
自宅にウッドデッキを設置したものの、結局あまり使っていない、老朽化して使用するには危険になってしまった、ということもあるでしょう。その場合、撤去を検討することになりますが、費用はどれくらいかかるのでしょうか。
この記事では、ウッドデッキを解体するタイミングや費用、DIYで解体できるかどうかについて解説します。
ウッドデッキ解体が必要な理由とタイミング

ウッドデッキは、どのような場合に解体・撤去が必要なのでしょうか。ここでは、よくあるウッドデッキの解体理由を紹介するので、自宅のウッドデッキが当てはまっていないかチェックしてください。
木材の劣化・腐食・シロアリ被害のサイン
ウッドデッキが紫外線や風雨により劣化していたら、撤去または交換のサインです。とくにジメジメした環境では木材が腐食しやすく、腐食すると脆くなるため、人が乗るのは危険です。腐食を見つけたら早めに撤去しましょう。
腐食したウッドデッキはシロアリに狙われやすくなります。シロアリに食害された木材は中がフカフカしてしまい、より危険です。
放置していると住宅に被害を及ぼすおそれがあるため、見つけた場合はすぐに駆除を依頼し、ウッドデッキも解体しましょう。
ライフスタイル・庭スペース活用の変化
ライフスタイルの変化によって庭の使い方が変わり、ウッドデッキが不要になる場合があります。たとえば、庭をドッグランとして使用したい、子どもの成長に伴いウッドデッキで遊ぶ機会が減った、などです。
また、ウッドデッキにより庭の導線が悪くなっている場合、ウッドデッキを解体することで動線を確保できます。
庭のスペースを確保するために、古くなったウッドデッキを撤去したいと考えるケースは少なくありません。
メンテナンスにかかる手間や費用の削減
ウッドデッキのメンテナンスの手間と費用を削減するために、撤去を検討するケースもあります。
ウッドデッキを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
天然木のウッドデッキは年に1度を目安に塗装が必要です。汚れを定着させると劣化を早めるため、日常のお掃除も必要です。さらに、ウッドデッキの下に雑草が生えたりゴミが溜まったりするので、定期的に点検して取り除きます。
これらの手間が負担になった場合、ウッドデッキを解体して新たなスペースへの変更を検討してもよいでしょう。
住まいの売却や賃貸に向けた準備
住宅の売却や賃貸に出すことを検討したときに、老朽化したウッドデッキが物件の価値を下げる可能性がある場合は、解体を選択することがあります。
売却や賃貸経営をする際に、エクステリアをリフォームすることもあるでしょう。そのときに、庭の活用方法を広げるために、ウッドデッキを撤去したり、タイルテラスに変更するなどして、使いやすい庭に一新させることも多くあります。
ウッドデッキを残すか撤去するか迷う場合は、不動産業者に相談することをおすすめします。
法規制・建築基準法や条例の見直し
建築基準法や条例など、ルールの変更により、既存のウッドデッキが規制の対象になる場合は、解体が必要です。
できるだけこまめに法改正をチェックしておきたいところですが、専門家でないと難しいのが現実でしょう。基準を超えないようにするためには、法令や地域の条例について詳しく、こまめに対応してくれる業者に施工を依頼し、定期的にメンテナンスを依頼することが大切です。
定期的にメンテナンスを依頼していれば、最新情報に合わせてリフォームなどの提案をしてくれます。設置を依頼する際は、業者が法令に詳しいか、アフターサービスは充実しているかもしっかりチェックしておきましょう。
ウッドデッキ解体にかかる費用相場

では、ウッドデッキの解体にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、ウッドデッキの解体費用の目安を、業者に依頼した場合とDIYで解体する場合に分けて紹介します。
業者依頼の費用目安
ウッドデッキの解体を解体工事の専門業者に依頼する場合の費用相場は、約3~10万円です。
費用には解体作業にかかる人件費のほか、廃材処分費、出張費などがかかります。現場近くに車両が入れないような立地条件の場合、廃材をトラックまで運ぶのに時間がかかるため、その分人件費がかかります。
また、敷地内にトラックを駐車できない場合は、駐車料金もかかる点は理解しておきましょう。
DIY解体のコスト
ウッドデッキを自分で解体する場合にかかる費用は、1〜3万円が目安です。自分で全ての作業を行う場合、業者の解体工事費用の大半を占める人件費がかかりません。費用がかかるのは基本的に廃材処分費用です。
木製のウッドデッキはノコギリで小さく切れば地域の可燃ごみとして出せます。自治体によってごみ出しのルールは異なるので、事前に確認しておきましょう。
ウッドデッキのコンクリート製の基礎は、一般ごみとして捨てられません。解体には専用の工具が必要なうえ、コンクリートが飛散するなどして危険なため、解体業者に依頼した方がスムーズです。
ウッドデッキの解体費用が変動する要因

ウッドデッキの解体費用は、条件によって幅があります。ではなぜ、費用に差が出てしまうのでしょうか。ここでは、ウッドデッキの解体費用が変動しやすい原因を紹介します。
デッキの構造
ウッドデッキが複雑な構造をしていると、解体に時間を要するため、費用が高くなる場合があります。たとえば、階段や手すりが付いている、ウッドデッキが四角形ではなく複雑な形状をしている、という場合は注意が必要です。
費用はウッドデッキのサイズでも左右されます。大きいウッドデッキは作業量が多く廃材の量も多くなるので、人件費、廃材処分費両方が膨らむ可能性があることは理解しておきましょう。
使われている材料
ウッドデッキに使われている材料によって、費用が前後することもあります。ウッドデッキの素材は大きく、木製と人工木の二つに分けられます。
一般的にウッドデッキで使用されている木材はウリンやイペなどのハードウッドと呼ばれる木材です。針葉樹に比べて硬いですが、比較的簡単に解体できます。
一方、人工木は木粉と樹脂を混ぜたもので、天然木よりも硬く重いために切断の難易度が高い素材です。施工もしっかりとしており、解体に手間がかかるため、費用が天然木よりも高額になる可能性があります。
高所・狭小地など
ウッドデッキの解体費用は、ウッドデッキが設置されている場所や条件によっても変わります。
ウッドデッキが2階にある場合など、足場を設置しないと解体できない場合は費用が高額になるため注意が必要です。また、工事車両が入れないほどの狭小地ではトラックまで廃材を人力で運ばなければならないため、その分費用が上乗せされます。
工事日当日になってこれらが判明すると、高額な追加料金を請求される可能性があります。追加料金の発生を防ぐためには、現地調査をしたうえで見積もりを出してもらうことが大切です。
地域差
地域によって人件費や廃材処分費用が異なるため、同じ条件のウッドデッキでも解体費用が変わることは珍しくありません。
また、同じ地域内でも、現場が車通りの多い場所の場合はガードマンを配置しなければならず、人件費が上乗せされるケースもあります。
時期や需要
建設工事は時期によって費用に変動があります。需要が高まる繁忙期は費用が高くなり、反対に閑散期は費用が安くなるのが一般的です。
解体工事の繁忙期は2~3月です。年度末で企業からの受注が増えたり、引っ越しシーズンが重なったりするため、費用が高くなる傾向があります。また、この時期に工事を希望しても予約が取れないことがあるので、この時期に希望する場合は早めに連絡をいれておきましょう。
一方、閑散期は6~9月、12~1月です。この時期は工事を希望の日程で依頼しやすく費用も安い傾向があります。ただし、梅雨や台風のシーズンにあたるため、思うように工事が進まない可能性に注意が必要です。
DIYと業者依頼、どちらがおすすめ?

ウッドデッキの解体は、DIYでも可能です。しかし、業者に任せた方が安心な場合もあります。
ここでは、DIYと業者それぞれのメリットとデメリットを紹介するので、解体を検討している場合はどちらが向いているか検討してみましょう。
DIYのメリット・デメリット
DIYで解体する最大のメリットはコスト面です。人件費がかからないため、安く解体できます。また、自分のスケジュールに合わせて解体でき、立ち合いの必要もありません。
他方、DIYで注意しておきたいのは安全性です。ウッドデッキは天然木のなかでも劣化しにくい素材を使用しているため、木材に重量があります。
長さのあるパーツもあるので十分注意しなければなりません。さらに慣れない工具を使うと危険なうえ、作業に時間もかかるでしょう。
廃材も自分で処分する必要があるため、市町村のルールに基づいて正しく分別しなければなりません。
業者依頼のメリット・デメリット
業者に依頼する代表的なメリットは、短時間で確実に解体工事を完了できる点です。さらに業者は廃材の処分まで一括で行ってくれるため、施主がすることは、工事前と工事後の立ち合いのみです。
デメリットは費用がかかる点です。さらに繁忙期は希望の日程で工事ができない場合があります。人に任せるため、事前にしっかりと擦り合わせておかないと、希望通りの仕上がりにならなかった、というトラブルも起こりかねません。
また、優良業者を見つけるまでに手間と時間がかかる点もデメリットといえるでしょう。
自分でできるかの判断基準
DIYの経験や知識があり、手間や時間を惜しまず作業できるなら、DIYでの解体を検討してもよいでしょう。
しかし、廃材の処分の際にトラックをレンタルするなど、費用を抑えるためのDIYであるにも関わらず、想定以上の費用がかかることもあります。そのため、少しでも手間に感じるなら、費用がかかっても業者に依頼した方が効率的です。
DIYで解体するか、業者に依頼するか迷っている場合は見積もりだけでも依頼してみると、検討しやすくなります。
ウッドデッキの解体費用を安く抑えるポイント

ウッドデッキの解体費用をできるだけ安く抑えたい場合、どのようにすればよいのでしょうか。
ここでは、ウッドデッキの解体費用を節約するコツを紹介するので、限られた費用でウッドデッキを撤去したい場合は、参考にしてください。
複数の業者に見積もりを取る
安く、品質のよい解体工事を依頼するには、複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめします。
解体工事をはじめとした建設工事は相場が分かりにくいため、複数の業者に見積もりを依頼することで相場を把握でき、安い業者を見つけやすくなります。
しかし、費用面だけで業者を決めるとトラブルに対応してくれなかったり、アフターサービスが充実していなかったりするので注意が必要です。作業内容、アフターサービス、営業担当者の対応など、総合的に見て最も安心して任せられる業者に依頼しましょう。
できる作業は自分で行う
自分でできる作業は行っておくと、解体費用を安く抑えられる場合があります。たとえば解体作業のみを業者にやってもらい、廃材処分は自分で行う、または解体は自分で行い、廃材処分を業者に依頼するなどすれば、費用を節約できるでしょう。
ただ、かかる手間に対して費用はあまり変わらない場合もあります。見積もりを出してもらい、業者と相談して分担の割合を決めると、施主側の作業量と費用の負担を最大限に抑えられるはずです。
自分でウッドデッキを解体する際の手順

ここではウッドデッキの解体をDIYで行う場合の手順を解説します。解体作業を自分でやろうと考えている場合は、まずは作業の流れだけでも把握しておくと安心です。
少しでも難しいと思った場合は業者への依頼を検討してください。
解体前の準備
まずは必要な工具を揃えます。釘を抜いたり木材をめくるためのバール、ネジをはずすために電動ドライバーが必要です。さらに、解体した木材を切断するのに電動のこぎりがあると便利です。
デッキ板の撤去
手すりや階段をとりはずしたあと、デッキ板をはずします。釘で固定されている場合はバール、ビスやボルトで固定されている場合は電動ドライバーを使用します。釘やビスが腐食してはずれない場合は、バールでこじ開けましょう。
根太・束柱の撤去
デッキ板を支えてきた根太を取り外します。ボルトをはずしてから撤去するのが基本ですが、先に電動のこぎりで切ってからボルトをはずしてもかまいません。
その後、束柱を撤去します。束柱がコンクリート基礎に固定されている場合は、コンクリートを破砕する、はつり作業が必要です。
清掃と整地
すべてのパーツを取り外したら、現場の清掃をして完了です。釘や金具、木材の破片が残っていないか確認します。基礎を解体した場合は地面の凹凸を均し、次の活用方法に合わせて整地します。
廃材の処分
最後に廃材を分別して処分します。
処分方法は一般的に以下の通りです。
- 木材:燃えるごみ
- 金属類:燃えないごみまたは資源ごみ
- コンクリート:専門業者に回収を依頼
処分方法は自治体によって異なるので、事前に自治体の担当窓口に相談してください。
ウッドデッキを解体に関するよくある質問

ここでは、ウッドデッキの解体に関してよく挙がる質問とその回答を紹介します。ウッドデッキの解体を検討している場合は、内容をチェックして疑問を解消しておきましょう。
ウッドデッキの解体にかかる時間はどれくらい?
住宅に設置する一般的なサイズのウッドデッキであれば、1~2日程度で解体作業は完了します。ただし、コンクリートの基礎で固定されているウッドデッキは、コンクリートのはつり作業が必要なため、さらに1日程度見ておいた方がよいでしょう。
廃材の搬出経路が狭い、現場の前までトラックが進入できない場合は廃材の運び出しに時間がかかるため、さらに作業日数がかかることがあります。
解体したウッドデッキは再利用できる?
ウッドデッキを解体したあとの木材は、他の用途に再利用が可能です。木材でベンチや木箱を作ったり、フェンスとして活用することもできます。
注意点は、傷みのない木材のみを選定して使用することです。劣化した木材は安全性に欠けるので状態の良い部分だけを使用しましょう。
木材を再利用したい場合は、事前に業者に伝えておくと取っておいてもらえます。どのような用途で使いたいのか伝えておくと、適切なパーツを分けておいてくれるはずです。
まとめ

ウッドデッキは劣化したら撤去または取り替えを検討しましょう。解体はDIYでもできますが、できるだけプロに任せた方が安全に、スピーディーに撤去が完了します。
基本的に見積もりは無料なので、DIYか業者か迷っている場合は一度見積もりを依頼してみてはいかがでしょうか。
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