住宅ローンで解体費用は払える?組み込み条件と注意点を徹底解説!

住宅ローンで解体費用は払える?組み込み条件と注意点を徹底解説!

老朽化した家屋を解体したい、相続で引き継いだ実家を建て替えたいなど、住宅の解体を検討した場合に負担になるのが工事費用です。

建築工事では住宅ローンが利用できますが、解体工事費用も住宅ローンに組み込めるのでしょうか。

この記事では、解体工事の住宅ローン利用について条件や注意点を紹介します。

目次

住宅ローンで解体費用は払える?

まずは解体工事費用の住宅ローン利用について解説します。条件によって利用できるかどうかが変わるので、条件に当てはまっているか、支払いタイミングは問題ないか、確認しておきましょう。

「解体のみ」は住宅ローン対象外が原則

予定している工事が解体工事のみの場合、原則として住宅ローンは利用できません。

解体後の土地に住まいを建築する予定がなく、更地を売却する場合や単純に建物のみを取り壊したい場合などは対象外となり、ほかのローンを検討することになります。

解体工事の支払いは多くの業者が現金一括としているため、クレジットカードや分割払いでは支払えません。そのため解体工事単体の場合は、空き家解体ローンやフリーローン、プロパーローンなどを検討することになります。

解体費用を住宅ローンに入れられるケース

解体工事で住宅ローンを利用できるのは、「建て替えに伴う解体工事」である場合です。

古い家を取り壊し、その土地に新しい家を建てる場合は、解体工事費用は新築工事費用の一部とみなされるため、住宅ローンに含めて融資を受けられるケースが多いのです。

解体工事と建築工事を同じ業者が一括で行う場合は問題ありません。それぞれ別の業者に発注する「分離発注」にする場合は、解体費用を住宅ローンに組み込めるかについて、早めに業者や金融機関に相談しておくことをおすすめします。

金融機関によっては審査基準や融資の流れが異なる

住宅ローンの審査基準や融資の流れは金融機関によって異なるため、一つの金融機関で審査が通らなかった場合でも、ほかの金融機関で通ることも十分あり得ます。

審査の流れは一般的に、申し込み後に仮審査が行われ、その後本審査→住宅ローン契約→融資実行(借入)という流れになります。

審査は年齢や健康状態、年収などを重視しているとされており、重視するポイントや審査の厳しさも金融機関によって異なります。

解体費用の支払い時期と融資実行のタイミング

建て替え工事の場合、代金は住宅が完成するまでに3~4回に分けて支払います。多くは契約時、着工時、上棟時、竣工時のタイミングです。

解体工事を新築工事と別の業者に依頼した場合は、解体工事の着工前と工事完了後に支払う必要があります。一方、融資実行のタイミングは住宅の完成後です。この場合、解体工事費用や新築工事費用を一時的に自己資金で用意したり、つなぎ融資を利用したりする必要があります。

支払いタイミングについては、業者と金融機関に確認したうえで資金計画を立てることが、スムーズな建て替え工事のポイントです。

解体費用を組み込むために必要な書類

解体費用を住宅ローンに組み込むためには、解体工事業者が作成した「見積書」「請負契約書」が必要です。書類には費用、工事内容、工期が記載されている必要があります。

そのほか、住宅ローンの本審査で必要な書類は、本人確認書類、収入に関する書類、物件に関する書類の3つです。

本人確認書類

運転免許証、マイナンバーカードなど

収入に関する書類

確定申告をしていない給与所得者
・源泉徴収票
・所得証明書または住民税決定通知書

確定申告をしている場合は以下の書類も必要
・確定申告書
・納税証明書

物件に関する書類

・不動産売買契約書
・工事請負契約書
・重要事項説明書
・見積書
・不動産登記簿謄本

物件に関する書類は物件の種類や契約形態によって異なります。

参考:三井住友銀行

家の解体費用で利用できるローンの種類

では、住宅の解体工事で利用できるローンにはどのようなものがあるのでしょうか。以下に代表的なローンの種類と特徴などの基礎知識を整理しているので、資金計画を立てる際の参考にしましょう。

住宅ローン

住宅ローンとは家(新築・中古)や土地の購入、リフォーム費用などに利用できるローンです。長期にわたって返済し、ほかのローンよりも低金利で高額を借り入れできるのが特徴です。

住宅を担保に入れるため、返済不能になると家が競売にかけられるリスクがあります。住宅ローンには銀行などが提供する民間融資、金融機関と公的機関が提携したフラット35、公的融資の財形住宅融資の主に3種類があります。

上でも紹介したように、解体工事のみの場合は住宅ローンは利用できません。建て替えの場合に、解体費用と建築費用を一緒に借り入れできます。

空き家解体ローン

空き家解体ローンはその名の通り、空き家の解体工事費用に利用できるローンです。担保と保証人が不要で、比較的審査が通りやすく低金利、といった特徴があります。

地域活性化を目的として、地方銀行や信用金庫を中心に提供していることが多いですが、内容や条件は金融機関によって異なり、多くの場合、融資の上限が決まっています。

また、自治体の補助金と併用できる商品もあるため、事前に金融機関への確認が必要です。

プロパーローン(無担保ローン)

プロパーローンは、保証会社の保証を介さずに金融機関と契約するローンです。担保不要で旅行や引っ越し、教育費、結婚費用など多目的に利用でき、解体工事単独でも利用できます。

住宅ローンなどは万が一利用者が支払い困難になった場合、保証会社が代わりに金融機関に返済を行います。プロパーローンでは金融機関が調達した資金を金融機関がリスクを取って貸し出すことから、審査が厳しいのが特徴です。

申請から融資まで時間がかかることが多く、2週間から1か月以上待つケースもあります。

フリーローン(多目的ローン)

フリーローンは、幅広い用途に利用できるローンで、解体工事単体の費用にも対応できます。基本的に資金の使い道が自由で、使途を証明する書類の提出が原則として不要です。

手続きも簡単で、カードローンやキャッシングよりも金利が低いケースが多く、安心して借り入れできる点がメリットです。

有担保型と無担保型があり、有担保型は審査結果に応じて多額の融資を受けられることもあります。基本的に利用目的の自由度は高いですが、事業性資金や投機性資金には利用できません。

ローンを利用する際のポイント

では、ローンを利用する際にはどのような点に気をつければよいのでしょうか。ここでは、借り入れを検討している場合に押さえておきたいポイントを紹介します。

スムーズに解体工事を進めるためにもしっかりチェックしておきましょう。

審査や融資に時間がかかる

ローンは審査に時間がかかることがあり、融資実行までに一定期間を要することがあります。

住宅ローンの場合、申し込みから融資実行まで、1~2か月程度かかります。内訳としては事前審査に1日~1週間、本審査に1~2週間要するのが一般的です。

ただし、申し込みの内容や、物件の情報などによっては審査に時間がかかる場合があります。書類に不備があると審査期間が延び、融資実行日も遅れて工事のスケジュールに影響を及ぼす可能性があるため、早めの申請が必要です。

見積書を準備する必要がある

解体工事費用のローンを申し込む際には、見積書の提出が必要です。見積書は解体工事の費用が適正か、どれくらいの金額を融資するかを金融機関が判断するための根拠となります。

見積書は見積金額だけでなく、工事内容、工期、諸経費などが詳細に記載されている必要があります。

解体業者から見積もりを取る際は、複数業者から相見積もりを取りましょう。複数業者の見積もりを比較することで、費用を適正に把握できます。

利用要件を事前に確認する

ローンを利用して解体工事を行う場合は、金融機関の商品ごとの利用要件を事前に確認しておく必要があります。

「住宅ローン」「プロパーローン」など同じような名前がついていても、金融機関によって条件や審査基準は異なります。ローンによっては融資金額に上限を設けていることも少なくないため、申し込みの段階で慌てないように早めに内容を理解しておくことが大切です。

ローンの詳細や条件については金融機関のウェブサイトに詳しく記載されています。ウェブサイトに目を通した上で、金融機関に問い合わせて条件の確認や疑問の解消をしておくようにしましょう。

支払い時期と融資実行タイミングを把握する

解体工事費用の支払いタイミングと融資実行日のスケジュールは明確に把握しておく必要があります。

原則として解体工事費用の支払いタイミングは、解体工事着工時または完了時です。一方、融資実行日は引き渡し後が一般的です。融資実行前に施工会社に支払う費用などが必要な場合は、一時的に自己資金を使用するかつなぎ融資を活用するケースもあることは知っておきましょう。

解体工事の支払いとローン実行はタイミングが異なるため、いつ支払い、いつ入金されるのかを理解し、余裕を持った資金計画を立てることが不可欠です。

解体費用の相場はいくら?内訳と坪単価の目安

ここでは、解体工事の費用相場を紹介します。解体工事にはどのような費用が含まれるかについてや、追加費用が発生しやすい内容についても説明しているので、工事と資金計画の準備に役立ててください。

木造・鉄骨・RCで異なる

解体工事費用は住宅の構造によって変わります。

坪単価の費用目安は、以下の通りです。

  • 木造:約3~5万円
  • 鉄骨造:約4~6万円
  • RC造:約6~8万円

30坪の一軒家の場合、以下が目安となります。

  • 木造:約90~150万円
  • 鉄骨造:約120~180万円
  • RC造:約180~240万円

解体の難易度が高くなると費用単価も高くなります。RC造のような頑丈な構造は、重機で解体する必要があり、工期も長くなる傾向があるため、解体費用が高額になるのが一般的です。

解体費用に含まれる項目

解体工事費は解体作業にかかる費用のほかにもさまざまな項目で成り立っています。見積書が発行されたら、費用の明細に必要な項目と金額が記載されているか確認しましょう。

解体工事費用の内訳は以下の通りです。

  • 養生費(仮設工事費):足場と養生シートの設置費用
  • 解体工事費:解体作業に関する人件費などのコスト
  • 廃棄物処分費:解体現場で発生した産業廃棄物を処分する費用
  • 付帯工事費:外構や残置物の撤去費用。作業量が多いと高額になる可能性
  • 整地工事費:解体後の土地を平らに整える作業
  • 重機回送費:重機を現場に運ぶ費用
  • 諸経費:工事車両の駐車料金、自治体への申請費用など

追加費用が出やすい項目

解体作業が始まってから追加工事が発生すると、追加費用により予定していた支出を超えてしまうことがあります。

追加工事が発生しやすいのは以下のようなケースです。

  • 残置物の処理
  • 地中埋設物撤去作業
  • アスベスト除去費用
  • 養生シートの追加

残置物が大量に家の中に残されていると処分費用が高額になります。そのため、解体工事当日までに家の中を空にしておかなければなりません。

まだ使えるものは買取サービスに査定してもらうなど、業者を活用して不要品を処分しましょう。

特にローンを利用して解体工事をする場合、ローン申請時には想定していない費用の発生を防ぐためにも、正しい見積もりを出してもらうことが重要です。

現地調査を依頼し、図面などの書類を業者に共有して対策しましょう。

住宅ローンが残っている家を解体する注意点

住宅ローンの支払いが残っている住宅を解体する場合はどのような点に注意すればよいのでしょうか。

以下でお伝えするポイントをしっかり押さえてトラブルを未然に防ぎましょう。

抵当権付き建物の無断解体はNG

抵当権付きの建物を無断で解体することはできません。抵当権とは住宅ローンなどを返済できなくなった場合に備えて、不動産を担保として設定される権利です。

金融機関(債権者)は、ローンの返済が滞った場合にその不動産を競売により売却し、ローンの残債を回収します。

抵当権の付いた建物を解体すると、金融機関は担保となっている建物を失うことになりますので、損害賠償請求に発展するおそれがあります。

解体前に金融機関へ確認すべきこと

なんらかの理由により抵当権付きの建物を解体しなければならない場合は、抵当権者(金融機関)の同意が必要です。

抵当権付きの建物の解体の同意には、ローンの完済が前提です。ローンを一括で完済できない場合は、抵当権を解体を希望している建物から外し、ほかの資産に変更してもらうか、無担保での借り入れを交渉するなどの対応をします。

交渉に合意を得て同意書を発行してもらったら、法務局で抵当権抹消登記申請の手続きをした上で、解体工事を行います。

解体費用とローンに関するよくある質問

ここでは解体工事のローン利用に関してよくある質問とその回答を紹介します。

ローンの条件から利用できる補助金まで取り上げているので、解体工事のお金にまつわる不安を解消しておきましょう。

分離発注でも住宅ローンに入れられる?

解体工事と建築工事を分離発注した場合でも、解体費用を住宅ローンに入れられることがあります。

重要なのは「新築を前提とした解体」であることです。そのため、住宅ローンを申請する際に、解体工事の見積書と請負契約書が必要です。

書類の準備に当たっては業者のサポートも不可欠なので、建築会社や金融機関と連携を取りやすい解体工事業者を選ぶことがポイントとなります。

また、同時に金融機関への早めの相談も必要です。分離発注でも借り入れが可能かどうか確認しておき、融資のタイミングやつなぎ融資など、支払いプランを余裕を持って計画しましょう。

抵当権が付いた家を解体したらどうなる?

抵当権が付いた家を勝手に解体すると、金融機関の信頼関係が崩壊するだけでなく損害賠償請求や競売のリスクが高まります。

主に生じやすいのは以下のようなリスクです。

  • 契約違反により信用を失い、その後の融資や取引を制限される可能性
  • 担保価値の減少により別の資産や保証人を追加で求められるなど、返済条件の変更を求められる
  • 損害賠償請求、訴訟リスクの発生
  • 残りの債務の一括返済を求められ、競売に進む可能性

解体で使える自治体からの補助金ってあるの?

解体工事で使える補助金は主に空き家を対象として、危険性回避や地域の活性化を目的として解体費用を支援する目的で行われています。

補助金の概要は自治体により異なりますが、主に以下のようなものがあります。

老朽危険家屋解体撤去補助金

老朽化により倒壊の恐れのある空き家の解体を支援するもの
自治体の現地調査により解体が必要と判断された空き家が対象

都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金

地域の景観を守る目的で交付される補助金制度
空き家解体後に景観形成基準を満たす土地利用をすることが条件

空き家解体撤去助成金

老朽化や景観形成に当てはまらない、一般的な空き家の解体・撤去で支給される補助金
条件や上限金額は自治体によって異なる

まとめ

解体工事費用は条件が合えば住宅ローンに含めることができます。分離発注でも可能な場合があるので、早めに業者と金融機関に相談して準備を進めましょう。

金融機関によって審査内容や条件などが異なるため、一つの金融機関にこだわらずに他社や、住宅ローン以外の融資も検討しながら進めていくとスムーズです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次