外構素材で人気のタイルを庭に敷きたいけれど、大掛かりな工事は大変なので置くだけで設置したいと考えることもあるでしょう。その場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
今回は、庭にタイルを置くだけの設置方法のメリットとデメリット、外構工事業者にタイル床の設置を依頼した方が良い場合について紹介します。
庭にタイルを置くだけにするデメリットは?
置くだけの方法で庭にタイルを敷く場合は、外構工事でタイル床を施工する場合と比べていくつか注意点があります。
平坦な場所にしか設置できない
置くだけのタイルは、基本的に平坦な場所にしか設置できません。外構工事で行うように地面にコンクリートを打つことはしないので、地面の形が床面に影響します。
傾斜があるとタイルの高さと床面の方向がばらばらになってしまい、見た目もあまりよくありませんし、目地が揃わずに全体が一つの床に見えない仕上がりになってしまうことも。
タイル同士の隙間も空きやすいので、設置場所を平坦な場所にするか、あらかじめ設置場所が平らになるように整備する必要があります。
タイル特有の重厚感がない
タイルを置くだけにすると、せっかくのタイルの高級感を十分に発揮できません。タイルの魅力は、その重厚感でエクステリアにワンランク上の魅力を持たせる効果がある点です。
しかし、それはプロの手で下地を作り、タイルを均一に圧着させることが条件です。DIYでタイルを置くだけだとどうしても歪みが生じ、目地の美しさを表現できません。その結果、安っぽい雰囲気になって後悔する可能性があります。
特にジョイントタイプの置くだけタイルは、パネル式の人工芝と同様、継ぎ目が見えるので安っぽく見えやすいでしょう。
耐久性や安定性に欠ける
置くだけ設置のタイルは、モルタルを使う湿式施工に比べて安定性が悪く、耐久性が低い傾向にあります。
タイルが固定されていないため、上を歩くとずれて角がぶつかり、欠けてしまったり、でこぼこした地面の上に置かれていると割れてしまったりすることがあります。
タイルは外構の床材としては高価な部類で、その分耐久性が高いのが魅力ですが、固定されていないことが原因で破損しやすくなり、コストパフォーマンスを大きく下げてしまうでしょう。
雑草対策にはならない
庭にタイルを置くだけでは、雑草対策としては不十分です。夏場は特に隙間から雑草が生え、場合によっては植物の根や茎がタイルをずらしてしまいます。
雑草を防ぐには、タイルの下に防草シートや砂利を敷くなどの対策が必要です。それでも時間がたつとタイルの隙間に砂やほこりが溜まり、そこに雑草が生えてしまいます。
タイルの美観を保つためにはこまめに雑草を取り除き、目地を掃除する作業が必要です。また、サイズが大きいタイルを使用すると、小さいタイルよりも雑草対策として効果的といえるでしょう。
選べる選択肢が少ない
外構タイルを置くだけ設置にする場合、選べるタイルの素材がある程度絞られてしまいます。エクステリアの床材に採用したいタイルがあらかじめ決まっている場合は、置くだけの設置に向いている素材か、あらかじめ確認しておきましょう。
置くだけで設置する場合は、タイルのサイズに注意が必要です。タイルを切断するのは大変なので、庭のスペースにバランスよくはまるサイズのタイルを選択する必要があります。
また、寒冷地の場合、凍害によりタイルの表面が剥がれてしまうおそれがあるため、大理石や石灰岩、砂石は避けた方が良いでしょう。
庭にタイルを置くだけにするメリットは?
一方で、庭にタイルを置くだけにするメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、置くだけだからこそ得られるメリットをお伝えします。DIYを考えている場合は、デメリットと照らし合わせて比較・検討してみましょう。
やり直しが手軽にできる
タイルを置くだけで設置する最大のメリットは、いつでもやり直しができる点です。
DIYでは、頭の中でイメージするだけでは結果的にどのようなデザインになるのか分かりにくいこともあるでしょう。そのような場合でも庭に実際にタイルを並べてみて、納得するまで修正が可能です。
タイルを置くだけでは固定されないので、配置や置く範囲を変えたければいつでも使い勝手の良いようにメンテナンスでき、気軽に設置できるでしょう。
デザインや配置が自在
タイルを置くだけで設置するもう一つのメリットは、自分の思うままにデザインできることです。
色だけでなく、タイルの種類も自由に組み合わせてプロの業者では思いつかないような、自分だけのオリジナルの外構デザインに仕上げられます。
タイルの配置を変えれば、ナチュラルモダンから南欧風、和モダンなど、エクステリアの印象を大幅に変えられ、テーマに合った雰囲気を簡単に作り出せるでしょう。
費用を抑えられる
タイルの置くだけ設置は、施工相場が1㎡あたり約2万円の外構工事に比べて、大きく費用を下げられます。一般的な湿式工法では、コンクリートで下地を作る必要がありますが、置くだけ設置はその必要がありません。
地面の上に並べるだけなので、タイルと雑草対策のシートや砂利があれば設置できてしまいます。自分で並べるので、施工費用もかからず、大幅に工事費用を節約できる点が大きなメリットといえるでしょう。
その分、多少高くても気に入ったタイルを選べるなど、限られた予算を最大限に活用できる点も魅力です。
庭にタイルを置くだけにするときのDIYに必要な準備
DIYで庭にタイルを置くときはどのような手順で行えば良いのでしょうか。
ここでは初心者にもできる、DIYの準備からタイルを配置するまでの流れを紹介するので、施工のポイントを押さえておきましょう。
タイルを置く場所や広さを決める
タイルを置くだけのDIYをする際は、タイルを置く場所と範囲を決定する必要があります。場所を決める際には、タイルを使う目的を明確にしておきましょう。
リビングから庭への出入りをスムーズにしたいなら、リビングの掃き出し窓の前にタイルを敷く、バーベキューを楽しみたいならウッドデッキの近くにバーベキューコンロを置く場所に敷くなど、用途に合わせてスペースを確保します。
スペースの広さが決まったらタイルが何枚必要なのか確認し、不足がないように準備しましょう。
地面の整地をする
タイルを置く場所を決めたら、地面を平らにならします。小石や草の根などは取り除き、トンボやレーキを使ってきれいにならしましょう。
地面が低くなっている部分には土や砂を足して平坦になるようにします。きちんと水平になっているか、水平器を使って確認してください。
地面の整地ができたら防草シートを敷いておくと雑草対策ができます。防草シートは、シートどうしの端と端が10cm程度重なるようにすると隙間から雑草が生えてくることなく、安心です。
タイルを配置する
地面が整ったらタイルを並べていきます。このとき、タイルスペーサーというタイル同士がぶつからないように固定するディスク型の設置具を置き、その上にタイルを設置すると、上を歩いたときにガタガタ音がしたり、タイル同士がぶつかって欠けたりする心配がありません。
並べたタイルの周辺には砂利を敷き詰めると、タイルを固定すると同時にタイル周辺を美しく演出できます。砂利は玉砂利などの高級感のあるタイプがおすすめです。
業者に依頼すべきタイル工事とは?
外構はできるだけDIYして、費用を抑えながらこだわりの手作り空間を作りたい、という方は多くいます。しかし、外構設備の性質上、プロに依頼した方が良い場所があります。
次に紹介する外構設備は外構工事業者に施工してもらった方が良い場所なので、プロに任せる場所とDIYしたい場所を決めるための参考にしてください。
玄関アプローチ
玄関アプローチは住宅の顔とも言われ、住まいの第一印象を大きく左右します。
自宅に訪問する人が使うだけでなく、通行人の目にも触れるアプローチは、美観だけでなく歩きやすさなどの安全性も確保しなければなりません。
玄関アプローチのタイルを置くだけにすると、タイルの隙間で躓いたり、地面のでこぼこに足を取られたりして危険です。
そのため、外構工事業者に依頼して、湿式工法で隙間のないタイル床を施工してもらった方が安全で、高級感のある仕上がりになります。
道路に面する場所
車の走行による振動は、住宅に大きな影響を与えます。特に道路に面した外構は、振動や衝撃を直接受けるため、置くだけのタイルは外れやすくなります。
そのため、タイルがずれないように、プロに施工してもらうと良いでしょう。
タイルは汚れにも強いため、道路からのホコリや排気ガスによる煤(すす)が付いても染み込むことなく、ブラシでこすれば落としやすいという特徴を持っています。
道路に面した外構では、しっかり固定したタイルは最適な素材といえるでしょう。
使用頻度の高い場所
使用頻度が高い場所は、タイルの上を何回行き来しても破損しないように、外構工事で施工した方が安心です。
タイルを置くだけの場合、何度も上を歩いていると角がぶつかって欠けたり、タイルが割れてしまったりします。割れたタイルでケガをしたり、欠けた箇所の穴に躓いて転倒するなど、事故につながるおそれがあり、危険です。
玄関アプローチのほか、玄関ポーチ、デッキ、駐車場など、頻繁に使用する場所は、安全のためにプロの職人にタイルを施工してもらいましょう。
庭の外構でよくある質問
ここでは、庭の地面を外構工事する際によく寄せられる質問を紹介します。
新築の庭の地面をどのようにするか悩んでいる場合や、エクステリアの床面をタイル敷きにしたい場合はぜひチェックして疑問を解消しておいてください。
庭にタイルを置くだけだと台風が来たときに影響する?
庭に置くだけで設置したタイルは、台風や地震でずれてしまう可能性があり、注意が必要です。
特に台風や強風の日にはタイルがずれたり、風に煽られて飛んでしまう可能性があります。
近年は台風などの災害の危険性が年々増しています。タイルが近隣の車や建物を破損したり、人にぶつかって大けがにつながったりするおそれがあるため、外構工事業者に依頼してしっかりとしたタイル床を施工してもらうことも検討してください。
庭を土のままにするデメリットはなに?
庭を土のままにしておくデメリットは、手入れに手間がかかる点です。雨が降るとぬかるんで靴や車を汚してしまいます。反対に土が乾くと砂埃が発生して洗濯物を汚したり、近隣トラブルの原因になったりするおそれがあるでしょう。
また、土のままだと雑草が生えやすく、草取りに手間がかかってしまいます。雑草だらけの庭は不審者に防犯意識が低い家と認識され、狙われやすくなるため十分注意が必要です。
土のままの庭は快適さに欠け、美観を損ないやすいので、自宅に合った方法で舗装した方が過ごしやすいエクステリアを手に入れられるでしょう。
まとめ
庭にタイルを置くだけで設置した場合、費用を抑えられる、簡単にデザインを変更できるなどのメリットがあります。
一方で、タイルのおしゃれさが半減してしまう、安全性、耐久性に欠けるなどのデメリットがあります。
頻繁に使う場所は安全面からも経験豊富な外構工事業者に施工を依頼した方が安心なので、業者に相談しながら、自分で楽しめる範囲でDIYすると良いでしょう。
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