
目隠しフェンスは外からの目線を遮り、家族のプライバシーを守ってくれる外構設備です。
しかし、目隠しフェンスを設置して後悔した、感じ悪いと言われてしまった、という事例もあるのでデメリットやその理由を理解して設置する必要があります。
この記事では、目隠しフェンスの失敗例や失敗を回避するために押さえておきたいポイントを紹介します。
目隠しフェンスで後悔した事例

目隠しフェンスで後悔するのはどのようなケースなのでしょうか。
ここでは、目隠しフェンスを設置して後悔した事例を紹介するので、設置を計画している場合は以下の項目を確認しておき、トラブルを未然に防ぎましょう。
圧迫感・閉塞感が出たと言われた
背の高い目隠しフェンスを設置したら、圧迫感・閉塞感が出たと言われてしまうことがあります。隣人側から見れば目隠しフェンスが壁のように感じてしまい、敷地が狭くなったように感じてしまうこともあるでしょう。
突然目の前に目隠しフェンスを建てられたら「あからさまに目隠しされた、感じ悪い」と思われてしまうこともあるかもしれません。
とくに隙間のない目隠しフェンスは圧迫感を与えやすいので注意が必要です。
日当たりが悪くなったと指摘された
目隠しフェンスを建てたことにより隣家に日陰ができてしまい、苦情が入るケースがあります。
とくに目隠しフェンスを隣家の南側や東側に設置した場合、日当たりの影響が大きくなりやすく、庭や室内が暗く寒くなったり、洗濯物が乾きにくくなったりするので注意が必要です。
冬は夏に比べて太陽の南中高度が低くなるため、日陰による影響が大きくなり、隣家にストレスを与えやすくなります。
道路への見通しが悪くなったと言われた
目隠しフェンスを設置したことで、道路への見通しが悪くなったと隣家に言われてしまう場合もあります。
見通しが悪いとガレージから車が出入りする際に前の道路を通行する車や自転車、人が見えにくく、危険に感じることも増えるでしょう。
目隠しフェンスを設置する際は、自宅だけでなく隣家の見通しにも配慮して、安全性と快適性を確保することが大切です。
敷地の立地や形状に合った高さと幅でフェンスを設置するようにしましょう。
強風時に倒れてトラブルにつながった
大型の台風などで強風が吹き荒れると、フェンスが破損したり倒れたりするおそれがあります。倒れたフェンスが隣家の外壁や設備を傷つけてしまうとトラブルの原因になるので注意が必要です。
それだけでなく、フェンスが道路側に倒れて通行した車に損害を与えると、管理責任を問われる場合もあるので、倒れにくいフェンスを設置するなどして配慮しなければなりません。
置き型フェンスは手軽に設置できますが、倒壊するリスクが高いため、基礎やブロックで施工するフェンスを設置しましょう。
風を受けやすい場所では、背が高く隙間のないフェンスは破損しやすいので、格子型など、風の通り道を確保できるデザインのフェンスを採用することをおすすめします。
境界トラブルが起きた
隣地境界線を明らかにしないまま目隠しフェンスを設置すると境界トラブルの原因になるため十分注意しなければなりません。ブロック塀やフェンスが境界線上にある場合、隣家との共有となるので、解体、設置の際は隣家の承諾を得る必要があります。
隣家との境界にフェンスを新設する場合、大切なことは境界線の確認です。まずは土地に設置されている境界標を確認しましょう。
境界標が見つからない、あるいは曖昧だと感じる場合は土地家屋調査士に依頼して境界線を明確にしてからフェンスを設置するようにしましょう。
フェンスが低くてで目隠し効果が薄い
圧迫感や見通しを考慮した結果、フェンスが低くて外の視線を遮るには不十分だった、という失敗が起こることがあります。
目隠し効果を得たい場合のフェンスの高さの目安は、1.8~2m程度です。しかし、自宅が前の道路よりも低い場合などは高さが足りないケースがあるため、実際に道路に立ち、メジャーなどで測って高さを決めるようにしましょう。
また、フェンスをブロックの上に設置する場合の高さ制限は2.2mなので、2.2m以上の目隠しが必要な場合は独立基礎のフェンスを検討するか、植栽とフェンスを組み合わせて効果的に目線を遮るとよいでしょう。
デザイン・カラーや素材の選択ミス
設置したフェンスの素材や色が建物の雰囲気と調和せず、敷地全体がちぐはぐな印象になってしまった、という失敗も少なくありません。とくに目隠しフェンスは存在感があるため、住宅のイメージに大きく影響することがあります。
フェンスを選ぶ際は、フェンス単体のデザインではなく、住まい全体の統一感を意識することが大切です。
設置の際は外構工事の専門業者に依頼すると、納得のいくフェンスを選べるだけでなく、住宅全体をおしゃれに演出できる外構デザインを提案してもらえます。
通気性や採光性の低下で庭の環境が悪化する
背が高く隙間のない目隠しフェンスを設置すると、庭の風通しと日当たりが悪くなり、快適性が損なわれることがあります。
風通しが悪く日陰の多い庭はカビや害虫の温床になるだけでなく、日陰ができることで室内が暗く寒くなってしまうケースもあるでしょう。
目隠しフェンスで敷地全体を囲うのではなく、必要な場所にのみ設置する、視線が気になる場所には植栽を配置するなどすると、プライバシーの保護と環境の維持を両立できます。
追加費用が想定外だった
外構工事では事前にしっかりと見積もりをとっておかないと、追加工事により想定以上に費用がかかる可能性があります。
特に既存のブロック塀の上にフェンスを設置する場合、コア抜き工事が必要となり、追加費用が発生します。
そのほか、工事の進行中にデザインの変更を申し出た場合にも、材料費や施工費が追加でかかるため資金の準備が必要です。
予算オーバーを防ぐには、業者に現地調査を依頼し、詳細な見積もりを出してもらいましょう。
木製フェンスにしたらメンテナンスが大変
目隠しフェンスを天然木製のウッドフェンスにしたら、メンテナンスに手間がかかり、後悔するケースも少なくありません。
木製フェンスはナチュラルな雰囲気があり人気ですが、日光や雨の影響で塗装が劣化する素材です。これを放置していると木が腐りやすくなり、外観が悪くなったり倒壊の危険性が高くなったりするため、1年に1回程度の塗装が欠かせません。
塗装を怠ると、5年、10年後に劣化が進んで交換を余儀なくされ、コストが高くなってしまう場合もあります。
メンテナンスが手間な場合は、樹脂製の木目調フェンスを採用するとよいでしょう。
値段だけで業者を選んで後悔した
工事費用が安いからといって安易に業者を選ぶと、品質の悪い施工をされたり、アフターサービスがなかったりして後悔するケースがあります。
安すぎる業者は、エクステリアのデザインを担当するスタッフが在籍していないためにデザイン性に欠ける仕上がりになりやすいほか、使用する材料と施工技術が悪く、品質の低い工事になってしまうことも珍しくありません。
また、工事費用はアフターフォローの内容と充実度にも影響します。アフターフォローが充実していないと、工事後に不備や破損があった場合に対応してもらえない可能性があり、トラブルの原因となります。
業者選びの際は、価格だけでなく、営業年数、施工実績、アフターサービスなどを総合的に見て判断しましょう。
目隠しフェンスで後悔しない場所に合った選び方

目隠しフェンスは設置する場所に応じて最適なものを選ぶと失敗を防げます。
ここでは、住宅の状況に合ったフェンスの選び方を紹介するので、フェンスの設置を計画する際の参考にしてください。
人通りのある道路沿い
道路沿いのフェンスは視界を遮りつつ見通しを確保することがポイントです。背が高く隙間のない仕様のフェンスは、不審者が侵入しにくい一方で、一度敷地内に侵入されてしまうと外から見えにくいため、不審者にとって格好の隠れ場所になってしまいます。
防犯性を高めるには、縦格子フェンスなど、見通しがよいデザインを選びましょう。フェンスのデザインは周囲の住宅と調和させることも大切です。
リビングの窓
リビングのプライバシーを守るには、道路とリビングの高低差を意識してフェンスの高さを決めましょう。
一軒家の床は地面より50~60cm程度高くなっています。そのため、目隠しフェンスも目線の高さよりも高くする必要があります。
ただし、高すぎるフェンスは圧迫感を与えるので、目線ギリギリの高さに抑えるか、隙間があるフェンスやルーバーフェンスを採用して採光性と風通しを確保するとよいでしょう。
隣家との境界
境界線に設置する目隠しフェンスは隣家との距離が近いため、しっかり目隠しできるタイプがおすすめです。
外から見えにくい場所なので、デザイン性よりも機能性を重視して問題ありません。防音性能が高いものを選ぶとより快適でしょう。
ただし、隣家と距離が近い分、相手への印象に十分配慮して必要最低限の高さに抑える、必要な部分のみに設置するなどして圧迫感を与えないようにすることが大切です。
庭
庭に設置する目隠しフェンスは庭の使い方に応じて最適なものを選びましょう。
ウッドデッキなどでガーデンピクニックやティータイムを楽しみたいなら、立った状態でも見えにくい高さのものを設置すると視線を気にせず空間を楽しめます。
ガーデニングや家庭菜園を楽しみたい場合は、通気性と採光性を確保できるタイプがおすすめです。
庭をしっかり目隠ししながら光を取り入れたいときは、一部にポリカーボネートパネルがついたフェンスを採用するとよいでしょう。
目隠しフェンスの後悔・トラブルを防ぐポイント

目隠しフェンスで後悔しないようにするにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
ここでは、トラブルや失敗を防ぐポイントを紹介するので、設置する前にしっかり押さえておきましょう。
近隣トラブルは事前のコミュニケーションが重要
外構工事を行うときは事前に近隣住民としっかりコミュニケーションをとっておくとトラブルを防げます。
特に隣家との境界線に目隠しフェンスを設置する場合は隣家に工事の承諾を得るだけでなく、どのようなデザインのフェンスを設置することになるのか説明してから工事を開始した方がよいでしょう。
工事の開始日が決まったら、周辺住民に工事期間や工事内容、騒音などについての説明と挨拶に伺います。挨拶回りは外構工事業者がやってくれることもありますが、施主が直接挨拶しておくと好印象です。
設置目的を明確にする
フェンスを設置する場合は、設置の目的を明確にしておくと完成したあとで後悔せずに済みます。
たとえば道路からリビングへの目線を遮りたい場合は、リビング正面のフェンスを目隠しできる高さにする、隣家からの目線を遮りたい場合は境界の庭や窓の前に目隠しフェンスを設置する、出入りの際に目隠しをしたいなら玄関アプローチにスクリーン式のフェンスを設置するなどです。
目隠しの目的が曖昧なまま目隠しフェンスを設置すると必要ない場所にもフェンスを設置することになってしまいます。
外構工事業者に相談しながら、目的を明確にし、必要な場所に最適なフェンスを設置しましょう。
視線の動線を確認する
目隠しフェンスを設置する場合、誰の目線を遮りたいのかで最適なフェンスの種類は変わります。
通行人など動いている対象からの目線を遮りたい場合は縦格子フェンスが最適です。一方で、隣家など止まっている目線を遮りたい場合は横格子フェンスが効果的といえます。
2階の窓や隣接するマンションなど、高い場所からの目線を遮りたい場合は高いフェンスが必要ですが、高さが足りない場合は樹木を植えると圧迫感なく目隠しが可能です。
日当たり・風通し・デザイン性のシミュレーションをする
目隠しフェンスは日当たりや風通しに影響を与えることが多いため、事前にシミュレーションしておくと安心です。
日当たりや風通しの影響は自宅だけでなく隣家にも及ぶので、隣家にどれだけの影響が出そうか予測し、隣家にできるだけ負担を軽減できるデザインを選ぶ必要があります。
フェンス選びの際は、外構工事業者にアドバイスをもらいながら実際にショールームで実物を見て決めると失敗を防げるでしょう。
設置範囲を必要最小限に抑える
目隠しフェンスは目線を遮りたい場所に限定して設置すると失敗を防げます。
プライバシーを守りたいからといって敷地全体を高いフェンスで囲ってしまうと圧迫感が生まれるだけでなく、庭が狭く感じたり、日陰が多くなり住まいが暗くなってしまいます。
また、余計な場所に背の高いフェンスを設置するのはコストが必要以上に高くなる原因です。
背の高いフェンスは目隠ししたい場所のみに設置し、そのほかの場所は適度な高さのフェンスで見通しを確保することで、開放感が生まれ、費用も安くできます。
デザインとコストのバランスを検討する
外構フェンスはデザインも重要ですが、耐久性やお手入れのしやすさ、コストなどを総合的に見てバランスのよいものを選ぶことが大切です。
耐久性が高ければ長期間美観を保てます。木製フェンスは自然な風合いが魅力ですが、耐久性が低い点がデメリットです。一方で、アルミフェンスは耐久性が高く、10~20年経過しても問題なく利用できます。
耐久性が高いフェンスは交換の頻度が低くなるためコストパフォーマンスが高く、長期的に費用を抑えられる点も大きなメリットです。
無理せずに業者に任せる
フェンスの設置費用を節約しようとしてDIYしたら思い通りの出来栄えにならず後悔するケースもあるので、無理せずに業者に任せることも大切です。
フェンスは見た目の出来栄えはもちろん、倒壊しないように設置しなければなりません。設置したもののすぐに傾いてしまい、結局業者に設置しなおしてもらう、ということになると余計な費用がかかってしまいます。
あらかじめDIYで設置できそうなのか、シミュレーションして判断しましょう。
目隠しフェンスに関するよくある質問

ここでは目隠しフェンスの設置に関してよくある質問とその回答を紹介します。
フェンス設置を検討している場合はチェックして疑問を解消しておき、後悔のない外構工事を依頼しましょう。
目隠しフェンスは防犯に逆効果になるって本当?
背が高く隙間のない目隠しフェンスは不審者に狙われやすいといわれています。確かに背が高いフェンスは乗り越えにくいですが、一旦乗り越えてしまうと外から見えにくいため、隠れやすく自由に行動できてしまいます。
防犯性を高めるには、見通しを意識することが大切です。隙間のあるフェンスを設置し、適度な見通しを確保する、死角になりやすい場所にはセンサーライトを設置する、侵入経路になりやすい場所には防犯砂利を敷くなどして対策しましょう。
目隠しフェンスの施工費用はいくらくらいかかる?
目隠しフェンスの施工費用は、フェンスの種類や設置方法、設置する範囲で大きく変わります。
ブロック3段の上に1.2mのフェンスを設置した場合の費用相場は、以下が目安です。
- 幅5m:16~60万円
- 幅10m:25~90万円
- 幅20m:38~135万円
外構フェンスでよく採用されているアルミフェンスは耐久性が高くカラーバリエーションが豊富で費用も比較的リーズナブルです。
一方、アルミ鋳物フェンスや鉄鋳物フェンスは重厚感がありおしゃれなデザインですが、費用が高くなる傾向があります。
置くだけの目隠しフェンスのデメリットは?
置くだけフェンスは設置は簡単ですが、強風に弱い点が大きな欠点です。台風などの強風で倒れたり飛ばされたりするため、悪天候の前には安全な場所に撤去しなければなりません。
万が一倒壊したフェンスで隣家の設備を損壊させたり通行人に被害を及ぼした場合には、責任を問われる可能性があるので、できるだけ外構工事業者に依頼して基礎に固定するタイプのフェンスを設置するようにしましょう。
まとめ

目隠しフェンスは目的や用途を明確にしていないと設置してから後悔するケースがあります。家族のプライバシーを守り、快適に過ごすためにもライフスタイルに合ったフェンスを選びましょう。
フェンス選びは実績のある外構工事業者に相談しながら進めていくと失敗を防げるので、計画の段階でも気軽に相談してみることをおすすめします。
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