マンションの専用庭は、マンションに住みながら戸建て感覚で過ごせる点が近年注目されており、人気を高めています。せっかく専用庭付きの部屋に住むなら、理想通りの使い方をしたいですよね。
そこで、今回はマンション専用庭のリフォームについて、メリットや工事の流れ、注意点などについて解説します。
マンション専用庭のリフォームで叶う理想の暮らしとは?
マンションでは高層階が人気ですが、専用庭がついた1階も多くの長所があり、中古物件でもその魅力が注目されています。
専用庭を使いやすいようにリフォームすれば、スペースを活かした理想の暮らしができるでしょう。ここでは、マンションの専用庭をリフォームするとできることを紹介します。
プライベートなアウトドア空間の実現
マンションの専用庭は周囲をフェンスなどで囲ってある、その住戸の住民以外は使用できない専用のプライベートスペースです。
専用庭は一般的に20㎡以上の広さがあり、なかには駐車場として活用できるものもあります。住民は専用庭の使い方に合わせて住戸を選べるのも大きなメリットです。
多くの場合、目隠しフェンスが備えられており、住む人がプライバシーを確保しつつ開放的な空間を楽しめます。もともとあるフェンスに好みの植栽を組み合わせれば、自然な木漏れ日の溢れる空間に変身するでしょう。
戸建て住宅とマンション双方のメリットを享受できる点が専用庭の特徴です。
ガーデニングや家庭菜園の楽しみ
専用庭ではガーデニングや家庭菜園を楽しめる点も大きな特徴です。マンションのベランダでもガーデニングはできますが、鉢植えやプランターで植物を育てることになり、床面が土で汚れた場合には掃除の手間がかかります。
一方専用庭は、比較的大型の植物でもスペースを気にせず育てられます。また、花壇が付いている場合、家庭菜園を本格的に楽しめる点も、ガーデニングを趣味にしている人にとっては大きなメリットです。
ベランダに比べて日当たりも良いため、野菜にとっての環境も良く、プランターで育てるよりも多くの収穫を期待できるでしょう。
子どもの遊び場やペットの憩いの場の確保
専用庭はフェンスで囲われているため、床材に人工芝を敷けば、安全を確保しながら子どもやペットを外で遊ばせられます。
夏はビニールプールを出して水遊びも可能です。床が濡れても問題ありませんし、水の片付けも簡単です。
そのほか、テーブルとガーデンチェア、パラソルを出して家族でランチやティータイムでくつろいだり、専用庭にシートを敷いてピクニックをしたりするなど、移動の負担がかからずにレジャーを楽しめます。
マンション専用庭のリフォームで知っておきたい成功ポイント
マンションの専用庭リフォームを成功させるには、いくつか押さえておきたい点があります。
ここでは、特に重要なポイントを紹介するので、専用庭をリフォームしたいと考えている場合は対応方法をチェックしておいてください。
原状回復を見据えた設計
マンションの専用庭はベランダと同じく共用部分に該当するため、退去時には設置したものを撤去して原状回復しなければなりません。そのため、リフォームをするときは原状回復できる内容にとどめる必要があります。
たとえば、ウッドパネルを敷いてウッドデッキ風やテラス風にしたり人工芝を敷いたりする程度ならOKでも、砂利やコンクリートを撤去する工事はできません。
リフォームに関するルールはマンションの管理規約に記載されているので事前に必ず確認し、不明な点は管理組合または管理会社に確認することが大切です。
専用庭の原状回復は、雑草についても同様です。雑草を放置して荒れ果てた状態にしたり、除草剤でマンション所有の植栽を枯らしてしまったりすると、原状回復義務を負うことになります。
日常のメンテナンスのしやすさ
リフォームを計画するときは、お手入れのしやすさも考慮して、素材やデザインを決めましょう。
リフォームした専用庭をきれいな状態に保つには日常のメンテナンスが不可欠です。手入れがしにくいと景観が悪くなったり、安全性を保てなかったりするので注意しなければなりません。
植栽も生育が旺盛すぎる植物を植えると頻繁に剪定しなければならなかったり、落葉樹を選ぶと秋に落ち葉の掃除で悩まされたりします。
手入れが楽な植物を選ぶ、庭に使用する素材は耐久性の高い物を使用するなど工夫して、日常のお手入れの手間を減らすことがきれいな専用庭を保つポイントです。
防犯対策の考慮
専用庭付きの住戸はマンションの1階になるので、防犯対策は必須です。
マンションの1階に住む人のなかには、植物をたくさん置いて部屋の中が見えないようにしているケースがあります。しかし、これは不審者が身を隠せる場所にもなるので注意が必要です。
専用庭に植栽を配置するときは、見通しも考慮するようにしましょう。専用庭が暗い場合は、センサーライトを取り付けるなどして侵入経路を明るく照らせるようにすると効果的です。
また、専用庭だけでなく、窓に補助錠を付ける、窓ガラス用防犯フィルムを貼るなどの対策をしておくと安心です。
マンション専用庭のリフォームをおしゃれに仕上げるコツ
では、専用庭をおしゃれにリフォームするにはどのようにすれば良いのでしょうか。
限られたスペースの専用庭は、ちょっとしたコツを押さえるだけでおしゃれさがグンとアップします。
以下のポイントを参考に自分だけのオリジナルの空間をつくりあげてください。
統一感のあるデザインテーマの設定
おしゃれな専用庭にするには、全体の雰囲気に統一感を持たせることが大切です。
専用庭のデザインをマンションの建物のテイストと合わせると、建物と専用庭に一体感が生まれます。
エクステリアのデザインにはさまざまなテイストがありますが、最近のマンションに合わせるならナチュラルモダンな専用庭を目指すとうまくまとまるでしょう。
また、色はマンションの外壁や専用庭のフェンスに合わせて素材選びをすると失敗が少なくなります。
照明や家具の効果的な配置
専用庭に照明や家具を配置すると、全体のアクセントになります。テーブルと椅子、ベンチを置くとカフェのような雰囲気になるでしょう。
家具を置く場合、台風などの悪天候の日は近隣の住戸に飛ばされることのないよう、事前に片付けるなどの対策が必要です。
また、照明も点灯したときに隣の住戸に光が当たると隣人にとってストレスになることも少なくないので、十分配慮して設置することが大切です。
専用庭に植える植物選び
植栽は専用庭をナチュラルに包み込み、個性も与えてくれる存在です。あるとないとでは、大きく雰囲気が変わるので、効果的に配置したいアイテムといえるでしょう。
植栽は大きく、常緑樹と落葉樹に分けられます。落葉樹は紅葉が楽しめますが落ち葉の掃除が大変です。そのため、特にこだわりがなければ一年中青々とした葉をつける常緑樹がおすすめです。
ミモザやフェイジョアなど、印象的な花を咲かせる植物もあるので、専用庭のイメージに合わせて取り入れると良いでしょう。
マンション専用庭をリフォームする際の基本的な流れ
ここでは、マンションの専用庭をリフォームするときの一般的な流れを紹介します。
流れを無視してリフォーム工事に着手してしまうと、大きなトラブルにつながるおそれがあります。事前に段取りを確認して、一つひとつ着実に進めていくことが大切です。
管理規約の確認と管理組合への相談
専用庭のリフォームを検討している場合は必ず管理規約を確認し、事前に管理組合に相談しましょう。
マンションの専用庭は住民「専用」の庭ではありますが、マンションの共用部分にあたります。マンションでリフォームができる場所は基本的に専有部分のみとなり、専用庭はリフォームできない場合があります。
また、工事の際に車両を停める場所や搬入経路、大幅なリノベーションの可否など、管理組合で規定されている場合があるので、事前に確認しておくことが大切です。
リフォームプランの作成と業者選定
管理組合からリフォーム許可が下りたら、どのような専用庭にしたいかプランを立てます。インターネットやリフォーム雑誌などを見て、理想の専用庭のテイストを決めます。
同時に外構工事業者を探しましょう。インターネットでマンションが施工エリアになっている業者のなかから、ピックアップしてください。
外構工事業者のホームページを開き、施工事例が自分の理想のテイストと合っているかチェックしましょう。
気になる業者3社程度に問い合わせをし、見積りを依頼します。
見積もりを比較し、費用や施工方法など、最も条件に合う業者を決め、契約します。
工事の実施と完了後のチェック
契約後、業者と施工に関する細かい点をチェックします。マンションの規約に関して分からない点が出たらその都度管理組合に相談しましょう。
また、工事中は騒音やほこりが発生することがあります。両隣と上の住戸には事前に挨拶し、工事を行う旨を伝えます。たとえ大きな音やほこりが発生しないような施工内容であっても、トラブルを防ぐためにも事前に挨拶を行っておきましょう。
リフォーム作業が完了したら立ち合いを行い、問題なければ工事完了となります。
マンション専用庭のリフォームで注意すべきポイント
マンションの専用庭をリフォームする際、いくつかデメリットや注意しておきたい点があります。
以下にあげる3点を工事を依頼する前にチェックしておき、トラブルが起こらないように対策しておきましょう。
管理規約による制限の確認
専用庭に限らず、マンションでリフォームを行う場合には、管理規約に従わなければなりません。
管理規約はマンションによって細かく異なっており、リフォームに関する内容もマンションの独自ルールが設けられている場合があります。
専用庭は共用部分にあたるので、基本的に床材やフェンスを変更するようなリフォームはできません。パネル状のタイルの設置は可能か、人工芝の設置、植物の配置は可能か、などについて確認しておきましょう。
また、マンションによってはリフォーム工事の期間や指定工事業者以外の業者の出入りに制限を設けている場合があります。
事前にしっかりと規約を確認し、分からないことは管理組合に相談しておくと安心です。
近隣住民への配慮
専用庭ではバーベキューや喫煙所としての使用など、においが出るものや、大人数でのパーティーなど、近隣住民に迷惑がかかることはできません。
また、専用庭は植栽の手入れはマンション側にはやってもらえませんので、自分で雑草対策をすることになります。
専用庭を雑草だらけにしておくと景観が悪くなるだけでなく、虫が発生したり、防犯性が低くなったりして、隣の住民に迷惑をかけてしまうことがあります。
定期的にメンテナンスを行って、同じマンションの住民が快適に生活できるように配慮することが大切です。
避難経路の確保
専用庭はマンションで火災が起きた際などの避難通路になっている場合があります。そのため、みだりに物を設置することが消防法で禁止されています。
専用庭のメンテナンスは住民が行いますが、勝手に物を置いたり構造物を設置したりして、避難経路を妨げてはいけません。
安全性を確保しながら専用庭をリフォームするためには、スペースにゆとりを持って植物や物を配置することがポイントです。
プランを立てるときも避難経路を意識したレイアウトを考えるようにしましょう。
まとめ
マンションの専用庭は、マンション住まいでありながら戸建てのような開放的な庭を利用できるため、近年人気が上昇しています。
思い思いの使い方ができる一方で、リフォームの際には管理規約を守る必要があるため、事前にしっかりルールを確認しておきましょう。
経験豊富な外構工事業者なら一般的なマンションリフォームのノウハウを持っているので、相談しながら進めると安心です。
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