
外構の地面に砂利敷きを検討した場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。砂利敷きは外構のほかの舗装方法に比べて安価に施工でき、DIYでも設置が可能な点が魅力です。
今回は、砂利敷きの費用相場やDIYで施工する場合の手順や注意点などについて解説します。
砂利敷きの費用相場

エクステリアを砂利敷きにする工事の相場はどれくらいなのでしょうか。以下に単価の目安や費用の内訳、追加工事が発生しやすい条件について整理しているので、一つずつ確認していきましょう。
依頼費用の相場(㎡単価の目安)
外構の砂利敷きを外構工事の専門業者に依頼した場合の費用相場は、1平米あたり3,000~10,000円が目安です。
つまり、30㎡の庭に砂利を敷く場合は9~30万円程度、15㎡の駐車場の場合は4.5万円~15万円程度かかると考えておけば良いでしょう。
砂利敷きの施工費用は砂利の種類と量、地盤の状態、防草シートの有無で変動します。そのため、見積もりの際は見積書にどのような工程が含まれているか確認し、他社と比較しましょう。
砂利敷きの費用に含まれる内訳
砂利敷き施工費用の内訳は以下の通りです。
約3,000~8,000円
砂利の種類や使用する量によって変動します。
約500~1,500円
シートの耐久性、透水性など、製品により価格差が生じます。
約2,000~5,000円
転圧・整地・防草シートの敷設・人件費・運搬費などです。
約千~数万円
外構のデザイン性を高める工事などは高額になる可能性があります。
砂利の種類による費用差
砂利敷き工事の費用は、砂利の種類で大きく変わります。さまざまな種類があるので以下の費用相場を参考に選びましょう。
約2,000~3,000円/20kg
白色の石灰石で作られた庭用の砂利で、和風建築だけでなく洋風建築に高級感を与える効果があります。
約3,000~5,000円/20kg
江戸時代から庭園用の玉石として活用されてきた、和風建築に適した砂利です。乾いているときはグレーに、濡れると黒色に変化するため、天候による色の変化を楽しめます。
約4,000円/20kg
レッドスプレッドとも呼ばれる、レンガのような赤褐色の砂利です。温かみがあり、植栽と相性が良いため、洋風の建物にマッチします。
砂利敷きで追加費用が発生するケース
砂利敷き工事は庭の条件によっては追加工事が発生することがあります。
例えば、庭の表面がでこぼこしている場合、平坦にする作業が必要です。また、敷地が高い庭の場合、防草シートと砂利を敷く高さを確保するために、庭を掘削する必要があります。
そのほか、粘土質の土地や水はけが悪い土地の場合は、砕石を敷き、転圧する工事が必要です。
工事が始まってから費用を請求されないように、あらかじめ現地調査を依頼して、正確な見積もりを出してもらいましょう。
砂利の選び方

ここでは、外構に敷く砂利の選び方を紹介します。砂利は色だけでなく大きさもいくつかの種類があります。適切に選ぶことで美観と機能性を兼ね備えた外構に仕上がるので、以下のポイントを参考に選ぶようにしてください。
砂利の購入場所
砂利はホームセンターやインターネット通販で購入できます。大量に安く購入したい場合は、建材屋がおすすめです。
ホームセンターは、アクセスしやすく少量から購入可能です。砂利を実際に見て、比較しながら選べる点もメリットといえます。ただし、大量に購入する場合は割高になりがちです。
インターネット通販は、自宅まで配送してくれるうえ、価格を比較しやすいためお得に購入できます。一方で実物を確認できないこと、送料で割高になってしまう可能性には注意しておきましょう。
建材屋は1トン単位の量り売りが一般的で、ホームセンターなどよりも大幅に安いのが魅力です。少量で購入するのには向いていません。
砂利の大きさで選ぶ
砂利は大きさによって印象や機能性が変わります。袋入りで販売されている砂利には3分(9mm)、5分(15mm)、8分(24mm)といった規格のほか、大・中・小で表記されているのが一般的です。
庭やアプローチなど人が歩く場所では、小さいサイズの砂利を選ぶとよいでしょう。小さい砂利は主張しすぎず、歩きやすいのが特徴です。
中粒の砂利は駐車場に向いています。砕石は角があるため、石が動きにくく、タイヤをしっかり受け止めてくれます。
存在感のある大粒の砂利はロックガーデンや植栽の根元など、景観づくりに最適です。
砂利の色で選ぶ
白系の砂利は住まい全体を明るくする効果があります。洋風、和風どちらにも合いやすく他の色との相性も良いので合わせやすいといえるでしょう。
黒やグレーは、和風建築とマッチします。角のない玉砂利は雨で濡れると独特の艶が出て重厚感を演出してくれます。
ベージュやブラウン、ピンクなどの暖色系の色合いは洋風建築の庭におすすめです。ガーデニングやレンガとの相性がよく、温かみのある雰囲気を演出できます。
砂利敷きをDIYしたときの費用

砂利敷きはDIYすれば施工費用がかからないため、コストを削減できます。では、DIYでは何にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。自分で砂利敷きをしようと考えている場合は、以下を参考に計画しましょう。
DIYの材料費目安
DIYで砂利敷きをする場合、主にかかるのは材料費と運搬費です。それぞれの費用の目安を把握しておき、予算を立てておくと失敗を防止できます。
約500~2,000円/㎡
砂利は種類によって費用が変動します。希望する色や形をある程度決めておき、その中から予算に合ったものを選びましょう。
約100~300円/㎡
素材の機能性や耐用年数により価格が変わります。長期間使用するつもりであれば、高品質なものを選びましょう。
約3,000~10,000円
道具が揃っている場合は費用はかかりません。重機など、レンタルできる道具もあります。
約0~5,000円
ネットショップの配送料やレンタカー代などです。自家用車を使用すれば費用はかかりません。
DIYでありがちな失敗例
DIYで起こりがちな失敗が、砂利の沈みと雑草の発生です。
地面の転圧が足りないと、砂利が沈んでしまいます。しっかりと転圧し、5センチ以上の厚みを確保してたっぷり撒くことで沈みを防げます。また、小粒の砂利は沈みやすいので、中粒以上の砂利を選ぶとよいでしょう。
雑草は防草シートを設置していなかったり、シートに隙間があると発生します。防草シートを設置する際も、雑草を根から徹底的に除去しなければ隙間から生えてきてしまいます。防草シートを隙間なく設置し、砂利の厚みを確保することで雑草対策が可能です。
砂利敷きDIYの手順

砂利敷きは、個人でも比較的簡単にできる舗装です。自分で作業すれば費用を抑えられるだけでなく、隙間時間を有効活用して少しずつ完成させていくこともできます。ここでは、砂利敷きDIYの流れをお伝えします。
まずは砂利を撒く場所を平坦に整える作業です。雑草を根から抜き取ります。雑草は完全に除去する必要があるので、除草剤を使用するのも有効です。庭に大きな石がある場合は取り除きましょう。
砂利の厚み分の土を掘り下げます。深さは3~10cmが目安です。掘削が終わったら地表部分をレーキやスコップで平らにならします。このとき、水はけがよくなるように水勾配をつけながら平らにしていきます。
最後に転圧機で地面を締め固めます。
防草シートは設置場所に合わせてカットし、地面に隙間なく敷きます。このとき、隣のシートと10cm以上重なるようにするのがポイントです。
シートはUピンや釘を打ち込んで固定します。固定する間隔は、1m間隔がベストです。シートの端や重ね目もしっかりと固定します。
防草シートを選ぶ際は遮光率・透水性・耐用年数、不織布か織布かを確認しましょう。雑草に光を届けない効果を期待するので、遮光率は重要です。また、水はけを良くするために、透水性のある素材を選びましょう。さらに生地が丈夫な不織布で耐用年数の長いものを選ぶと安心です。
防草シートの上に砂利を撒きます。シートがずれないように端から撒き始めるのがコツです。
砂利の深さは人が歩く場所であれば3~5cm、駐車場のように車が乗り入れする場所であれば8~10cmほど必要です。砂利が少ないと、防草シートが見えて美観が悪くなったり、水はけが悪くなったりします。
とくに直径3cm程度の大きな砂利を敷く場合、厚みが足りないと隙間が目立つため、事前にしっかりと必要な量を計算しておきましょう。
最後にレーキや熊手で均一にならして完成です。
砂利敷きが向いていない場所

安価で手軽に外構の舗装ができる砂利ですが、向いていない場所はあるのでしょうか。
次に紹介する場所は、砂利敷きで後悔するケースもあるため、施工を検討している場合はデメリットもしっかりと把握しておきましょう。
駐車場
砂利は駐車場で広く活用されている一方で、注意点を知らないと後悔することがあります。
車の出し入れの際に砂利が飛んで車を傷つけてしまったり、タイヤの摩耗が早まったりします。車を出し入れする際に砂利が動くため、使用しているとタイヤが乗る場所の砂利に窪みができて見た目が悪くなるケースも少なくありません。
また、車の出し入れにより砂利が敷地外にこぼれるため、こまめな掃除が欠かせません。このような手間や車の傷を避けたい場合は、コンクリートなどで舗装した方が快適です。
玄関アプローチ
玄関アプローチのような人が頻繁に歩く場所では、砂利は歩きづらく不便です。靴を傷つけるだけでなく、ベビーカーや車いすでの通行も困難になるため、おすすめできません。
アプローチは足元が安定でき、住宅をおしゃれに演出するタイルなどがおすすめです。砂利を取り入れたい場合はレンガの両脇やコンクリートの目地に砂利を敷いてアクセントにする、砂利に飛び石を設置して歩きやすくするなどして工夫すると、おしゃれで快適なアプローチが完成します。
主庭の広い場所
主庭のような広さのある場所に砂利を敷く場合、手入れの手間や歩きづらさなどがデメリットとなります。
砂利の掃除は、ほうきで砂利も一緒に掃いてしまうなど、手間がかかります。そのため、植栽が多い庭では、広い範囲に落ち葉が散乱すると掃除に時間がかかり、ストレスになることもあるでしょう。
砂利の上は足元が不安定になるため、庭で洗濯物を干す場合に歩きづらくなります。子どもが庭で遊ぶ際も足元が安定しないため安全性が確保しにくいといえるでしょう。
砂利敷きの費用で後悔しないためのポイント

砂利敷きは費用を抑えて地面を舗装できる点がメリットですが、節約しすぎると失敗する可能性が高まります。長期間快適に使用するためには、必要なコストをかけることが大切です。
安さだけで選ぶと失敗する理由
費用を節約しようとして防草シートを敷かずに砂利を撒くとすぐに雑草が生えてきて草刈りの手間が増えてしまいます。また安価な防草シートも数年で雑草が生えやすい環境になってしまうため、おすすめできません。
砂利の量を減らすのも避けたほうがよいでしょう。砂利が少ないと地面が露出しやすいだけでなく、雑草が生えやすくなったり、水たまりができたりします。
短期間で不具合が出て補修するとかえってコストがかかってしまいます。初期コストがかかってもしっかりと施工することが大切です。
長期的に見るとコスパが悪くなるケース
砂利は車の往来や人の歩行、雨などで流出したり土に沈み込んだりするため、定期的に補充する必要があります。防犯目的で使用している場合も経年で砂利が擦れて機能性が衰えるため、定期的な補充が不可欠です。
そのため、継続的な費用とメンテナンスの手間がかかり、コストパフォーマンスが低下する可能性があることは知っておいた方がよいでしょう。
安さだけでなく、将来的な手間や美観、快適性を総合的に見て計画を立てることで、失敗を防げます。
見積もり時に必ず確認すべき項目
見積もりの際は、材料費や施工費の内訳を明確にしてもらうことが大切です。見積書をチェックして、作業内容が詳細に記載されているか確認してください。
まず、見積書に記載されている面積が依頼した範囲と一致しているか確認しましょう。その面積に対して使用する砂利の種類と量が適切に記載されているかも見ておきます。
砂利敷き工事は現在の地面の状態によって費用が変動します。雑草が生い茂っている場合、除草作業が必要です。費用が下地処理作業に含まれているのか、別途発生するのか確認しておきましょう。
砂利敷きに関するよくある質問

ここでは、砂利敷きに関するよくある質問とその回答を紹介します。外構の新設やリフォームは、一度施工すると元に戻したり変更したりするのが大変です。事前に疑問を解消しておき、納得したうえで依頼しましょう。
防草シートは必須になる?
砂利敷きの際は防草シートを敷くことをおすすめします。
確かに、防草シートがなくても砂利を撒くことは可能です。しかし、防草シートがないと雑草が生えやすい環境になるだけでなく、砂利が土に沈んでしまったり、水たまりができやすくなったりして、砂利の機能性が半減してしまいます。
長期的に快適な砂利敷きを維持するには、高品質な防草シートを敷き、砂利も厚みを確保して敷くとよいでしょう。
砂利とアスファルトどっちが安い?
砂利敷きとアスファルトは、費用とメンテナンスの手間でどちらが向いているか判断しましょう。
初期費用を抑えたいなら砂利敷きがおすすめです。利便性や耐久性を維持したいならアスファルトを選択するとよいでしょう。
砂利は歩きにくく、砂利の補充などの定期メンテナンスが必要な点がデメリットです。ただし、アスファルトのように黒一色ではないため、建物に合わせた色を選べる、踏むと音がするため防犯効果が高い、アスファルトに比べて表面温度の上昇が抑えられるなどのメリットがあります。
どちらが良いか迷ったときは、外構工事業者と相談して決めることをおすすめします。
まとめ

砂利敷きは比較的安価に外構をおしゃれにしてくれる素材です。砂利の選び方一つで、住まいの雰囲気を変えられるため、費用を抑えながらエクステリアのデザインにこだわりたい場合におすすめです。
一方で、定期的なメンテナンスが必要なので、手間やコストを考慮して決断するようにしてください。

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