解体工事で追加費用が発生する原因|トラブルを回避するポイントを解説

解体工事で追加費用が発生する原因

解体工事は作業が始まってから問題が発生し、追加費用を支払わなければならない場合があります。

この記事では、追加費用が発生するさまざまな原因を一つずつ解説します。追加費用に関するトラブルを避けるための対処法も紹介するので、解体工事を依頼する前にぜひチェックしてください。

目次

解体工事で追加費用が発生する主な原因

解体工事で追加費用が発生する原因は、建物に関するもの、地中埋設物に関するもの、近隣住民とのトラブルに関するものの、大きく3つに分けられます。

すべてどの住宅でも起こりうる問題なので、どのような費用が追加で発生しやすいのか、項目別に見ていきましょう。

建物に関する追加費用

まずは建物に関連する追加費用を紹介します。事前に施主が自分で荷物を整理したり、見積りの際に解体工事業者に伝えておいたりすれば追加費用の発生を防げるものもあるので、敷地内の状態と照らし合わせながら確認してください。

残置物

敷地内に残置物が残っていると、追加費用を請求されることがあります。

残置物とは、解体作業前に取り除かなければならない家具や家電、ゴミのことです。もちろん、解体業者は現地調査で残置物を確認したうえで見積りを出しています。

しかし、見積りの際には見つからなかった残置物があとから見つかった場合は、追加費用が発生してしまいます。

特に家電リサイクル法に基づいて処理しなければならない家電製品がある場合は注意が必要です。

養生

解体工事による騒音が原因で近隣住民からクレームを受けた際に、防音性能の高い養生シートに変更しなければならないケースがあります。その場合、新たに用意するシートの分が追加費用として請求されるのが一般的です。

また、強風や大雨により設置されたシートが破損してしまい交換する必要性が出た場合に、補充する分の養生シートを追加費用として請求される可能性があります。

養生シートの変更や補充はやむを得ないものですが、事前に周辺環境に合った養生シートを選んでおく、養生シートに破損がないか工事前に点検するなどといった、業者の対応次第で追加費用の発生を防げます。

アスベスト

解体する建物にアスベスト(石綿)の含有が判明した場合、除去費用が追加で発生します。

アスベストは、2006年に一部の猶予を除き完全に禁止されました。つまり、2006年より前に建てられた住宅にはアスベストを含んだ建材が使用されている可能性があります。

アスベストを含む建材を使用した建物を解体する場合、業者は都道府県と労働基準監督署に必要書類を提出し、近隣住民へ解体工事を告知しなければなりません。その後、養生シートで建物を覆い、飛散防止剤を撒いたうえでアスベスト除去作業を実施します。

見積りの段階ではアスベストの使用の有無は分かりにくいことが多いですが、建築時の設計図書で確認できる場合もあるので、見積りのときに用意しておくと安心です。

参考:アスベスト対策Q&A|国土交通省

屋根の重ね葺き

カバー工法で屋根の重ね葺きをしている場合は、屋根を二重に撤去しなければならないため、追加費用が発生します。

カバー工法とは、屋根の上に新しい屋根材を重ねるリフォーム方法です。既存の屋根を撤去する必要がないため、リフォーム費用を抑えられる点が大きなメリットです。

古い住宅ではカバー工法で屋根を修繕しているケースがあります。過去にカバー工法で屋根のリフォームをした場合は、見積りの際に業者に伝えておきましょう。

構造変更

解体作業が始まってから建物の構造が想定とは違っていることが判明した場合は、費用が変わると考えておいた方が良いでしょう。

たとえば木造住宅だと思っていた建物の一部が軽量鉄骨構造になっているケースなどは追加作業が発生します。

増築している家屋は、一部の構造が異なっていることが多く、あとで発覚すると追加費用を請求されます。図面などの資料がある場合は、見積りの際に解体業者に見せておくと安心です。

建物面積の測定ミス

稀に見積り時の建物面積の測定ミスを理由として追加費用を請求されるケースがあります。

ただ、現地調査をしたにもかかわらず「思っていたよりも建物が大きかった」と業者が主張したとしても、これは業者のミスなので施主が追加費用を支払う必要はありません。

一方で、現地調査を施主が拒んで面積に大きな相違があった場合は、施主側に責任が問われる可能性があるため、見積もりの際は面倒でも現地調査を実施してもらいましょう。

土地の埋設物に関する追加費用

敷地内の地中に埋まっているものの処理により、追加費用が発生することもあります。

埋設物は解体工事がある程度進んでから発見されることが少なくないため、あらかじめどのようなものが見つかりやすいのか知ってしておくと安心です。

建築廃材

地中からコンクリート片や瓦、木片などの建築廃材が出てきた場合は、追加費用の対象となります。これらの建築廃材は多くの場合、解体中の建物の前に建てられていた建築物の廃材です。

現在は建設リサイクル法が整備され、建設工事で発生する廃材は適切に処理しなければなりません。しかし昔は規制が厳しくなかったため、解体業者が廃材を正しく処分せず、違法に土地に埋めているケースがあります。

自分が埋めたものではないのに追加費用を支払わなければならないのは納得がいかないかもしれませんが、費用は発生してしまいます。

基礎部分や杭

今回解体する建物の前に建っていた家屋の基礎部分が地中に残っていることが稀にあります。解体する建物の基礎は解体費用に含まれていますが、それ以前の建物の基礎については追加費用の発生は避けられません。

また、解体する建物が中古物件だった場合、解体中に地中杭の存在が明らかになるケースがあります。土地を売却する場合は基本的に地中杭は抜いておかなければなりません。

地中杭は地中深くまで埋まっているため、撤去費用が高額になる可能性があります。

図面が存在すれば見積りに費用を加えられますが、図面がない場合はあらかじめ地中杭がある可能性も念頭に置いておきましょう。

浄化槽や井戸

見積りの時点で浄化槽の存在が分からなかった場合、解体費用が追加請求されるため注意が必要です。

かつて下水道が使えなかった地域では、古い浄化槽が残っている場合があります。不動産売却を予定している場合は使用していない浄化槽は全撤去するのが原則です。

浄化槽がある場合は敷地内に2~3枚のマンホールがまとまって設置されているので、ある場合は見積りの際に伝えておくと、追加費用を避けられるでしょう。

古井戸が土地に残っている場合も撤去するのが一般的です。現地調査で井戸の存在が分かれば見積もりしてもらえますが、地中に埋められていて存在が分からなかった場合は追加費用の対象となります。

岩石

解体工事の作業中に地中から岩石が出てくることがあり、撤去する場合は追加費用が発生します。

地中の岩石はほとんどが元々その土地にあったものです。最近の住宅では基礎工事の際に深めに掘ることが多いため、解体工事後の建築工事に影響を与えないように、大きい物は撤去します。

岩石の一部が地表に見えていても、地中に埋まった石は大きさの特定が難しく、見積りが正確に出せない場合があります。庭石が土に埋まっている場合は追加費用の発生を想定しておきましょう。

近隣とのトラブルに関する追加費用

近隣住民とのトラブルにより、追加費用が発生する場合もあります。解体作業中の騒音、振動、粉塵が近所の人に大きなストレスを与えてしまい、クレームが発生して対策を求められることがあるので注意が必要です。

以下によくあるケースを紹介するので、あらかじめ対策を練っておきましょう。

工事の一時中断による延期

近隣とのトラブルにより工事が中断し、工期が延長した場合は追加費用が発生する可能性があります。

しかし多くの場合は、施主と業者が相手に謝罪することで収束することがほとんどです。また、環境大臣の定める基準である騒音レベル85dB以下、振動レベル75dB以下で作業している場合は工事を中断する必要はありません。

しかし、業者が基準値を超えるレベルの騒音、振動を出して作業している場合は行政からの勧告により工事を中断しなければならない場合もあります。

この場合は人件費や重機の手配などに費用がかかるため追加費用を請求される可能性がありますが、業者の過失の場合は負担する必要はないので、状況をよく確認することが大切です。

工事用車両の駐車スペース確保

工事車両の駐車スペースを確保できない場合も追加費用が発生することがあります。

工事中は通行の妨げにならないように敷地内に車両を停めて作業を行うのが基本です。しかし作業を進めるにあたって道路の使用がやむを得ない場合は、警察署に道路使用許可申請を提出して路上に駐車します。

十分なスペースをあけて駐車していても、路上駐車は近隣住民からクレームを受ける場合もあるでしょう。このような場合は近くのコインパーキングなどに停めることになり、その分の駐車料金はあとから請求されます。

損害賠償による費用

解体工事により隣家に被害を及ぼしたときは損害賠償責任が問われ、施主が損害賠償金を支払わなければならない場合もあるので注意しましょう。

解体工事による隣家への被害の責任は、解体業者にあります。民法716条では、原則として施主は解体業者が第三者に加えた損害を賠償する必要はないとしています。

ただし、施主が無理な注文をした、トラブルになると分かっていながら業者にその事実を伝えなかった、など、明らかな過失が認められる場合は責任を問われ、施主が賠償責任を負う必要があります。

追加請求があった場合の対処法

見積りで解体費用が確定したと思っていたのに、追加費用が発生して予算オーバーになってしまった、という事態はできるだけ避けたいですよね。

解体工事では追加費用の発生はある程度想定しておかなければなりませんが、支払う必要のないものもあります。支払いの必要性については以下を参考にしてください。

支払いが必要なケース

解体業者にも予測困難な問題が発生した場合は、追加費用の支払いが必要です。

たとえば作業中に地中埋設物が見つかった、床下から井戸が出てきた、という場合は見積りの際に業者は予測できないので、撤去作業にかかる追加費用を支払わなければなりません。

また、クレーム対応のために養生シートを追加する、駐車スペースを新たに確保するなどといった諸費用も施主が追加で支払うことになります。

支払わなくてよいケース

一方、業者側のミスで追加工事が発生した場合は、追加費用を支払う必要はありません。

たとえば見積りミスなど、業者側に過失がある場合は、業者が責任を持ってその分の工事を行わなければなりません。

依頼主が追加費用を支払わないからといって、工事を行わない場合は契約不履行となり、解体業者が処分を受けることになります。

「追加費用が発生した」と言われても安易に支払わず、状況を把握し責任の所在を明らかにしたうえで判断しましょう。

追加費用によるトラブルの防止対策

追加費用によるトラブルを未然に防ぐにはどのようにすればよいのでしょうか。追加費用は、工事前に少し気をつけておくだけでも防げます。

業者選びの際は以下で紹介するポイントを押さえて、工事が始まってから追加作業が発生することのないようにしましょう。

工事前の現地調査を徹底する

解体工事の見積りを依頼する時は現地調査をしてもらいましょう。解体業者は基本的に現地調査をしたうえで見積りを提示します。しかし、なかには現地調査を行わないまま見積書を作成する業者もいます。

現地調査に立ち会うのが面倒だからと、メールのやりとりだけで見積りを依頼したいかもしれません。しかし実際に現場を見ずに見積りを提示すると、工事を開始してから残置物や地中埋設物の存在に気づき、追加費用が発生してしまいます。

依頼を検討している業者には実際に現場を見てもらったうえで、見積りを出してもらいましょう。

追加費用の発生条件を事前確認する

事前にどのような場合に追加費用が発生するのか、業者に確認しておくと安心です。

たとえば契約書や見積書に地中埋設物が見つかったときの追加費用についての記載があり、業者からも説明を受けていれば、実際に地中埋設物が見つかった場合にも慌てずに対応できるでしょう。

解体工事は作業が始まってから追加作業が発生することは珍しくありません。その場合に追加費用について合意しておけば、業者とのトラブルも避けられます。

「〇〇一式」という記載に注意する

見積書に「〇〇一式」と記載する業者とは契約しないようにしましょう。

「一式」ではその作業にかかる金額の詳細を確認できません。あとから必要以上の追加費用を請求されたときに、詳細が分からないままお金を支払ってしまうおそれもあるので、注意が必要です。

見積書をチェックして、「一式」ではなく、きちんと作業の内容、資材等の金額を詳細に明記している業者と契約することが大切です。

口約束はせず書面で契約する

解体業者と確認、約束したことは、きちんと書面で残すと行き違いを防げます。

口約束はあとになって「言った、言わない」のトラブルに発展してしまいます。口頭での約束はお互いが都合の良いように解釈してしまい、認識にずれが生じてしまうこともあるでしょう。

約束したことはすべて契約書に盛り込んでもらい、工事中の質問や業者への連絡はできるだけメールなどの文章に残るもので行うことが大切です。

必要な場合は写真を撮影して画像をメールで送るなど、できるだけ記録が残るようにしましょう。

不明点はすぐに確認する

業者との打ち合わせのなかで不明点が出たら、すぐに確認しましょう。

疑問を解消できないまま契約してしまうと、あとで問題が起こったときに業者の言い分どおりに必要のない追加費用を支払ってしまった、という事態につながりかねません。

解体業者への質問は、業者を選定するうえでも役立ちます。質問に対して丁寧に明確に回答してくれる解体業者を選ぶようにすると、工事の失敗を防げます。

近隣への事前挨拶を行う

解体工事のトラブルを防ぐために、工事前にはご近所への挨拶を欠かさないようにしましょう。

解体作業中は騒音や振動、粉塵をゼロにすることはできません。事前に工事期間を知らせ、ご迷惑をかけることを伝えておけば近隣住民にとっても安心でしょう。

両隣、裏、道路向かいのお宅には最低限挨拶回りが必要ですが、できれば両隣、裏3軒、向かい3軒に挨拶しておくと安心です。そのほか、車両が頻繁に通行するなど、気になるお宅には挨拶しておきましょう。

挨拶回りは業者も行ってくれますが、施主本人も挨拶しておくことが工事を順調に進めるうえでも大切です。

悪徳業者に注意する

解体工事業者には残念ながら悪徳業者も存在します。悪徳業者は不当に高額な工事費用を請求したり、手抜き工事をしたり、産業廃棄物を正しく処理しなかったりするので、十分気をつけなければなりません。

また、見積りで格安な金額を提示し、あとから相場よりも高額な追加費用を請求する場合もあります。

悪徳業者は契約を急がせる傾向があります。「本日に限り割引」などと謳ってすぐに契約させようとする業者には十分注意が必要です。

その場で契約せず、相見積りをとり、他の業者とじっくり比較検討することで悪徳業者との契約を防げます。

まとめ

解体工事で追加費用が発生するケースは珍しくありません。追加費用で慌てないためにも、どのようなことで追加費用が発生しやすいのかを知っておき、契約前に追加費用について確認することが大切です。

また、現地調査の際には設計図など、業者が見積りしやすいように資料を揃えておくと、正確な見積りに役立つはずです。

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