
庭木を撤去してエクステリアの見通しを改善したい、解体工事を行うため植木を撤去したい、など植木を処分したい場合にはどのようにすればよいのでしょうか。
植木の処分は自分でやる方法と業者に任せる方法があり、状況に合わせて選択する必要があります。今回は、植木や土の処分方法、お得に処分するためのコツ、業者の選び方などについて解説します。
植木の処分方法

植木の処分には、業者に任せる方法から自分で処分・譲渡する方法まで、さまざまなやり方があります。費用や手間などに違いがあるので、自分に合った方法で処分しましょう。
自治体の燃えるゴミや粗大ゴミで処分する
植木は一般ごみとして出すことが可能です。ただ、鉢植えをそのまま出すことはできないため、自治体で定められたルールに従って処分しましょう。
例えば、小型の庭木とプランターは別々にして一般ごみとして処分できます。大きなものは枝を短く切り、ひもなどで縛って可燃ごみに出します。切断が難しい場合や、切断しても木材の太さや長さが可燃ごみのサイズを超える場合は粗大ゴミとして回収してもらうことも可能です。
注意点は土は回収できないことです。土は自然物となりゴミとして収集できないため、不用品回収業者に依頼するなどします。
なお、少量の土であれば回収できる自治体もあるので、不明な場合は自治体窓口に確認してみましょう。
自治体のゴミ処理センターに持ち込む
自分で自治体のゴミ処理施設に持ち込むことも可能です。ゴミを回収してもらう場合、回収日までゴミを保管しておかなければなりません。置いておく場所がない場合や早く処分したい場合は、自分で持ち込むとよいでしょう。
持ち込みのルールは自治体によって異なります。事前予約が必要な場合や持ち込み料金がかかるケース、「ゴミ袋何個まで」など量の上限を設けていることも多いので、事前に担当窓口に問い合わせておくとスムーズです。
また、持ち込みの際は自分で車で運ぶことになります。軽トラを借りる場合、レンタカーの料金が必要になることは理解しておきましょう。
植木リサイクル業者に依頼する
植木リサイクル業者や造園業者など、植木を買い取ってくれる業者に撤去を依頼する方法もあります。植木買取業者は庭木の掘り起こしからやってくれるので負担がありません。
価値のある植木は値がつくので、片付けと同時に臨時収入を得られるでしょう。買い取ってもらいたい場合は植木の査定が必要です。
大きな木は撤去や搬出に時間と手間がかかり、別途作業費を請求されるケースもあるため、事前に作業費や追加費用については確認しておくことをおすすめします。
なお、一般的なリサイクルショップやリユースショップでは植木の買取は行っていません。植木の買取を希望している場合は、植木リサイクルの専門業者を探すようにしてください。
家族、友人、知人に譲る
家族や友人、知人に欲しい人がいたら譲るのも一つの方法です。ある程度の大きさの庭木や観葉植物は高額なので、安いものを探している人も少なくないでしょう。植物が好きな人がいたら声をかけてみると引き取ってもらえるかもしれません。
人に譲るときは、誰がどのように運搬するか、運搬費はどのようにするかなどの条件をあらかじめ決めておくとトラブルを避けられます。「取りに来てくれるなら」など、相手に先に言っておくと話もスムーズに進むでしょう。
自分で販売する
フリマアプリやネットオークションなどで自分で販売するのも一つの方法です。いらなくなった植木を欲しい人に譲ることができ、さらに収益も得られます。
ネットで販売する際に忘れてはならないのが配送料です。大型の植物は配送料が高額になるため、事前に配送料を考慮した価格設定にすると失敗を防げます。
販売する場合、売れるまでは自分で保管しておかなければなりません。保管場所を確保できるか検討しておくことも大切です。
不用品回収業者に依頼をする
不用品回収業者に依頼すれば植木や庭木を手間なく処分できます。不用品回収業者に依頼するメリットは、大きくて運べない植物も業者が回収してくれること、植木以外にも家電など不要なものがあればまとめて回収してくれることです。
植木は土ごと、鉢ごと回収してもらえるので、分別の手間がありません。庭木の回収を不用品回収業者に依頼する場合は、事前に抜根作業をしてもらえるか確認しておきましょう。
植木の処分費用を安く抑える方法

植木の処分はできるだけ費用を抑えたいですよね。しかし、料金は植木の大きさや数、現場の状況によって異なるので、業者のホームページを見るだけでは実際の費用を比較しにくいのが現実です。
以下に費用を抑えるためのポイントをまとめたので取り入れてみましょう。
相見積もりをとる
複数の業者から相見積もりをとり、作業内容と費用を比較することで、納得のいく業者を見つけやすくなります。植木の撤去費用は植物の大きさや数、現場の状況によって変わります。
見積もりは現地調査で実際に現場を見てもらい、正確な見積もりを出してもらうことが大切です。
また、費用だけでなく作業内容やコミュニケーションのしやすさ、対応のきめ細やかさなど、総合的に判断して決めると失敗を防げます。
伐採・抜根からまとめて依頼する
庭木を撤去するときは、複数の植物をまとめて依頼した方が安く済みます。伐採のみをしてあとから抜根を依頼することになるのであれば、最初から抜根を依頼した方が費用を抑えられます。
解体工事の場合、建物の解体後に整地作業を行うため、地中にある根もあらかじめ取り除いておかなければなりません。
土地をそのまま利用する場合も切り株や根を残したままにしておくと、切り株から新芽が再生したり、地中の根が腐ったりしてシロアリの住処にされてしまうこともあります。
自分で細かく切る
大きな木でなければ自分で伐採して枝を細かく切ることで費用を大幅に削減できます。小さく切ることで自治体の可燃ゴミとして出せるようになるため、処分費用も無料または安く済むでしょう。
ただし、自分で伐採する場合は安全に十分配慮して行ってください。少しでも難しいと感じたら無理をせず、業者に任せると安心です。
自分で伐採する範囲と業者に依頼する範囲を決めておくと費用を調整しやすいので、業者に費用を相談しながら自分で伐採する木を決めるとよいでしょう。
植木を処分するときの注意事項

ここでは、植木を処分する際に注意しておきたい点を紹介します。作業を開始してからトラブルにならないように、事前に注意点を押さえておき、スムーズに撤去できるように準備しましょう。
自分で伐採作業は危険
上でもご紹介しましたが、植木を自分で伐採するときは安全に十分配慮しなければなりません。知識がないまま伐採作業を行うと思わぬ事故につながるおそれがあるため注意が必要です。
個人で伐採できる樹木は、以下の条件に当てはまる場合です。
- 平地に生えていて樹高3m以下の樹木
- 直径20cm前後までの幹が太すぎない木
- 周囲に十分なスペースがある
- 近くに電線や建物がない
庭木を伐採する際は、周囲に切り倒せるスペースがあることが重要です。また、安定した足場を確保できるよう、平坦な土地でなければ難しいでしょう。
植木の種類・大きさで難易度が変わる
植木の伐採は、植木の大きさと種類で難易度が大きく変わります。
高さ3m未満の木の伐採は比較的安全に作業できるため、個人でも作業が可能です。高さ5m以上の高木は難易度が高くなります。
重心が高く倒れる方向をコントロールするのが難しいため、電線や建物が近くにある場合は、枝を少しずつ切り落とす吊るし切りなどの特殊伐採が行われます。
樹木の種類としてはケヤキや栗などは幹が割けやすいため、十分注意が必要です。針葉樹はまっすぐ伸びやすいため倒れる方向をコントロールしやすいですが、樹高が高くなると難易度が高くなります。
特に難易度が高く危険なのが枯れ木や病気の木です。経験豊富なプロが伐採しないと思わぬタイミングで倒れるリスクがあります。
土はごみで出せない自治体もある
土をごみで出せない自治体は少なくありません。一般的なごみは廃棄物となりますが、土は自然物となり廃棄物として扱われません。そのため、自治体のゴミ収集に出せないのです。
しかし、土は自然物だからといって勝手に捨ててはいけません。もし勝手に公園や山、河原などに捨てた場合は不法投棄となり、罰則の対象となります。
不要な土は造園業者や不用品回収業者に回収してもらいましょう。自治体によっては少量であればごみとして出せる場合もあるので、事前に自治体に連絡し、ルールを確認しておくと安心です。
伐採後は即処理が必要
伐採後、抜根を行わないのであれば即日、根を枯らすための処理が必要です。樹木の伐採後に切り株を放置していると、根が腐って地盤沈下のリスクが高まったり、シロアリが発生したり、蜂の巣を作られてしまったりするおそれがあります。
このようなことが起こらないように、後処理をして根を枯らしましょう。根を枯らす方法は、伐採直後なるべく早く除草剤を注入する方法が代表的です。
除草剤は木が生きていないと効果が出にくいため、即日除草剤を使用する必要があります。
雨の日・冬季は作業を避ける
伐採作業は雨の日や雨天の多い時期はできるだけ避けた方がよいでしょう。雨の日は地面がぬかるみ、危険なため、作業は避けた方が安全です。
また、雨が続くと樹木は水分を吸い上げて重量を増しているため、作業が困難になります。
伐採は植物が休眠している冬が適していると言われていますが、降雪が多い時期の伐採作業は危険なので避けます。地面が凍結していたり、強風の日も避けた方がよいでしょう。
とくに自分で伐採しようと考えている場合は、悪天候の日は作業を中止し、穏やかな日に行うようにしてください。
植木の放置によるトラブル

放置された植木はさまざまなトラブルを引き起こします。以下に植木を放置すると起こりうるトラブルを挙げるので、手入れをするなどしてご近所へ迷惑がかからないように対策しておきましょう。
伸びた枝による近隣トラブル
植木を放置していると枝が伸びて隣家の敷地に越境してしまうことがあります。さらに伸びると枝葉が隣家の外壁や屋根に押し付けられ、風で揺れると擦れて傷がついてしまいます。
外壁や屋根に傷がつくと素材の劣化を早めてしまうため、越境する前に剪定しなければなりません。
落葉樹は適切に剪定していないと秋に大量の落ち葉が地面に落ち、風によって近隣住民の敷地を汚す可能性があります。
乾燥した落ち葉は燃えやすく火災の原因にもなるため放置できません。掃除の手間もかかるので、定期的に剪定をし、枝を間引くことが大切です。
倒木の危険
植木は手入れしていないと自然に枯れたり内部が腐ったりして枝が脆くなり、台風や地震で倒木する危険性が高まります。倒木は車や外壁を傷つけるリスクがあります。
大きな木が倒れた場合、通行人が下敷きになったり、住宅の建物や外構設備に損害を与える可能性もあるため、注意が必要です。
とくに幹の腐敗は外側からは分かりにくいため、専門家に病気や腐敗がないか、定期的に診断してもらいましょう。
害虫の発生
植木を放置すると、不衛生な環境になり、害虫の住処となる可能性があります。枝葉が過密になると日当たりと風通しが悪くなって湿気がこもってしまい、虫が好む環境になりかねません。
また、落ち葉を放置するとそこがカビや害虫の餌や住処となります。
害虫は自分の敷地だけでなく近隣にも被害を及ぼすので、定期的な剪定や清掃を行う、不要な植木鉢は処分するなどして、周囲を清潔に保つことが大切です。
植木処分を業者に依頼する際のポイント

植木処分を専門業者に依頼する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
ここでは、植木伐採・処分の優良業者の選び方や、植木処分の費用相場などについて解説します。
適切な業者の選び方
業者を選ぶ際は、実績と評判、明確な見積り、必要な許可の有無を確認しましょう。安さだけで選ぶと追加費用を請求されトラブルになるケースもあるので、総合的に判断することが重要です。
業者のウェブサイトや口コミをチェックし、過去の施工事例や顧客からの評判を確認します。また、地元での施工実績が豊富な業者だと安心です。
見積もりの際は、現地調査を実施し、撤去したい木や周辺環境などを把握したうえで見積もりを出す業者に依頼しましょう。現地調査を実施しなければ、当日になって難易度の高い作業の必要性が判明し、追加料金を請求される可能性があります。
そのほか、産業廃棄物収集運搬許可や、造園施工管理技士などの資格を保有しているか確認しておきましょう。
処分費用の相場
植木の処分費用は、伐採費用、抜根費用、処分費用で構成されます。撤去する木の大きさによって費用が変動するのが一般的です。
- 低木(~1.5m):3,000~5,000円
- 中木(2~3m):4,000~7,000円
- 中高木(3~5m):8,000~15,000円
- 高木(5m~):15,000円~
- 直径30cm未満:10,000~15,000円
- 直径30~60cm:20,000~30,000円
- 直径60cm以上:40,000円以上
- 伐採費用の30~50%
これらに作業スタッフの出張費や駐車場代などの諸経費がかかることがあります。
庭木伐採と抜根の違い
伐採と抜根の言葉の定義の違いは、根っこ部分を残すかどうかです。
伐採は根を残したまま、根元からのこぎりやチェーンソーを使って切り倒します。そのため、切り株が残るのが特徴です。主に街路樹や森林の樹木を切るときや、林業で丸太を生産するときに行われます。
抜根は木の根っこも含めて取り除きます。樹木の大きさによっては重機を使用することも少なくありません。
抜根は切り株が危険な場合や害虫の発生を防ぎたい場合、解体工事などで土地を次の用途に使用したい場合などに行います。
植木処分に関するよくある質問

ここでは植木処分に関するよくある質問と、その回答を紹介します。不要になった植木の処分に悩んでいる場合は、事前に疑問点を解消してから業者選びを開始すると安心です。
植木の土の処分はホームセンターでできる?
ホームセンターの一部の店舗では、土の引き取りサービスを実施しているところがあります。土の回収は「店舗で土を購入した場合のみ」など条件を設けている場合もあるので、事前に店舗に連絡して土の回収をしてもらえるか確認してみましょう。
土の回収は不用品回収業者や、一部の外構工事業者が行っている場合もあるので、地域で請け負ってくれる業者があるか調べてみることをおすすめします。
庭木の処分にお祓いは必要?
庭木の伐採の際、お祓いやお清めは必ずしも必要ありません。とくに気にならない場合はお祓いする必要はないでしょう。
しかし、少しでも気になる場合や愛着がある木を伐採する場合には、お祓いを行っておくと気持ちの整理がつくのではないでしょうか。
お祓いは近くの神社に依頼できます。そのほか檀家となっている寺などに依頼すれば木の供養をしてもらえます。簡単に行いたい場合は自分で酒と塩を用意し、木に手を合わせ、木の周りに塩と酒を撒いて清めることでお祓いとすることも可能です。
まとめ

植木の伐採は個人でもできますが、木が大きい場合や建物が近くにある場合、道具を持っていない場合は専門業者に依頼しましょう。
業者に依頼する場合は現地調査を依頼したうえで正確な見積もりを出してもらうことが大切です。また、複数の業者から相見積もりをとることで、ニーズに合った業者を見つけやすくなります。


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