庭付き一戸建てに住むことは多くの人の憧れです。しかし、庭付き一戸建てに住んでみると、芝生や植物のお手入れを少し怠るだけで見栄えが悪くなることが多々あります。
そこでおすすめなのが「手入れのいらない庭」を目指すことです。
本記事では、手入れのいらない庭の作り方を中心に、庭のお手入れでの注意点なども解説します。
手入れのいらない庭を作る手順
手入れのいらない庭を作るには、下記の手順が欠かせません。
- 何が手間になるのかリスト化する
- ゾーニングで手入れ範囲を限定する
- 舗装に使う素材を選択する
ここからは上記の手順について解説します。
何が手間になるのかリスト化する
庭の手入れにおいて、何が手間になるのかをリスト化することをおすすめします。
庭の手入れで手間になる主な内容は以下のとおりです。
- 雑草などの草むしり
- 除草
- 庭木の剪定・伐採
- 水やり
- ウッドデッキやテラスなどのメンテナンス
- 落ち葉集めなど
いずれの作業も手入れのない庭を目指すには克服しないといけない作業であり、うっかりしていると見た目が悪くなりがちです。
リスト化することで、できる限り草むしりなどの作業をしない環境を作ることを目的に動けるようになります。
ゾーニングで手入れ範囲を限定する
次にゾーニングを行って、手入れを行う範囲を絞っていくことも必要です。ゾーニングは、特定のスペースを特定の用途に使っていくことを指します。
例えば、地面に植える植栽ゾーンをまとめ、別の場所には植木鉢を置くなどして、特定の作業を減らすことができます。
不要な作業をなるべく減らす対策を立てることで、手入れがしやすくなるでしょう。
舗装に使う素材を選択する
ゾーニングを行う際には、舗装に使う素材の選択も欠かせません。
普段歩く場所や車を停める場所など、舗装を必要とする場所には何かを配置していく必要があります。
足元におしゃれな素材を活用すれば、見た目はよくなる一方、天然芝や石などを無造作に配置していくと、雑草が成長して作業が発生するケースも出てくるでしょう。
舗装では設計する側の腕の見せ所となりますが、おしゃれを最優先して実用性に欠け、維持するのが大変という状態を避けなければなりません。
おしゃれさと実用性のバランスをとっていくことが求められます。
手入れのいらない庭をつくる方法
手入れのいらない庭を作っていくには、以下のようなポイントがあります。
- ゾーニングの工夫
- 防草シートを敷く
- 人工芝を敷く
- 砂利を敷く
ここでは、それぞれの方法についてまとめました。
ゾーニングを工夫する
ゾーニングを行い、雑草が生える場所を限定的にしていくことで、手入れのしやすさを確保できます。
ゾーニングは庭の顔のようなもので、庭の方向性を決める部分です。舗装部分ばかりでは雰囲気が味気ない一方、天然芝ばかりでは手入れ・管理が大変です。
また、季節によって虫がいっぱい出てしまうような心配・悩みを生まないようにするためにも、ゾーニングの検討は入念に行いましょう。
防草シートを敷く
雑草を防ぐには防草シートの活用がおすすめです。防草シートは自然の光が地表まで届かないようにするもので、結果的に雑草が生えることを防いでくれます。
野外においては、タンポポの綿毛が飛んでくるようなこともあり、そこから花や雑草が生えることも考えられます。
防草シートを活用すれば、どこからか飛んできた種をブロックし、根を張らせないようにできるのです。
あくまでもシートなので、見栄えはいいものとは言えませんが、手入れのいらない庭に仕上げたい方には、工夫次第で有効なアイテムになります。
人工芝を敷く
雑草を生えさせないためには、人工芝を敷くのもおすすめです。人工芝を敷くには、地面をコンクリートで固めるところから始まります。
あとは人工芝用の両面テープなどを活用していき固定すれば、1年中青々とした芝の完成です。
これなら雑草も生えないので安心ですし、人工芝の上に植木鉢などを置くという形もできるようになります。
砂利を敷く
庭の多くを砂利にする手も有効です。砂利にすることでゆっくり歩こうとしても音が出るため、防犯対策になります。
防草シートとセットで活用すれば、雑草が生えにくいほか、水はけがよいので、よりメンテナンスはしやすくなるでしょう。
最近は「ガーデンストーン」と呼ばれ、色んな大きさ・色の石がホームセンターで売られています。あとはイメージに合わせて構築していけば、理想的な庭に仕上がるでしょう。
デッキ・タイルを設置する
庭のスペースにウッドデッキやタイルを設置し、その上で過ごせるような場所を作るのもひとつの手です。
くつろげるのも魅力のひとつですが、その部分が丸々雑草を生えさせない場となります。
一方、ウッドデッキの場合、太陽光などに晒されて変色などをするデメリットもあるため、人工の木材を活用するといった対応もおすすめです。
目隠しをしたい場合には人工木のウッドフェンスを活用していく事も可能です。
目地はインターロッキングにする
地面に敷くレンガや石などを敷き詰めるインターロッキングは、雑草などを生えさせない効果や、よりきれいな仕上げにしていく目的があります。
人工芝などの活用で見栄えをよりよくして庭をいいイメージのものに仕立てていくことができます。
一方で施工面が大変であり、個人がDIYとして行うには少々大変です。その場合には外構などを手がける業者に工事を依頼し、費用をかけつつ庭のリフォームを行っていくのが確実です。
手入れが楽な庭木を選ぶ
樹木を庭に置くことは庭の見栄えを良くする一方、落ち葉の撤去が大変で、特に屋根などに落ち葉が降る状態は色々な弊害が生じます。
そこで手入れが楽な庭木を選び、落ち葉の処分の機会を減らしていくことが可能となります。
例えば、常緑樹の場合、落ち葉が落ちにくいため、時間をかけて落ち葉拾いをするようなことが少なくなるでしょう。
剪定も限られた回数だけで済む状態にすれば、ガーデニングもしやすくなり、メンテナンスフリーの状態に近づきます。
手入れのいらない庭を作る際の注意点
手入れのいらない庭を目指す中で、注意しなければならない点も出てきます。
- 初期コストが高くなることがある
- メンテナンスゼロではない
- 日当たり・照り返しを考慮する
ここでは、上記のポイントを解説します。
初期コストが高くなることがある
雑草を生えさせないために、人工芝にする、シートを敷くなどの対策が有効ですが、その分、初期コストがかかりやすくなります。
ガーデニングや芝生のために庭の整地をする際、プロに頼むだけでそこそこの費用がかかります。DIYとして個人がやろうにも手間暇がかかり、大変です。
手がこんだものを作ろうとすればするほど、初期コストが高くなるのは避けられません。
裏を返せば、最初にお金をかけることで長く維持しやすい庭を手に入れられるのです。
メンテナンスゼロではない
一度人工芝などにすれば、雑草が生えてこないのでメンテナンスをしなくていいと思う方もいるはずです。
もちろん雑草を抜くなどの作業はなくなりますが、メンテナンスゼロではありません。
人工芝であれば、落ち葉などを放置する、土などをそのままにしておくといったことをしていると、その落ち葉や土から雑草などが生えてくる可能性があります。
人工芝のいい点は掃除機をかけられる点にあるため、自宅の掃除機を活用して清掃すれば問題はありません。
日当たり・照り返しを考慮する
外構・エクステリアを考えるにあたり、太陽光の日当たりや照り返しは十分に考慮する必要があります。
ウッドデッキや人工芝の上をうっかり裸足で歩けば、ヤケドのような痛みを感じることも考えられます。
人気のウッドデッキだと歩いても痛みを感じさせないようなものが、色んな種類で用意されています。あとは樹木を活用して太陽光を防ぐといった配慮も可能です。
庭の手入れで負担を感じるポイントは?
庭の手入れをする際、多くの人が負担を感じるポイントが存在します。
ここからは、誰しもが負担を感じ、作業負担を削減したくなるものを解説します。
雑草の処理
庭付き一戸建て等に住むほぼ全ての人が頭を悩ませるのが雑草の処理です。
雑草は夏場に成長しやすいことから、いかに夏場を乗り切るかがポイントとなります。
そのため、本格的な夏を迎える直前・夏場を過ぎた後・冬の3回が理想的とされています。
しかし、いずれの時期も作業をするには厳しく、暑さや寒さに耐えなければならないため、面倒に感じるのは当然です。
落ち葉の掃除
庭に樹木がある、もしくは隣家に庭木が置かれている場合には落ち葉の掃除が必要です。
落ち葉を放置することで屋根に落ちた落ち葉が雨どいにたまり、雨水があふれてしまうことが出てきます。また落ち葉から害虫が発生するなど、注意が必要です。
一方、隣家に接するところに庭木を置くと、隣家に落ち葉が行ってしまってトラブルになるケースもあります。いずれにしても落ち葉の存在が頭を悩ませることは確かです。
土間コンクリートの掃除
コンクリートの土間にした場合、その掃除も必要です。汚れを放置するとシミになってしまい、見栄えがかなり悪くなります。
頻繁に掃除をする必要はないものの、定期的にチェックし、掃除を行っていき、きれいに保つことは必要です。高圧洗浄機などを活用して、対策を進めていきましょう。
芝の手入れ
人工芝の場合はメンテナンスゼロというわけにはいかないものの、掃除機をかけるなどすれば、そこまで負担にはなりません。
問題は天然芝で、放置すれば夏場に一気に生えるため、管理が行き届いていない印象を周囲に与えてしまいます。
芝刈り機の活用がおすすめで、広さに応じて手動式や電動式、エンジン式などを選択していきましょう。
手動式は手押し車のように押せば刈り取ってくれるほか、女性でも扱いやすいのが魅力的です。
庭木の剪定
庭に樹木などの庭木を置いている場合には、庭木の剪定も必要です。
庭木の剪定は年2回、春と冬に行うのが普通とされています。庭木の剪定によって必要以上に庭木を大きくさせないメリットがある一方、何をどのようにすればいいかわからない方もいるはずです。
その場合は業者に依頼を行い、アドバイスなどをもらって少しずつノウハウを得ていくことがおすすめです。
庭の手入れに関するよくある質問
最後に庭の手入れに関する質問についてまとめました。気になる質問があれば、ぜひ参考にしてください。
庭の手入れは年に何回くらいするのが理想的?
庭の手入れは年1回ないし2回行うのが理想的とされています。剪定は春先と冬場に行うのが理想で、芝の手入れも同様です。
年1回で大丈夫かどうかは庭木・樹木次第で、1回で十分なものもあります。
芝の手入れと剪定を同時に行うことを考えると年2回行うのが理想で、人工芝などを用いている場合には樹木の剪定だけを考えれば大丈夫です。
庭の手入れをしないとどうなる?
庭の手入れを怠ると、まず見た目から管理が行き届いていないことが周囲に露呈してしまうため、心象を損ねます。
また害虫が出やすくなって、周囲に悪影響を及ぼしやすいほか、樹木の枝が道に出てしまって、何らかのトラブルを招くことも考えられます。
庭の手入れを怠ることは「百害あって一利なし」と言っても過言ではありません。
まとめ
時間がある方であれば、こだわりの庭を作っていくのもいいですが、仕事などで忙しい方だとついつい放置をしがちです。
その場合にさまざまな弊害が出てしまうため、なるべく手入れのいらないような庭にしておくと、色々な意味で楽になります。
その中で見た目によく、管理のしやすい庭を目指していくことをおすすめします。
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