タイル張り風呂の解体費用は?在来浴室とユニットバス違いも解説

タイル張り風呂の解体費用は?

タイル張りのお風呂を解体してユニットバスにリフォームしたい場合、浴室の解体費用はどれくらいかかるのでしょうか。

この記事では、在来浴室とユニットバスの違い、タイル張りの在来浴室の解体費用や費用が高くなる要因、ユニットバスを導入する際に気を付けておきたいことについて解説します。

古いタイル張りのお風呂のリフォームを検討している場合はチェックしておいてください。

目次

タイル張り風呂の解体費用はどのくらい?

タイル張り風呂は在来浴室に分類されるため、ユニットバスに比べて解体費用が高額になる傾向があります。

では、具体的にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、在来浴室の解体方法から費用まで詳しく解説します。

解体工事の内容

タイル張り浴室は基本的にオーダーメイドなので、浴室の規模や構造により解体方法が異なります。基本的にまず浴室周辺を養生し、はつり工事でタイルを壊していきます。

はつり工事で壁や床をある程度削り、浴槽を動かせる状態になったら浴槽を取り外す作業です。その後、天井やドアを解体します。

浴室解体後にユニットバスにリフォームする場合は、床を解体・撤去した後の地面をある程度掘り、土間コンクリートを打設して基礎をつくります。

解体費用

在来浴室の解体費用は廃材処分費用込みで15~30万円が目安です。ユニットバスの解体費用は10~15万円なので、在来浴室の解体は2倍近い費用がかかることが分かります。費用が高いのは、在来浴室はユニットバスに比べて手間のかかる作業が多いためです。

解体費用は浴室の広さや、使用されている素材によって変わります。浴室の解体後に土台や柱が水漏れにより腐食していた場合は、5~20万円の補修費用がかかる場合もあります。

廃棄物処分

タイル張り風呂を解体すると、浴槽のほかタイルやモルタル、プラスチック、金属スクラップなどの廃棄物が発生します。

発生した廃棄物は産業廃棄物として適切に中間処理施設や最終処分場に送られなければなりません。タイルは産業廃棄物では「ガラス・コンクリート・陶磁器くず」、コンクリートやモルタルが付いている場合は「がれき類」に分類されます。

処分費用は通常、解体工事費用の合計金額に含まれますが、2~6万円程度が目安です。ただし、1kg単位の処分単価は地域によって異なるため、費用が前後する点は留意しておいてください。

養生・搬出

解体作業で出たがれきの搬出や、新しい浴室の材料を搬入する際に家の内装を傷つけないように、業者は室内の壁や床を養生しなければなりません。

養生は基本的に玄関から浴室までの経路すべてに行い、経路が長いとその分費用がかかります。一般的には1万円程度かかると考えておくとよいでしょう。

解体工事では、がれきを搬出しながらはつり工事を進めていきます。タイルの解体・搬出が終わったら土間の不要な土や砂を、同じように搬出します。

お風呂(浴室)の種類と解体方法

浴室は在来浴室とユニットバスの大きく2つに分けられます。在来浴室とユニットバスは、設置方法やメリット・デメリットが異なるため、リフォームする場合にはそれぞれの特徴を知っておかなければなりません。

以下では双方の特徴と解体方法を紹介するのでリフォームの参考にしてください。

在来浴室

在来浴室(在来工法)は、現場に防水加工を施し、床や壁を作っていく工法で、従来はすべての浴室がこの工法で作られていました。完全オーダーメイドなので、浴槽の大きさや形を自由に決められます。また、素材もタイルのほか、大理石やヒノキなど、自由自在に選べます。

一方で工期が長く費用が高い、浴室が寒くなりやすいという点がデメリットです。

在来浴室の解体は、壁や床を削る、はつり工事が中心です。はつり工事で浴槽や洗面台を動かせるようになったら、取り外して搬出します。

ユニットバス

ユニットバス(システムバス)は、工場で生産された浴室の壁や床などのパーツを現場で組み立てる工法です。つなぎ目が一体化しているため、水漏れリスクが少なく断熱性に優れており、温かい浴室を実現できます。また、機能性に優れた製品も多数登場しているのが特徴です。

現場では組立作業だけなので、費用が安く、工期も短く済みます。一方で、カタログから浴室を選ぶため、浴室の自由度は下がります。

ユニットバスの解体は、洗面台、浴槽、壁、床、天井などのパーツを取り外す作業が中心です。全てのパーツを取り外したら給排水管などの補修を行います。

タイル張り風呂の解体費用が高くなる理由

タイル張り浴室はユニットバスに比べて解体費用は高くなる傾向があります。ではなぜ費用に差が出るのでしょうか。

ここではタイル張り浴室の解体費用が高額になる主な要因を紹介するので、見積もりを依頼する前に理由を知っておきましょう。

粉塵・騒音が多いハツリ作業がある

タイル張り浴室に代表される在来浴室は、はつり作業で壁や床を壊さなければなりません。職人が電動工具を使ってタイルを壊すため、解体作業に時間と手間がかかり、これが費用が高くなる要因となります。

はつり作業では粉塵が発生するので、養生をしっかり行う必要があること、また、騒音や振動で近所に迷惑をかけるおそれがあるため、近所へ伝えておく必要があるなど、事前の対策も欠かせません。

さらに浴室にアスベストが使用されていた場合、ルールに沿って粉塵対策を行い、解体作業を進めなければならないため、費用がさらに高額になります。

廃材量が多く処分費用が高騰

在来浴室の解体工事は廃材の量も費用に影響します。

戸建て住宅の浴室の場合、コンクリートを打設した上にタイルが張られているので、大量のがれきが発生します。これらは産業廃棄物として正しく処分しなければなりません。

ユニットバスはパーツを取り外すだけなので、廃棄物の量も少なく済み、解体費用も在来浴室に比べて安く済みます。

近年では、産業廃棄物の処分費用が高騰傾向にあり、これも解体費用を押し上げる要因です。発生する廃棄物の量が多い在来浴室は、処分費用が解体費用に影響しやすいといえるでしょう。

設備配管や補修工事が発生しやすい

在来浴室の解体では、設備や配管の工事、腐食した部分の補修工事が発生しやすいため、その分費用が上乗せされる傾向があります。

在来浴室からユニットバスにリフォームする場合、床を解体したあとにコンクリートで基礎をつくり、水、湯、排水の配管工事を行わなければなりません。これらの下準備をしたうえで、ユニットバスのフレーム架台を設置し、そのうえに洗い場、浴槽パン、壁を張り、浴槽を取り付けます。

また、在来浴室は経年により水漏れが発生しやすいデメリットがあります。住宅の木部が水漏れにより腐食すると、家の老朽化やシロアリの発生リスクが高まり、危険です。浴室を撤去したあとに木材の腐食を発見した場合は、補修作業を行うため、追加費用が発生します。

解体後にユニットバスを導入するときの注意点

古いタイル張りのお風呂を解体した場合、新しい浴室にはユニットバスを選ぶケースが増えています。在来浴室からユニットバスに変更する場合にはどのような点に注意すればよいのでしょうか。

以下に挙げる注意点をチェックしておき、リフォームをスムーズに進めましょう。

お風呂のサイズ

在来浴室からユニットバスへリフォームする場合、浴室が少し小さくなる点に注意が必要です。ユニットバスは浴室の中に箱のようなものを埋め込むような構造になっています。

地震などでお風呂が壊れないように、壁とユニットバスの間には隙間が設けられているため、これまでの在来浴室よりも少し内寸が小さくなる点は理解しておきましょう。

ユニットバスには「1216」「1717」などのメーカー共通のサイズの規格があります。あらかじめ浴室の内寸を測っておき、どの規格に該当するか知っておくとイメージしやすいでしょう。

造作壁か躯体壁かを確認する

解体工事で浴室の壁を壊す場合、あらかじめ壁が造作壁か躯体壁かを確認する必要があります。造作壁とは建物を支える役割を持っていない壁のことです。一方、躯体壁は柱や梁と一体になっている壁で、建物を支える役割を担っています。

造作壁は構造上取り除いても問題ありませんが、躯体壁は取り除けないため解体工事の際には壁を壊さないように注意しなければなりません。リフォームで浴室を大きくしたい、浴槽の向きを変えたい、などの理由で壁を動かせない点に注意が必要です。

間違って解体してしまった、というトラブルを防ぐためには、解体工事の前に業者に建物の図面を見せておくとよいでしょう。

集合住宅のケース

集合住宅の浴室リフォーム工事では、天井を取り除けないケースがあるので、事前に確認が必要です。マンションは天井裏に上の階の排水管が設置されていることがあり、この場合は天井を取り除けません。

天井を取り除けない場合、新しいユニットバスの天井が低くなる可能性や、天井裏に換気スペースを必要とするタイプのユニットバスは設置できない可能性があるなど、いくつか制限が出ます。

また、マンションのリフォームでは、配管を動かすには限界がある場合や、規約で配管を工事できない場合もあるので、事前に管理規約と管理組合への確認を怠らないようにしておきましょう。これはトイレやキッチンなどの水回り全般、電気配線工事などでも同様の対応が必要です。

お風呂リフォームの平均相場

浴室リフォームの費用は、在来浴室からユニットバスへ変更する場合、65~150万円が相場です。

工事費用は浴室の大きさやユニットバスのグレードで変わります。狭い浴室など、施工面積が狭い場合やグレードの低いユニットバスを設置する場合は100万円以下で収まる事例も少なくありません。

他方、大きな浴室のリフォームや浴室を拡張する、バスタブの向きを変更するなどの工事は100~250万円ほどかかる可能性もあります。

浴室リフォームを検討している場合は施工エリア内の業者3社程度に現地調査と見積もりを依頼し、プランを比較しながら決めるのがおすすめです。

浴室のリフォームに補助金がでる場合がある

浴室リフォームでは条件が合えば補助金を活用できる場合があります。

ここでは、浴室リフォームで利用できる主な補助金を紹介するので、積極的に活用してお得にリフォームを実施しましょう。適用条件は地域によって異なるため、詳しくは自治体の窓口に問い合わせてください。

リフォーム減税制度の活用

浴室リフォームでは、所得税の控除を受けられる減税制度があります。

減税の対象となる浴室リフォームは、以下の6種類です。

  • 耐震リフォーム
  • 省エネリフォーム
  • 同居対応リフォーム
  • 長期優良住宅化リフォーム
  • その他の増改築

減税の種類は、以下の3種類となります。

  • 住宅ローン減税
  • 投資型減税
  • 固定資産税の減税

減税を受けるには確定申告が必要です。住宅ローン減税など、長期間にわたって減税を受けるときは、初年度のみ確定申告をすれば翌年からは年末調整で控除が受けられます。

介護保険の活用

要支援または要介護認定を受けている家族がいて、浴室のバリアフリー化の工事をする場合、介護保険を利用すれば最大20万円の補助金が支給されます。

浴室リフォームで介護保険が適用される条件は、以下の通りです。

  • 要支援1以上の認定を受けていること
  • リフォームする住宅が被保険者の住所と一致していること
  • 利用者が施設などに入所していないこと

介護保険を申請するには、まず、担当ケアマネジャーに相談し、業者に見積もりを依頼します。工事前に申請書類を提出し、工事完了後に領収書や完成後の写真を添付し、支給申請を行います。

その他自治体の補助制度

各自治体では独自の補助金制度を設置している場合があります。補助金の適用条件や支給額も地域によって異なるため、市区町村のホームページなどで調べましょう。

補助金は期限が設けられていたり、申込の上限に達すると締め切るケースもあるため、浴室のリフォームを検討している場合は早めに自治体の窓口に相談しておくと安心です。

また、地域で長年リフォームを行っている優良業者なら、補助金について相談に乗ってくれる場合もあるので、業者探しの際に補助金について相談できるか確認しておくとよいでしょう。

まとめ

タイル張り風呂の解体は、ユニットバスよりも費用が高く、工事期間も長い傾向があります。解体後の浴室リフォームの内容により仕上げ方も変わってくるので、解体工事業者に要望を伝えて、見積りを出してもらうようにしましょう。

浴室リフォームでは補助金も活用できるので、早めに情報収集を開始し、業者や自治体に相談しておくと安心です。

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