
気候が暖かくなると悩まされるのが庭の雑草です。放置していたらあっという間に成長して雑草だらけになってしまった、ということもあるのではないでしょうか。
雑草対策にはできるだけ予算をかけたくないという場合もあるでしょう。この記事では、低コストでできる雑草対策の方法や、DIYの手順を紹介します。
お金のかからない雑草対策

お金をかけずに雑草対策するにはどのようにすればよいのでしょうか。
ここでは、材料費をかけずに身近にあるものでできる雑草の除草方法を紹介するので、自宅に合ったものを取り入れてみましょう。
草刈り・草抜き
最も基本的な雑草対策が草刈り・草抜きです。雑草を手で引き抜いたり、鎌で刈り取るほか、範囲が広い場合は草刈り機を使って除草します。
ただ、雑草を除去しても、地中に根が残っていると再び芽を生やしてしまい、再度草取りをしなければなりません。
雑草の多くは地表から3cm程度下に根をよく張ります。そのため、草取りの際も3cm下から掻きとるように作業すると、草むしりの頻度も少なくできるでしょう。
塩・重曹を撒く
除草剤の代わりに塩や重曹を撒いて処理する方法もあります。やり方は、直接土に撒く方法と、水で溶かして散布する方法の2通りです。
直接撒く場合は、雑草の根元に撒いたあと、じょうろで水をかけて土に浸透させます。水に溶かす場合は、塩は海水と同等の3.4~5%の塩水、重曹は8%程度の濃度の重曹水をつくり、雑草に散布します。
安価で手に入りやすい材料で除草できますが、除草剤ほどの効果はないこと、外構設備にかかると腐食のおそれがある点はデメリットといえるでしょう。
熱湯やゆで汁をかける除草法
除草には、雑草に熱湯をかける方法も知られています。雑草に熱を加えて根や茎に大きなダメージを与え、雑草を枯れやすくさせます。熱湯をかけるときは100度のお湯を葉っぱだけでなく根元にかけることがポイントです。
湯は麺などの茹で汁をかけるケースもありますが、できるだけ水道水を沸かしたお湯をかけるようにしましょう。
また、お湯をかけると地中の微生物も死滅してしまう可能性があるので、ガーデニングや家庭菜園をやっている場合は注意が必要です。
ダンボールを活用する
段ボールをマルチ代わりに使用して雑草対策する方法も注目されています。
マルチとは、土壌表面を覆うことで雑草対策や保湿、地温調整に効果があるもので、フィルムマルチのほか、藁などが使用されるのが一般的です。このマルチにダンボールを使用するのがダンボールマルチです。
ダンボールは土に還る環境に優しい素材なので撤去の必要もない点が大きなメリットといえます。一方で虫が発生しやすい環境になる点には留意しておきましょう。
ダンボールマルチのやり方は、雑草を除去し平らにならした土壌の上にダンボールを敷き、石などで固定したあと、表面に水をかけて濡らし、バーク堆肥などのマルチング材を敷きます。ダンボールは半年~1年で土に還っていきます。
低コストの雑草対策アイデア

雑草対策の方法には低コストでできるものもあります。少ない予算でより効果的に雑草対策したい場合は、以下で紹介する方法のなかから予算や自宅の庭に合ったものを取り入れてください。
除草剤
除草剤は園芸店やホームセンターでも手に入りやすく、効果的に雑草を除去できるため、広く活用されています。除草剤には大きく液体タイプと粒剤タイプの2種類があるので、雑草の状況やお悩みに合わせて使い分けましょう。
液体タイプは今雑草が多く生えていて困っている、という場合に適しています。
一方で、粒剤タイプは雑草の発生を防ぎたい場合に向いている薬剤です。液体タイプは即効性が高く、粒剤タイプは効果が現れるまで1週間程度の時間がかかります。
防草シートを敷く
外構を雑草が生えにくい仕組みにするためには防草シートが手軽で効果的です。防草シートは、太陽光を遮断して雑草の光合成を防ぐことで発芽と成長を抑えます。さまざまなメーカーから多くの種類が発売されており、価格帯も幅広いので場所に合ったものを選ぶことがポイントです。
種類は大きく分けてポリエチレン素材の織布タイプとポリプロピレンやポリエステルの不織布タイプがあり、織布タイプは安価な反面耐用年数が短く、不織布タイプは高価ですが耐用年数が長い傾向があります。
施工の手間を考えれば不織布タイプがおすすめですが、長期間の防草効果が必要ない場合や水はけの良さを求めるなら織布タイプがよいでしょう。
砂利を敷く
外構の地面を砂利敷きにする方法も雑草対策に効果的です。砂利を撒くだけなので、費用も比較的安くDIYでも施工が可能です。
砂利は一般的なグレーの砕石のほか、黄色、緑色、ピンク、白、黒など、カラーバリエーションが豊富で、建物の色に合わせて選べます。
また、上を歩くとジャリジャリと音がするので、外構の防犯性を高めるのにも最適です。
注意点は砂利の間に落ち葉や砂が溜まるとそこに雑草が生えてしまうことです。こまめに掃除をする、砂利がすり減ってきた部分には追加するなどして手入れしましょう。
芝生・人工芝
芝生や人工芝を敷いて雑草対策する方法もあります。人工芝は地面に敷いて土壌を覆うので、完全に雑草が生えないようにするには人工芝がおすすめといえるでしょう。
しかし人工芝は夏場に表面が熱くなりやすい、劣化すると美観が悪くなるなどのデメリットがあります。夏も涼しく、自然な雰囲気を保ちたいなら天然芝がよいでしょう。
玄関アプローチなどレンガや石の目地として利用するなら芝のほかに、グラウンドカバーになる植物を植えると、グラウンドカバーの根っこが雑草を防いでくれます。
日当たりなどの生育条件も考慮して適した植物を植えれば、雑草がなくおしゃれでナチュラルな外構を演出できます。
ウッドチップ
ウッドチップを庭に敷き詰めると、砂利と同様に雑草の発生を抑制できます。
ウッドチップは天然の木でできているので、森林浴と同じリラックス効果が期待できます。さらに、消臭・抗菌効果があるため、においの発生を抑えられる点もメリットです。
しかしウッドチップを地面に直接撒いた場合、丈夫な雑草だと防草効果を得られない場合もあります。ウッドチップが古くなった場合も同様で、砕けて細かくなったウッドチップに雑草の種が定着し、雑草が発生してしまう場合があるため注意が必要です。
固まる土で舗装する
土の庭の景観を保ちつつ雑草の発生を防止するために活用されているのが固まる土です。
固まる土とは「防草土」「防草砂」とも呼ばれる特殊な土で、土を敷きならして水をまくだけで固まり、雑草が生えにくく透水性のある地面にできるアイテムです。
アスファルトやコンクリートは施工時の温度管理が必要なうえ、施工中に硬化が進むため、スピーディーに作業しなければなりません。
一方で固まる土は施工が簡単で入手もしやすいためDIYでも施工が可能で、自然な色合いが植栽とマッチしやすいのが大きなメリットといえるでしょう。
土間コンクリート
費用はかかりますが、エクステリアを土間コンクリートにすると、雑草の生えない床面を実現できます。
コンクリートは水はけがよく、地面がぬかるんだり湿気が発生する心配がありません。また、色が明るいグレーなので、住まい全体を明るくモダンな雰囲気にしてくれます。
土間コンクリートの施工費用は車1台分の広さで23~36万円ほどと、比較的高額です。しかし、メンテナンスの手間がかからないため、定期的な雑草の抜き取りが負担になっている方にはおすすめです。
タイルやレンガを敷く
タイルやレンガで地面を舗装する方法も雑草に悩まされないエクステリアを実現できます。
タイルは高級感があり、デザインのバリエーションが豊富にあるのが特徴です。費用相場は車一台分で約40万円と高額ですが、耐久性があるので長期的に見るとコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。
レンガは温かみがあり、欧州風のガーデンを実現できる点が特徴です。費用相場は車一台分で20万円前後です。衝撃で欠けやすいというデメリットがありますが、経年による風合いの変化を楽しめます。
雑草対策の後悔を防ぐポイント

雑草対策を重要視するあまり、エクステリアの見た目が悪くなったり使い勝手が悪くなってしまうことがあります。そのようなことを防ぐために、以下のポイントを押さえて雑草対策を行いましょう。
庭の用途に合わせて選ぶ
雑草対策をするときは、まず庭の使い方を考えてみましょう。
庭で子どもが遊ぶ場合は除草剤の使用はリスクが高いと考える方は多いです。また、家庭菜園やガーデニングをしたい場合、全てをコンクリートやタイルで舗装せず、花壇のような土のスペースを残したいと考えるはずです。
家族団らんの場所にしたいと考える場合はウッドデッキの設置、ペットの遊び場やドッグランにしたい場合はウッドチップや芝生の設置を検討することになります。
このように、庭をどのように活用するかで雑草対策は変わります。対策してしまってから使いにくさで後悔しないためにも、外構工事の計画の段階で家族の庭の使い方をシミュレーションしておきましょう。
デザイン性も考慮する
雑草対策で床面を変更する場合は敷地全体のデザインも考慮して素材を選ぶと失敗を防げます。床面は外構設備のなかでも大きな面積を占め、床材次第で雰囲気を左右する重要な部分です。
たとえば土間コンクリートは明るくモダンな印象があるため人気ですが、無機質な印象を与えてしまうことがあります。床面をコンクリートにしつつナチュラルな雰囲気も維持したいのなら、コンクリートに目地をつくり、目地に芝生を植えるのがおすすめです。
また、和モダンな住宅には黒や白の玉砂利やダークな色味のタイルを床材にすると高級感がある住まいを演出できます。
このように、床材を選ぶときは建物との統一感を意識することも大切です。
DIYでおすすめの雑草対策

雑草が生えにくい外構にするにはどのようにすればよいのでしょうか。
ここでは、DIYでできる雑草対策の方法を紹介します。ホームセンターで材料を揃えれば自分でも施工できるので、ぜひ参考にしてください。
ウッドチップ+防草シート
ウッドチップや砂利を撒くときは、直接撒くよりも防草シートと併用した方が防草効果が高まります。
DIYで設置する場合の手順は以下の通りです。
- 施工箇所の雑草と小石をすべて取り除く
- 防草シートを隙間なく敷き、ピンで固定する
- ウッドチップを撒き、5cmの厚みになるようにならす
- ウッドチップの上を歩いて踏み固める
- 全体に散水してなじませる
ウッドチップは一定の期間が経過すると小さくなったり少なくなったりするため、定期的に足しましょう。
砂利+防草シート
砂利をDIYで設置する方法はウッドチップとほぼ同じです。ただし、ウッドチップに比べて重量があるため、十分注意して作業しましょう。
- 施工箇所の雑草と小石をすべて取り除く
- 防草シートを隙間なく敷き、ピンで固定する
- 砂利を撒く
砂利の大きさと厚さは、人が歩く場所なら1.5~2cmくらいの大きさの石を3~5cm程度の厚みで敷く、車が出入りする駐車場なら3~5cm程度の石を10~12cmの厚みで敷くのが理想です。石は2~3層に重なるように撒きましょう。
まとめ

雑草対策にはさまざまな方法があります。庭の使い方によって最適な方法は異なるので、材料の値段や、土地と建物の条件に合った雑草対策を選択しましょう。
床面の施工などで対策する場合は、家族の庭の利用方法をシミュレーションしたうえで、どの素材が適しているか外構工事業者に現場を見てもらい、アドバイスをもらいながら決めると、後悔のないエクステリアに近づけるはずです。
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