トタン小屋の解体費用は?DIYできる?相場・内訳・節約術を徹底解説!

トタン小屋の解体費用

トタンは銅板に亜鉛のメッキをした板で、安価で扱いやすく小規模の建物の材料としても広く活用されています。

では、トタン小屋を撤去したい場合、解体費用はどれくらいかかるのでしょうか。また、自分で取り壊すことは可能なのでしょうか。

この記事では、トタン小屋の解体費用の相場やかかる費用、解体費用を抑えるポイントを解説します。

目次

トタン小屋の解体費用相場と内訳

トタン小屋の解体費用は坪単価に坪数を掛けて計算します。

ここでは、解体費用の相場と、費用の内訳を紹介するので、解体予定の建物の条件と照らし合わせておおよその費用を把握しましょう。

解体費用の坪単価の目安

トタン小屋の解体費用は、坪単価約1~3万円が目安です。つまり、3坪の小屋の場合は3~9万円が相場となります。

ただし、小屋の構造やアスベストの有無、使用する重機によって費用は前後します。

小規模な小屋の場合は1~2名の作業員により手壊し解体ができますが、ある程度の規模の小屋で重機が搬入できないほどの狭小地の場合、運搬の手間や必要な人員が増え、費用が高くなる点は理解しておきましょう。

重機費用

トタン小屋の解体費用には重機を使用するための費用も含まれています。

重機は建物の部材を引きはがして破砕したり、トラックに積込んだりする作業を大幅に効率化できるため、解体工事では欠かせません。

工事をするために重機を現場に運ぶ際に重機回送費と呼ばれる運搬費がかかります。基本的に工事期間中は重機を現場に置いておきますが、狭小地や傾斜地など、重機を置けない場所は都度重機を搬入する必要があり、その分重機回送費がかかるため注意が必要です。

残置物撤去・廃材運搬・リサイクル費用

解体工事では取り壊し作業で発生した廃材の処分費用がかかることを忘れてはいけません。廃材は産業廃棄物に分類され、処分の責任は解体業者にあります。

トタンは金属くずに分類され、多くの場合リサイクルされ、再び資源として活用されます。金属くずの処理費用は処分業者によって異なりますが、一般的に1kgあたり約1~40円が相場です。

このほか、小屋に使用されていた他の産業廃棄物、残置物の撤去費用、運搬費用がかかります。

アスベスト除去費用

解体する小屋にアスベストが含有している場合、アスベストの除去費用が解体工事費に追加されます。

アスベストが使用されている建築物を解体するときは、着工前に事前調査を実施して必要書類を都道府県と労働基準監督署に提出し、近隣住民へ告知しなければなりません。そのうえで養生を行い、飛散防止剤を撒いて解体作業を行います。

アスベストが外部に飛散しないように、また土地に残存しないようにルールに従って除去する必要があるため、解体費用は300㎡以下の場合、1㎡あたり2~8.5万円と高額です。

養生・足場などの解体以外にかかる費用

解体の際は周辺環境への配慮と安全性確保のために現場を養生シートで囲わなければならず、養生シートと仮設足場の設置費用がかかります。

足場は一般住宅であればくさび式足場を採用しますが、スペースが狭い場合は単管足場を使用するケースもあります。足場の種類や業者によって異なりますが、設置費用は1㎡あたり約700~1,000円が相場です。

養生シートについても種類や業者によって異なるものの、費用相場は1㎡あたり約1,500~2,000円が目安と考えておけばよいでしょう。

トタン小屋の種類別費用相場

トタン小屋と一口にいっても、その構造や大きさによって解体費用は異なります。

ここでは、トタン建築物の種類別の費用相場を紹介するので、解体を予定している種類のトタン小屋の費用相場をチェックしてください。

トタン住宅の費用目安

トタン住宅の解体費用は1坪あたり約3万円~が目安です。

トタン住宅は工場でつくられたトタン板を現場で施工するので組立が簡単なうえ、耐震性にも優れており、特に高度経済成長期には広く採用されました。

トタン住宅の構造は大半が木造のため、鉄骨造やRC造よりも安く解体できます。スレートよりも屋根が軽く、重機が必要な部分も少ないので、解体作業に時間もあまりかかりません。

ただし、残置物やアスベスト、建物の大きさによって費用が大きく変わる場合があるので、事前に見積もりをとることが大切です。

トタン車庫の費用目安

トタン車庫の解体費用は1坪あたり約1万円~が相場です。

骨組みにトタンを設置して造られたシンプルな構造のため、解体も比較的簡単です。骨組みは木材または単管パイプですが、単管パイプは買取が可能なので、処分費用が安くなる傾向があります。

トタン車庫はシンプルな構造である一方で、腐食すると脆くなりやすく、雨漏りしたり積雪により倒壊してしまう可能性があります。劣化を防ぐために定期的に塗り替えをしたり、建て替えたりしなければならない点は手間といえるでしょう。

トタン倉庫・物置の費用目安

トタン倉庫、物置の解体費用の目安は1坪あたり2万円~と、比較的割安です。

ただし、物置は敷地の奥に設置されていることも多く、資材の運び出しが困難な場合やトラックまで距離がある場合は別途追加費用がかかるケースもあります。

同じ物置でも解体業者によって作業員1名で解体する場合と2~3名で解体する場合があります。解体を検討している場合は施工エリア内の複数業者から相見積もりを取るとよいでしょう。

トタン小屋の解体費用を抑えるポイント

トタン小屋の解体は、簡単な工夫で費用を抑えられます。

ここでは代表的なポイントを紹介するので、費用の負担額を少しでも抑えたい場合は、できるものを取り入れてみましょう。

自分で解体を試みる

小規模のトタン小屋であれば、自分で解体すれば費用を抑えられるでしょう。

しかし、解体に使用する工具を買い揃えたり、廃材の処理費用、廃材を運ぶためのトラックのレンタル料などがかさむと、業者に依頼した方がコストパフォーマンスが高いケースもあります。

解体作業は危険が伴ううえ、DIYでは時間がかかります。総合的に見てどちらがコストを抑えられるか、よく考えて決めましょう。

不用品を事前に処分する

トタン小屋の中や周辺に残されている不用品を自分で処分しておくと解体費用を抑えられます。

残置物は解体工事の追加費用になります。エアコンやテレビなどの家電などが残されていると、家電リサイクル法に基づいて処分しなければならず、処理費用が余計にかかるため、注意が必要です。

まだ使えそうな家具や家電はリサイクルショップに買取してもらうと、買取費用が解体費用の足しになるかもしれません。もし、買取価格が低かったとしても、処理費用を節約できるという面ではメリットが大きいといえるでしょう。

参考:家電4品目の「正しい処分」早わかり|経済産業省

補助金や助成金を利用する

補助金・助成金を活用するのもひとつの方法です。解体工事に関する補助金の代表的なものに「老朽危険家屋解体撤去補助金」と「建て替え建設費補助金」の二つがあります。

老朽危険家屋解体撤去補助金は、老朽化し危険な状態になった空き家などの住宅の解体費用の一部をサポートする補助金です。

建て替え建設費補助金は住宅の建て替え工事費用の一部を補助する制度です。住宅だけでなく、住宅に付帯する小屋の建て替え費用も補助できる場合があります。

補助金・助成金は市町村によって制度が異なります。希望する場合は早めに自治体の窓口に相談しておくと安心です。

複数業者から見積もりをとる

解体費用を抑えるためには複数業者から相見積もりをとることも大切です。相見積もりをとると費用の相場が分かるだけでなく、解体業者を比較・検討しやすくなります。

相見積もりは3社程度からとるのがおすすめです。検討の際は値引き額などの費用面だけで決めるのではなく、提案内容、アフターサービス、追加費用の有無などを総合的に見て決めるようにしましょう。

また、営業担当者と円滑にコミュニケーションがとれるか、質問に対し丁寧に説明してくれるかも重要な要素です。問い合わせや現地調査のときに気になることは遠慮なく質問して、対応方法をチェックしましょう。

トタン小屋の解体を自分でするときの注意点

トタン小屋をDIYで解体する場合はどのような点に注意すればよいのでしょうか。

以下に注意点を紹介しているので、解体作業を開始してから慌てないように、事前にしっかり準備しておきましょう。

知識や道具があれば解体は可能

トタン小屋は構造がシンプルで比較的軽量なため、知識と道具があれば自分で解体することもできます。

小規模なトタン小屋であれば、ハンマー、バール、のこぎり、軍手、脚立などの基本的な道具が揃っていれば解体できるでしょう。

解体の手順は以下の通りです。

  1. 建物内の物を搬出する
  2. 屋根材を取り外す
  3. 壁材を剥がす
  4. 天井を取り除く
  5. 床材をはがす
  6. 躯体を上から撤去する
  7. 基礎を解体する
  8. がれきを分別して処理する

3坪程度の小屋であれば、個人でも2~3日の工期で解体できます。

廃材の処分方法を確認する

小屋を解体する前に、廃材の処理方法を確認しておきましょう。ごみの受け入れ方法は自治体によって異なるので、事前に自治体の窓口に相談しておくと安心です。

トタン小屋の解体では、トタン板が廃材として発生します。自治体の資源回収センターに持ち込む方法のほかに、リサイクル業者や粗大ゴミ回収業者などに引き取ってもらう方法もあります。

トタンは金属くずとして再生価値が高く、引き取ってもらいやすい素材です。引き取りを依頼したい場合は事前に見積もりをとっておくと予算も立てやすいでしょう。

近隣住民への配慮とトラブル防止策

解体作業で起こる粉塵が近所に舞わないように、養生を行う必要があります。建物を囲うように養生シートを張り、作業中は散水を行うと効果的です。

また、小屋に電気やガスなどを引いている場合は解体前に停止しておきます。電気やガスが供給されている状態で作業すると大事故につながるおそれがあるため、スケジュールに余裕を持って供給会社に連絡しておきましょう。

解体作業では騒音や粉塵が起こりやすいため、作業前には近隣へ挨拶回りしておくことも大切です。

専門業者に依頼するのがおすすめ

DIY未経験の場合や作業が難しいと感じた場合は無理せずに解体業者に依頼しましょう。

トタンは建材のなかでは比較的軽量ですが、平均的な6尺のトタン板で2kg以上あります。それ以外にも柱や梁には重量があるので個人で撤去するのは危険です。

建物の基礎も人力では解体が難しいケースも多く、難易度が高いといえるでしょう。

解体業者は近隣に配慮しながらスピーディーに解体作業を完了させ、地中埋設物の対応、廃棄物の処理まで行ってくれるので、総合的なコストを考えるとDIYよりお得です。

業者はブロック塀やコンクリート土間の駐車場なども解体できるので、解体したい場所が複数箇所ある場合や作業に少しでも不安がある場合はプロに任せてしまいましょう。

他の材質とトタン小屋の解体費用比較

解体にかかる費用は建物の材質によって異なります。ここでは、木材、スチール、プラスチックの小屋の解体費用の目安を紹介するので、トタン小屋の解体費用と比較してみましょう。

木製との違い

木製の小屋は廃材が金属ほどリサイクルに回せないため、解体費用が高くなる傾向があります。とはいえ、トタン小屋は大屋根や下屋の部分のみがトタンで、上屋や母屋とよばれる建物部分は木造になっているケースが多いので、金額に大きな差はありません。

木製の小屋では、木くずや板切れなどの建設発生木材、アスファルト・コンクリート塊などの産業廃棄物が発生します。

木くずはリサイクルできるものはチップに加工され、リサイクルできない場合は焼却・粉砕などの中間処理を行ったあと、最終処分されるのが一般的です。コンクリート等は道路の路盤材や再生骨材の原料として再利用されます。

スチール製との違い

スチール製の小屋はプラスチックや木材に比べて強度が高く、風雨に強いため、屋外の物置などでよく利用されています。また、プレハブ小屋としても広く活用されています。解体も簡単なため、撤去もスムーズです。

解体後の廃材も鉄くずとして買取が可能な部分が多く、スチール部分の撤去費用はそこまでかかりません。ただし、敷地の裏手にある物置の廃材の積み込みなど、運搬に手間がかかるとその分費用が上乗せされる可能性があります。

プラスチック製との違い

プラスチック製の小屋を解体する場合は、小屋にコンクリートブロックなどを使用しておらず、プラスチックのみであれば処分費用も比較的安く抑えられるでしょう。

重量も軽く、小型のものなら自分で解体することも可能です。きれいな状態であればリサイクルショップなどに引き取ってもらうこともできるため、解体せずに済む場合もあります。

ただし、プラスチックは紫外線に弱く、色あせなどの劣化が目立つため、長期間屋外に設置されていた場合は、回収してもらうのは難しいと考えておいた方がよいでしょう。

トタン小屋の解体に関するよくある質問

トタン小屋を解体する際は、工事にかかる諸経費のほかに税金や手続きについても忘れてはいけません。

ここではトタン小屋の解体に関してよく挙がる質問とその回答を紹介します。小屋に限らず納屋や長屋、平屋建て住宅などの解体でも共通する項目なのでチェックしておきましょう。

トタン小屋を解体したら固定資産税はどうなる?

通常、簡易的な物置には固定資産税は課税されませんが、一定の条件を満たした小屋は固定資産税がかかります。

固定資産税がかかる小屋の条件は、以下の通りです。

  • 屋根や壁など外気が建物に入ってこない性能を備えている
  • 基礎などで土地に定着している
  • 居住・倉庫・作業に使える
  • 固定資産税課税標準額が20万円以上

固定資産税の課税対象になっている小屋を取り壊した場合は固定資産税の支払額が下がる可能性があります。

固定資産税を下げるには、解体が完了したら地域の法務局で建物滅失登記を行わなければなりません。届出は自分でもできますが、土地家屋調査士などの専門家に依頼すると安心です。

小屋を解体するには届出が必要になる?

通常、業者が建物解体工事を行う場合は、建設業許可または解体工事業登録のいずれかが必要です。一方で、個人がDIYで小屋の解体を行う場合には届出等は基本的に必要ありません。

ただし、床面積80㎡以上の建物の解体を行う場合は、工事開始7日前までに都道府県知事へ建設リサイクル法の申請を行わなければなりません。

小屋のような小規模の建物を解体する場合は必要ないケースが多いですが、アスベストなど建物の状況に応じて手続きが必要な届出もあるので、申請に関しては解体業者に任せておくと失敗を防げるでしょう。

まとめ

トタン小屋の解体費用は、小屋の構造によって異なります。小規模な小屋であればDIYで解体して費用を抑えられますが、安全のためにはできるだけ解体工事の専門業者に依頼するのがおすすめです。

解体費用を抑えるには、複数業者に現地調査と見積もりを依頼して比較検討すること、あらかじめ自分で荷物を整理して残置物の数量を減らすとよいでしょう。

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