2回の頻度で砂を追加すれば問題ありませんが、大雨の後などは目地をチェックして少ないと感じたら補充するとよいでしょう。
雑草や水たまりへの対策
砂の補充は雑草や水たまり対策にも効果的です。砂が減って目地が露出するとそこに土がたまり、雑草が生えやすくなってしまうため、常に砂で目地が埋められている状態にしておきます。
また、目地の隙間が埋まっていないと透水性が衰え、雨水が溜まりやすくなる点に注意しなければなりません。
水が溜まって湿った状態が続くとレンガに苔やカビが発生しやすくなるため、こまめに砂を補充して対策する必要があります。
車両の据え切り運転を控える
レンガ敷きを劣化させないためにも、駐車場を使うときはできるだけ車の据え切りを控えましょう。据え切りはタイヤが床面に強くこすりつけられるため、レンガが割れたり表面が削られて地面に凹凸ができたりする原因になってしまいます。
据え切りは床面を傷めるだけでなく、タイヤの摩耗を早める要因となるので、できるだけ据え切りをせずに車庫入れする、小回りの効く自動車を使用するなどしましょう。
そのほか、新築住宅に駐車場を設置する際に、車を出し入れしやすい方向にレイアウトするなどの工夫が必要です。
おすすめの異素材組み合わせ

駐車場の床材にはレンガ以外にもさまざまなものがあり、2種類の素材を組み合わせることでエクステリアに立体感と個性を与えられます。
ここでは、とくにおすすめな駐車場の床材の組み合わせを紹介するので、比較・検討してみましょう。
コンクリート×タイル
コンクリートは強度があり、シンプルでモダンな見た目になりますが、無機質で冷たい印象になりやすい素材です。一方、タイルはデザイン性が高く高級感がありますが、施工費用が高いというデメリットがあります。
そこで、この2つを組み合わせることで、費用を抑えながら高級感のある駐車場に仕上げられます。
ワンポイントとしてタイルを敷設すれば、空車時でもおしゃれに演出してくれるでしょう。両者とも耐久性が非常に高い素材なので、長期間美観を保てます。
コンクリート×レンガ
コンクリートにレンガを組み合わせると、外構に温かみのある雰囲気を作り出せます。コンクリートの目地部分にタイルを埋め込めば、デザイン性が高まると同時に雑草対策になります。
また、広い範囲にタイルを敷き、車の荷重がかかりやすい場所には強度の高いコンクリートを打設すると、ナチュラルなヨーロッパ風のデザインを維持しつつ、耐久性の高い駐車場を実現できるでしょう。
コンクリートとレンガをどのように配置するかは、外構工事業者と相談しながら決めると、理想の外構に近づけるはずです。
アスファルト×芝生
アスファルト舗装はコンクリートに比べて施工費用が安く、施工直後から駐車場を使用できる点が大きなメリットです。色が黒いので、駐車場に使うと全体が引き締まった印象になる一方で、外構が暗くなってしまう可能性があります。
そこで、芝生と組み合わせることでナチュラルな雰囲気を加えられます。
ただし、アスファルトは狭い場所の施工にはあまり向いていません。アスファルトを検討する場合は広いスペースを舗装する場合に向いた素材だということは、念頭に置いておいたほうがよいでしょう。
レンガ敷き駐車場に関するよくある質問

ここではレンガ敷き駐車場に関してよくあがる質問とその解答を紹介します。
住まいの新築やリフォームで、駐車場の床材をレンガにしたいと計画している場合はチェックしておき、疑問を解消してください。
レンガ敷きの目地の汚れ対策は?
レンガ敷きの目地の汚れ対策は、目地に砂を入れるサンドクッション工法の場合は目地のゴミを取り除いたあと、新しい砂を補充すれば問題ありません。
目地がモルタルの場合は、目地に黒い汚れが目立つ場合があります。日常のお掃除では水を流しながらブラシでこすって対応できますが、頑固な汚れで落としにくい場合は中性洗剤を水で薄めて使い古しの歯ブラシなどでこすって洗い流すと効果的です。
レンガ敷き駐車場のデメリットは?
レンガ敷きの代表的なデメリットは経年劣化しやすいという点です。レンガは経年による色の変化を味わいとして楽しめる素材ですが、これは同時に風化しやすいという特徴があることを示しています。
風化によりもろくなった部分が欠けたり、割れたりすると、通行しにくくなったり、転倒のリスクが高まるため十分注意が必要です。もろくなって水分を含みやすくなると、苔が表面に生えて滑りやすくなるおそれもあります。
駐車場だけでなく、玄関アプローチやガレージ周辺などをレンガ敷きにした場合もこのようなリスクがあるため、定期的なメンテナンスは欠かせません。
まとめ

レンガ敷き駐車場は、レンガの種類や並べ方、施工面積などで費用が変わります。予算内に収めたい場合はレンガの素材選びを工夫したり、他の素材と組み合わせるなど、施工単価を考慮した設計にするとよいでしょう。
外構は防犯対策も必要なので、不安な場合は外構工事業者に相談して、デザイン性を高めながら安全性にも考慮したプランを提案してもらうと安心です。
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