新築住宅ではコンクリートや芝の庭が増えていますが、中古住宅など、舗装せずに土のままにしている庭の家もまだ多くあります。
土の庭はさまざまなデメリットがあるため、他の床材に変更したいと考えている方も少なくないでしょう。
この記事では、土の庭をどうにかしたいと考えている方におすすめの床材のアイデアを紹介します。
土の庭をどうにかしたい!と考える悩みの理由
土の庭を変更したいと思う原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここではよくある土の庭の悩み、デメリットを紹介します。当てはまるものがないかチェックして、改善方法を見つけましょう。
草むしりが大変
土の庭は雑草に悩まされやすいというデメリットがあります。雑草は春夏の暖かい時期に特に旺盛に成長するため、放っておくとあっという間に庭が雑草だらけになってしまいます。
雑草を放置していると、エクステリアの景観が悪くなるほか、見通しが悪くなりやすいので、定期的に除草しなければなりません。
しかし雑草は丈夫なため、草むしりをしてもすぐに生えてきます。小さい子どもやペットがいて除草剤を使用したくないというお宅の場合、特に夏は頻繁に草むしりをしなければならず、暑いなかの作業を負担に感じることも少なくありません。
虫が洗濯物につく
土の庭は虫が発生しやすいため、洗濯物に虫がついたり、家の中に虫が入ってきやすくなったりしてストレスに感じることがあります。せっかく洗った衣類やタオルに虫がついていると衛生的に不安です。
また、庭がやぶ蚊の巣になると夏に刺されて嫌な思いもするでしょう。虫が隣家に飛んで隣家の住民に不快感を与えてしまうかもしれません。
庭に虫が嫌う植物を植えるなど、対策方法はありますが限度があります。そのため、面倒でもこまめに除草をする必要があり、庭の手入れに手間がかかります。
土が流れる
土の庭は、大雨が降ったときに敷地の外に土砂が流出するおそれがあります。土砂が流れると道路や隣家のエクステリアを汚してしまうなど、近隣住民に迷惑をかけてしまうかもしれません。
近年は短時間で大量の雨が降ることが増えているため、レンガを置くというような簡単な対策では土砂を留めきれない可能性があります。
庭を土のままにしておく場合は、ご近所問題を防ぐためにも土砂の流出対策をしっかりしておかなければなりません。
靴や玄関周りが汚れる
土の庭は雨が降るとぬかるむため、靴や玄関、玄関周辺のエクステリアを泥で汚してしまい、掃除が大変になります。
泥はねで服や車が汚れてしまうこともあるでしょう。また、ぬかるんだ庭の上を歩いたり、車で出入りしたりすると表面に凹凸ができます。そのまま乾燥して固まると足を取られて転倒するおそれがあり危険です。
敷地内だけでなく、家の前の道路に足跡やタイヤ痕がつくこともあり、自宅周辺の美観を損ねてしまうケースもあるので注意しましょう。
水たまりができる
水はけが悪い土の庭は水たまりができやすい点にも注意が必要です。水溜まりができやすい庭は歩きにくいだけでなく、湿度が高くなってカビや苔が繁殖しやすくなります。
カビや苔は外壁に付着すると外壁塗装の劣化を早めてしまいます。それだけでなく、建物の内部もカビの温床となり、健康に悪影響を与えるため注意が必要です。
また、湿気の多い庭に木材などを放置していると、シロアリの住処となり、そこから住宅がシロアリの被害を受けるおそれもあります。
砂ホコリが舞いやすい
土の庭は、地面が乾くと砂ホコリが舞います。砂ホコリは濡れた洗濯物について洗濯物を汚すだけでなく、室内に入り込んで部屋を汚したり、車を汚したりしてしまいます。
砂ホコリは近隣の家にも影響を及ぼすため、乾燥が続く日や風が強い日は対策が必要です。
対応方法としては、庭に水まきをする方法が基本ですが、乾くと再び土ぼこりが舞うためこまめに行わなければなりません。
土が乾くたびに散水するのは手間がかかりますし、完璧に行うのは難しいといえるでしょう。
土の庭をおしゃれガーデンにするアイデア
土の庭をおしゃれなエクステリアにするにはどうしたら良いのでしょうか。
庭の床材には多くの種類があり、それぞれ特徴があります。ここではおしゃれガーデンを実現する、人気の庭の床材を紹介するので、自宅に合った方法を選びましょう。
人工芝・天然芝
自然な雰囲気を残しながら土の庭をどうにかしたいと考えるなら、人工芝や天然芝をおすすめします。
人工芝は、ナイロンやポリエチレンなどの合成樹脂を芝生に似せて作ったシート状の床材です。年間を通して青々とした見た目を維持し、日々のお手入れが必要ない点がメリットです。
天然芝は公園や競技場などで広く使用されており、春から秋は青々とした葉を茂らせ、冬は葉が枯れて明るい茶色へと変化します。
天然芝は表面温度が上がりにくく、涼しい庭にできる点が大きなメリットです。一方で水やりなどメンテナンスに手間がかかる点がデメリットです。
レンガ・インターロッキング
庭にレンガやインターロッキングを敷き詰めるとおしゃれなエクステリアに生まれ変わるでしょう。
レンガとインターロッキングは似ているように感じるかもしれません。しかし、レンガが粘土や泥でできているのに対し、インターロッキングはコンクリート製なので、製品としては全く別物です。
耐久性はコンクリート製のインターロッキングが優れていますが、温かみのある風合いを出したい場合や植栽と組み合わせて西洋風の庭をつくりたいときにはレンガが向いています。
タイル
庭に高級感を出したいならタイルがおすすめです。タイルは素材が高級なため、施工費用が高くなるデメリットはありますが、耐久性が非常に高くお手入れしやすいため、コストパフォーマンスが高いというメリットがあります。
色が豊富なので、理想通りのエクステリアを実現できます。リビングの掃き出し窓から続くテラスを作ると、家族でティータイムを楽しんだり洗濯物を干したりする場所としても活用でき、便利です。
土間コンクリート
土間コンクリートは外構の床材でも特に人気の素材です。色が明るいため、住まいを明るく、モダンな雰囲気に仕上げてくれます。
耐久性の高い素材なので駐車場にも最適で、泥はねや車に傷をつける心配もありません。
一方で、夏場は表面が熱くなりやすい点や無機質な印象になりがちな点には注意が必要です。
無機質な庭にしたくない場合は、コンクリートに目地を作り、目地のすき間部分に芝やグランドカバーになる植物を植えるとナチュラルモダンな外構に仕上げられます。
ウッドチップ+防草シート
庭の雑草対策や泥はね防止対策として、防草シートを敷いた上にウッドチップを敷く方法がおすすめです。
土のままの庭に比べて、ウッドチップを前面にまいた庭はおしゃれ度がグンとアップします。また、チップの木材からは良い香りが広がり、森林浴のようなリラックス気分を楽しめるでしょう。
ウッドチップは柔らかい素材で、直射日光により表面温度が高くならないので、ペットの遊び場としても最適です。
ただ、使用しているとウッドチップが削れたり、土へ還っていったりするため、定期的な補充が必要です。
化粧砂利+防草シート
ウッドチップ以外に、防草シートの上に化粧砂利を敷く方法も人気があります。砂利は雑草対策になるだけでなく、歩くと音がするため、防犯外構としても効果的です。
化粧砂利には白色の白玉砂利や黒色の那智黒石のほか、白地に黒い斑点が入った白川砂利や、茶色に黒の斑点が入った伊勢砂利など、模様が入ったものもあります。
また、黄色、緑色、ピンク色などもあるので、建物のテイストに合わせて選ぶと敷地全体の雰囲気を演出できます。
真砂土
土の庭を保ちたいなら真砂土に変更すると良いでしょう。真砂土とは、花崗岩が風化して砂状になったものです。価格が手ごろでホームセンターでも購入できることからDIYでも使用できる地面の材料として人気があります。
真砂土には栄養分が含まれていないため、雑草が生えにくく庭をきれいな状態に保てる点も大きなメリットです。
一方で、施工から一定期間経過すると雨でぬかるみやすくなるというデメリットがあります。
また、転圧作業をしないと水たまりができやすいため、施工は外構工事業者に依頼した方が良いでしょう。
ウッドデッキ+テラス
ウッドデッキにテラス屋根、テラス囲いを作り、家族で過ごせる新しいスペースを作る方法もあります。
ウッドデッキはリビングの掃き出し窓に接する庭に設置するのが一般的です。室内と一続きの空間となり、スペースを広く使えるほか、室内と庭の行き来がスムーズになります。
また、ウッドデッキがあることで雑草が生えにくくなる点もメリットです。
狭い庭にウッドデッキを設置する場合は、テラス囲いで目隠しをするとプライバシーを保てます。テラス屋根を設置すれば夏場の日よけ対策ができるだけでなく、雨の日でも安心して洗濯物を干せるようになります。
ガーデニングスペース
ガーデニングや家庭菜園が趣味の人は大きな花壇を作って植物の栽培を楽しむのも良いでしょう。
花壇はレンガやブロックで囲えば土砂の流出を防げます。花壇以外の部分はレンガを敷き詰めたり、飛び石を置いたり植栽を効果的に配置したりすると、自然豊かなエクステリアに仕上がります。
注意点はあまり植物を密集させないこと。うっそうとした庭は不審者の隠れ場所になりやすく、防犯性を低くしてしまいます。花壇、植栽を配置するときは見通しの良さを意識すると失敗を防げます。
土の庭をどうにかしたい場合の注意点や費用目安
土の庭をどうにかしようとした場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここでは、土の庭をリフォームする際の外構工事費用の目安と注意点を紹介します。費用相場を参考にして見積もりを依頼するようにしましょう。
土の庭対策にかかる費用相場
土の庭のリフォーム費用は、使用する材料により大きな幅があります。例えば、砂利敷きにする場合の費用相場は1㎡あたり約5,000~6,000円です。
一方、コンクリート土間にする場合は1㎡あたり約6,500~12,000円、タイルは約15,000~20,000円が相場です。
材料の種類、庭の広さや形状、敷地の中や前に工事車両を駐車できるかどうかなどでも費用は大きく変わります。
複数の業者から相見積もりをとり、費用相場を把握したうえで、納得のいくプランを提案した業者に依頼するようにしましょう。
メンテナンス費用の考慮
外構は新設費用だけでなく、メンテナンス費用も考慮しておく必要があります。
例えば砂利やウッドチップは安い費用で施工できますが、時間と共に飛ばされたりすり減ったりするので、定期的に継ぎ足していく必要があります。
人工芝は劣化したら交換しなければならず、天然芝は薄くなったところは種まきし、日常的に肥料と水を与えなければなりません。
一方で施工費用が高いタイルやコンクリートは耐久性が高い素材なので、長期間交換の必要がありません。お手入れも簡単で、ブラシでこするだけで綺麗になります。
このように、施工費用が高くても長期的にみるとコストパフォーマンスが高い素材もあるので、初期費用だけにとらわれず、長期的な視点でかかる費用を考えておくとお得です。
予算に合わせた計画の立て方
外構工事で予算オーバーを防ぐためには以下の点を押さえて計画しましょう。
- 工事範囲を明確にする
- 優先順位を決めておく
- 相見積もりをとる
工事を計画する際にはまず、工事範囲を決めましょう。土の庭の部分だけを変更したいのか、フェンスなども変更するのかを決めておくと、大幅な予算オーバーを防げます。さらに、何が重要なのか、優先順位を決めておくと安心です。
土の庭で何が困っているかを整理し、目的を明らかにしておくと優先順位を決めやすいでしょう。
ある程度工事の面積と優先順位を決めたら複数の業者から相見積もりをとります。相見積もりをとればおおまかな相場を把握でき、悪徳業者との契約を避けられるでしょう。
土の庭をどうにかしたい人が知っておくべきよくある質問
土の庭をリフォームするなど、改善したいと考えて調べていると、さまざまな疑問が浮かび上がってくるでしょう。
ここでは、土の庭をどうにかしたい人からよくあがる質問とその回答を紹介しているのでチェックしておいてください。
庭の土を捨てたいのですが、どうすればいい?
庭の土は自治体によって処分方法が異なるため、捨てたいときは自治体に確認する必要があります。
土は「自然物」に属し、ごみに該当しません。そのため、多くの自治体で一般ごみとしては出せません。一般ごみとして回収できない場合は、廃棄物処理業者や不用品回収業者、造園業者などに依頼して捨てることになります。
インターネットで土の処分業者を検索して、対応している業者に依頼しましょう。
庭のリフォームでは大量の土を処分しなければならないケースがあります。外構工事業者は土の処分までやってくれるので、自分で処理するのが面倒ならDIYよりも業者に依頼した方が良いでしょう。
庭を土のまま残すメリットはある?
デメリットが多いように感じる土の庭ですが、メリットも多くあります。
たとえば、土の庭はメンテナンス不要で費用が掛からない点が大きな利点といえるでしょう。また、あとから変更しやすいため、ライフスタイルの変化や時代の変化にも対応が容易です。
下地処理が必要なく低コストでメンテナンスの手間が少ないため、将来土地を引き継ぐときに次世代への負担軽減につながります。
一方で、上でご紹介してきたようなデメリットも多くあるので、メリットとデメリットを照らし合わせて庭の計画を立てましょう。
まとめ
土の庭にはさまざまなデメリットがあります。外構工事で床材を変更して快適な庭にすると、庭の活用方法が広がるだけでなく、敷地全体の雰囲気もおしゃれに生まれ変わるはずです。
ライフスタイルやスペースの広さによって最適な床材は異なるので、外構工事業者に相談して、プロの目線からのアドバイスをもらいながらプランを練るのがおすすめです。
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