
タイル門柱はその高級感とデザイン性から、エクステリアにこだわりたいと考えている人から高い人気を得ています。しかし、耐久性が高く、門まわりをおしゃれに演出してくれるタイル門柱には、いくつか注意点があります。
この記事では、タイル門柱のデメリットや注意しておきたいことを解説するので、リフォームや新築外構を検討している場合は、チェックしておいてください。
タイル門柱の弱点・デメリット

では具体的にタイル門柱にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。ここではタイル門柱の弱点を紹介するので、デメリットを考慮して業者と相談しながら比較検討すると安心です。
他素材より高額になる傾向
タイル門柱は、ほかの素材より施工費用が高くなる傾向があります。タイル自体が高いため、門柱に限らず、外構にタイルを使うと費用が高額になります。
しかし、タイルは非常に耐久性の高い素材です。施工費用は高額ですが、一度設置すると、長くきれいな状態を保て、掃除の手間もかかりません。そのため、コストパフォーマンスが高い素材といえるでしょう。
また、近年では安価でおしゃれなタイルも登場しているので、外構工事業者に相談しながら決めると、予算の範囲内でおしゃれなタイル門柱を設置できる可能性があります。
工事期間が長くなりやすい
タイル門柱は、ブロックを積んでタイルの下地を作り、その上にタイルを貼るので、ほかの素材に比べて工事期間が長くなりがちです。
タイル門柱を設置する流れは以下の通りです。
- ブロックを積む
- 照明やインターホンの電気配線をする
- 下地を塗る
- タイルを貼りつける
門柱に高さを出さない場合でも、ブロックやコンクリートで下地を作らなければならないので、大きさにもよりますが4~5日は見ておきましょう。
重厚感が“重たい印象”を与える
タイル門柱は重厚感がある分、重たい印象を与えてしまうことがあります。特に黒系の暗い色の門柱は、門周りに圧迫感を持たせてしまうことも。
タイル門柱は、建物と調和したタイルを選んだり、表札の周りや門柱の一部分のみにタイルを貼る「部分貼り」にしたりすると、重たさを軽減できます。
タイルは種類や色によって印象を大きく変えるので、事前にタイルの実物や施工事例などをよく見て決めるようにしましょう。
剥がれ・浮き・白華現象に注意
タイル門柱は剥がれや浮き、白華現象が起こり、美観を損ねてしまうことがあります。タイルの浮きは、経年劣化や施工不良、湿度など様々な原因で起こり、やがて剥がれてしまうので注意が必要です。
タイルの浮きには「下地浮き」と「陶片浮き」の2種類があります。下地浮きとはタイルを接着するモルタルがコンクリートから浮いている状態、陶片浮きはタイルがモルタルから剥がれている状態です。
白華現象とはタイル目地のセメントの主成分のカルシウムが、雨水に溶け出して表面に流れ出す現象です。モルタルが完全硬化する前に雨水に当たったり、低温や乾燥などの環境下で施工した場合、ジメジメした環境に設置されている場合、ひび割れが発生している場合などで起こりやすくなります。
汚れ・シミがつきやすくメンテが重要
タイルは環境により、汚れやシミがついてしまう場合があります。泥はねや苔などは、スポンジで表面をこすり、水で洗い流せば落とせます。しかし、自分では落とすのが難しい汚れもあるので、注意が必要です。
自分で落とすのが難しい汚れは雨染み、サビです。雨染みやサビのような汚れは、業者に清掃を依頼することをおすすめします。
業者は、このような汚れは専用の洗浄剤で落とします。家庭用洗剤を使っても思うような効果は得られにくく、強い薬剤を使うとタイルを傷めたり、周辺の外構設備や植栽に気を遣わなければなりません。自分で掃除しても汚れが落ちなかった場合は、プロに相談してみましょう。
外的衝撃で割れ・ヒビが入るリスク
タイルは耐久性の高い素材ですが、硬い物がぶつかると割れやヒビが発生する可能性があります。そのほか、下地のモルタル、コンクリートが温度変化によって膨張と収縮を繰り返したり、基礎の沈下などでヒビが入るケースも珍しくありません。
ヒビ割れは放置していると内部に雨水が浸入し、タイルが剥がれてしまうことがあります。そのようなことがないように、ヒビを見つけたら早めに施工会社に連絡を入れ、適切に補修するようにしましょう。
タイル門柱を検討するときの注意点

ここではタイル門柱の設置を検討する際に注意しておきたい点を2点紹介します。タイルに必要なメンテナンスや不具合が起こりやすい理由を知っておき、対応方法を考えておきましょう。
施工不良による早期剥離の可能性
タイルの施工は難易度が高く、適切な施工をしていないと、工事から数年でタイルが剥がれてしまうことがあります。施工不良の理由は、下地コンクリートの表面の目荒らしを十分に施していなかった、モルタルの塗り付け不足、下地コンクリートの養生期間不足などです。
タイルは施工する職人の力量に左右されやすい工法です。そのため、高い技術を持つ、信頼できる業者に依頼しましょう。
業者のホームページを確認し、その地域で長年営業している会社であるか、タイル門柱の施工事例があるか、をしっかりチェックして業者を選ぶと、施工不良を防げます。
長期的なメンテナンスコストを考慮
タイルは施工費用は高い一方で長期間美観を保てる、コストパフォーマンスが高い素材です。しかし、長くきれいな状態を保つには適切なメンテナンスが欠かせません。
汚れが落としやすい素材なので、水をかけてスポンジでこすればある程度の汚れは落とせます。黒ずみが発生した場合はメラミンスポンジで軽くこすれば落ちますが、メラミンスポンジを使える素材かどうかは、業者またはメーカーに確認が必要です。
そのほか、定期的に目地の状態を業者に点検してもらうと安心です。外構全体の劣化を防ぐためにも、門柱だけでなく、タイルデッキ、ウッドデッキ、アプローチなどの定期点検も同時に行うことをおすすめします。
タイル以外の門柱

門柱にはタイル張り以外にもさまざまな種類があります。玄関周りや住宅全体の雰囲気に大きな影響を与える設備なので、敷地の雰囲気に合った門柱を設置して、理想の外構に仕上げましょう。
塗り門柱
塗り門柱は、表面をモルタルやジョリパッドなどで左官仕上げした門柱です。コテ跡をあえて残すデザインや刷毛引き仕上げ、表面が滑らかな金鏝仕上げなど多くのデザインがあります。
南欧風やカントリー調、和モダンなど、住宅の雰囲気に合った門柱の施工が可能です。また、継ぎ目のない表面は、門柱に高級感を与えます。
手作業のため、職人の実績により仕上がりに差が出やすい点、費用が高くなる傾向がある点には留意しておきましょう。
ボンタイル門柱
ボンタイル門柱は「ボンタイル塗装門柱」とも呼ばれ、コンクリートブロックを積んだ土台にスプレーガンを使って塗料を吹き付けて仕上げる門柱です。
「ボンタイル」とは、塗装の模様のことを指します。でこぼこした見た目でありながら手触りはツルツルしているのが特徴です。防水性が高く、雨や泥などの汚れが付きにくい点がメリットです。
一方、10年に1度を目安に再塗装が必要なこと、カラーバリエーションが少ない割に左官仕上げの塗り門柱とあまり費用が変わらない点がデメリットといえます。
化粧ブロック門柱
化粧ブロック門柱はその名の通り、化粧ブロックを積んで作る門柱です。コンクリートブロックを積むだけなので、ほかの素材に比べて低予算で設置できるのが特徴です。
近年では様々なデザインの化粧ブロックが登場しており、木目調やタイル調など、一見ブロック積みとは思えないようなデザインも存在します。
目地やブロック内部にセメントを使用しているため、白華現象が起こる可能性には注意が必要です。
レンガ積み門柱
レンガ積み門柱は、レンガをモルタルで接着しながら積み上げていく門柱です。レンガが持つ温かみと、植栽との相性の良さから、洋風の住宅で高い人気を得ています。門柱だけでなく、アプローチもレンガ敷きにすると、外構に統一感が生まれます。
レンガにはさまざまな種類があり、好みのレンガで作ると、門周りに個性を出すことが可能です。門扉やフェンスは、造形美が美しい鋳物を使用すると、重厚感と高級感を演出できるでしょう。
レンガ積み門柱もモルタルを使用しているため、白華現象が起こる場合があります。また、強い衝撃によりレンガが欠けたり割れたりする点はデメリットです。
機能門柱
機能門柱は、ポストやインターフォン、宅配ボックスなどの機能性を持たせた門柱です。工場で作られた部品を現場で組み立てて設置します。
コンパクトなタイプもあるため、狭小地でも設置できるほか、ポストや宅配ボックスを設置することで、配達業者などが敷地に入ることなく道路側から配達物を届けられる点もメリットです。
カタログから必要なアイテムを選択でき、設置費用が安く施工期間も短いため、人気がありますが、完全オリジナルの門柱ではないため、個性は出しにくいといえるでしょう。
門柱に関するよくある質問

ここではタイル門柱に関してよくある質問とその回答を紹介します。門柱をタイル張りにしておしゃれな門まわりを実現したいと考えている場合は、疑問を解消しておきましょう。
タイル門柱の劣化はどのくらいで起こりますか?
外構に使用されるタイルは紫外線や風雨の影響を受けにくく、非常に耐久性が高いことで知られています。
タイルそのものは40年もつとも言われていますが、タイルの目地となるモルタルの耐用年数は約10~15年、内部のコンクリートブロックの耐用年数は約15年です。つまり、設置から10~15年で劣化が始まると考えられます。
タイル門柱を長持ちさせるには、メンテナンスが不可欠です。日常的な掃除によるお手入れと、年に1回のメンテナンスを怠らないようにしましょう。また、劣化を見つけたら早めに業者に相談するようにしましょう。
タイル門柱に合う表札の選び方は?
タイル門柱にはおしゃれでメンテナンス不要の表札がおすすめです。具体的には天然石、ステンレス、ガラスなどがメンテナンスの手間がなく、高級なタイル門柱の雰囲気を壊さずに表札の役割を果たしてくれます。
反対に、切り文字や背景のないガラスの表札は、文字が見えにくいため避けた方が無難です。また、門柱は雨に晒されるため、木材の表札も向いていません。
表札をつくるときはサイズにも注意しましょう。表札はオーダーメイドなので、失敗しても返品はできません。表札の実物だけに着目せず、門柱に設置したときの見た目や雰囲気をしっかりシミュレーションすることが大切です。
まとめ

タイル門柱はその高級感で外構をおしゃれに彩ってくれます。費用面で心配な場合は、施工エリア内の外構工事業者に現地調査と見積もりを依頼して、正確な費用を把握すると安心です。
ほかの素材と迷っている場合は、業者に相談すれば、イメージに近い外観の素材を提案してくれるので、早めに相談して後悔のない外構を完成させましょう。
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