
人工芝は天然芝のようにメンテナンスの手間がかからず、一年中グリーンの芝生の地面を楽しめる素材です。DIYでも比較的簡単に設置できる点も大きな魅力といえるでしょう。
人工芝の設置を検討していると、防草シートは必要なのか省いても問題ないのか気になる方もいらっしゃるかと思います。この記事では、人工芝を敷く際の防草シートの必要性やDIYのコツなどについて解説します。
人工芝の下に防草シートを敷く理由

屋外の人工芝を長くきれいな状態に保つには、防草シートの敷設は必須です。ここでは、防草シートの役割や効果、防草シートが人工芝の下に必要な主な理由を紹介します。
雑草を防ぐため
人工芝の下に防草シートを敷く最大の理由は、雑草の発生を防ぐためです。
人工芝の隙間に雑草の種が入り込むと、雑草が生えてしまうことがあります。雑草が生えると地面が押し上げられて表面がデコボコになったり、継ぎ目が目立って見た目が悪くなってしまいます。さらに雑草が人工芝を突き破って破損させる原因となるため注意が必要です。
雑草を発生させないためには、人工芝の下に品質の高い防草シートを隙間なく敷き詰める必要があります。
虫が湧くのを防ぐため
防草シートは、人工芝に虫が発生するのを防ぐ効果も期待できます。
人工芝自体はプラスチック製のため、虫の餌にはなりません。しかし、人工芝を地面に直接敷くと湿気がこもりやすく、パイルが虫にとって絶好の隠れ家となってしまうのです。
さらに雑草や落ち葉を放置していると虫の餌となり、ますます虫にとって良い環境になってしまいます。
虫の発生を抑えるためには、防草シートを適切に敷いて、雑草の発生を抑えて餌がなく湿気の少ない環境にすることが大切です。
人工芝の劣化を防ぐため
人工芝の劣化を防ぎ、長くきれいな状態で使用するためにも防草シートは役立ちます。
土の上に直接人工芝を敷くなど、人工芝の裏面が泥や湿気に触れ続けることは劣化の大きな原因です。
人工芝は排水機能を持っていますが、長時間ジメジメした環境では裏面の素材が劣化して強度が低下してしまいます。裏面素材が脆くなるとパイルが抜けやすくなり、美観が悪くなる原因となります。
湿気やカビによる劣化を防ぐには、下地処理をしっかり行った地面の上に透水性の高い防草シートを敷き、その上に人工芝を敷くことが大切です。
人工芝の継ぎ目の凸凹を抑えるため
防草シートを敷くことで人工芝の下地が安定し、長期間平坦な床面と継ぎ目を維持できます。
防草シートを敷かないと、時間の経過とともに人工芝の下地が沈下したり土が流れて表面がデコボコします。その結果、継ぎ目が目立ったりめくれたりするのです。放置していると隙間から雑草が生えて見た目がどんどん悪くなってしまいます。
全体がデコボコしてしまうと、下地処理からやり直しになってしまうこともあります。メンテナンス費用を抑えるためにも、新設の際にしっかりと下地処理をし、防草シートを敷きましょう。
防草シートを選ぶときは素材をチェック

防草シートはプラスチック製の素材でできており、織布タイプ、不織布タイプの2種類があります。
ここでは、種類別の特徴とメリット・デメリットを紹介するので、お庭に合ったタイプを探す際の参考にしてください。
プラスチック
防草シートの多くはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルで作られています。
ポリエチレンはビニール袋など幅広い製品の材料となっている合成樹脂です。軽量で安価、低温でも脆くなりません。反対に耐熱性が低く紫外線で劣化しやすい点には注意が必要です。
ポリプロピレンは、日本で最も多く作られている熱可塑性プラスチックです。軽量でありながら丈夫で、耐久性に優れています。しかし紫外線に弱く耐熱性が低いうえ、低温で脆くなる性質も持っています。
ポリエステルは、ポリエステル樹脂から作られる化学繊維です。頑丈で熱に強いだけでなく、吸水速乾、抗菌などの機能を持たせやすい点が大きな特徴です。一方、静電気が起こりやすいことや汚れが落ちにくい点はデメリットです。
織布
織布タイプは繊維を縦と横に織って作られた防草シートで、繊維どうしの隙間が大きいのが特徴です。
織布タイプは価格が安いうえ、縦横方向への引張強度が高いというメリットがあります。保水性がないため、コケやカビが生えにくく衛生的な面も魅力です。
一方、繊維を織った素材のため、端がほつれやすく破れると穴が広がりやすい点、枝や雑草が突き抜けてしまうことがある点、耐用年数が3~5年と短い点はデメリットです。
不織布
不織布タイプは、ランダムに組み合わせた繊維を熱で結合した防草シートで、繊維どうしの隙間が小さく密度が高いのが特徴です。不織布タイプはさらに「短繊維不織布」と「長繊維不織布」に分けられます。
不織布のメリットは繊維が絡まり合っているため隙間が狭く、雑草が突き抜けにくく防草効果が高い点、あらゆる方向の引張強度に優れている点、耐用年数が10~20年と長く経年により隙間が広がることが少ない点です。一方で価格が織布タイプより価格が高い点はデメリットです。
人工芝の下に敷く場合、1箇所でも雑草が突き抜けてしまうと、地面がでこぼこしたり継ぎ目が目立ってしまいます。そのため人工芝の下に敷く防草シートは、遮光性が高く突き抜けに強い不織布タイプが向いています。
最近では防草シート付き人工芝も売られている

近年では裏面に防草シートが付いている一体型の人工芝も登場しています。
パイルの色や質感もさまざまな種類があり、DIYで設置するのに魅力的な人工芝ですが、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
メリット
防草シート付き人工芝の主なメリットは以下のようなものです。
- 施工の手間が半分以下
- 施工費用が削減できる
- 初心者でもDIYしやすい
防草シート一体型の人工芝は、整地した地面に直接敷くだけで施工が完了する点が大きな魅力です。防草シートを敷く工程が省かれるため、作業時間を大幅に削減できます。
防草シートを別途用意する必要がなく、材料費が節約できる点もメリットといえるでしょう。そのため、初めてDIYに挑戦する方でも比較的簡単に施工できます。
デメリット
一方、防草シート付き人工芝には以下のようなデメリットがあります。
- 通常のシートよりも防草効果が落ちる場合がある
- 重量があり、持ち運びや施工が大変
- カッターナイフやハサミでカットしにくい
一般的な防草シートと人工芝一体型防草シートを比較すると、防草効果は防草シートの方が優れている傾向があります。一体型は継ぎ目部分の防草対策ができず、さらにパイルの厚みによって防草効果が変わるため、雑草が生えるリスクが高くなります。
また一体型は防草機能を付けている分、重く分厚いので、持ち運びやサイズ調整に負担がかかる点もデメリットです。
人工芝の下に防草シートを自分で敷くときのポイント

DIYで人工芝を敷く際は、防草シートの敷き方に気をつけるだけで耐久性が格段にアップします。以下で紹介する4つのポイントをしっかり抑えて、DIYを成功させましょう。
敷く前に必ず根っこまで雑草を取り除く
防草シートを敷く前に雑草を完全に取り除くことが大切です。根が残っていると防草シートを突き破って出てくる可能性があるため、根っこも全て取り除くようにしてください。石や木の根なども撤去しましょう。
地面を平らにして押し固める
人工芝の下地は平坦にして、水はけをよくしておく必要があります。トンボで土をならして平らにし、上から山砂を敷いて排水性の高い下地にします。その後、転圧機を使用して地面を締め固めましょう。範囲が狭い場合は足で踏み固めても問題ありません。
防草シートの合わせ目を接着しておく
防草シートは合わせ目に隙間をつくらないことが雑草を防ぐポイントです。ジョイント部分は最低でも10cmは重ね合わせましょう。合わせ目は専用接着剤や両面テープなどの粘着テープなどで貼り合わせ、めくれないようにしておくことで雑草の発生を防止します。
防草シートを固定する
防草シートがずれないように、U字釘は50cm間隔で固定します。先に端の列を固定し、内側を固定しますが、隣の列と打ち込む位置を25cmずらすとしっかり固定できます。U字釘を固定したら、光を遮断するために釘穴をテープで塞ぐひと手間が重要です。
業者に依頼して人工芝と防草シートを敷いてもらうこともできる

人工芝を敷く範囲が広い場合や、できるだけきれいに仕上げたい場合、長持ちさせたい場合は外構工事業者に施工を依頼しましょう。
人工芝の施工を依頼した場合の費用相場は1㎡あたり約5,000~12,000円です。
そのうち、人工芝の費用は製品によって幅がありますが、約1,800~4,500円、防草シートは1㎡あたり約150~700円です。これに施工費用が上乗せされます。施工費用の単価は施工する面積によって変動するのが一般的です。また、下地の状態によっては追加費用がかかることがあります。
業者に依頼する場合は、3社程度から相見積もりを取り、費用やプランの内容を比較して決めると失敗を防げます。
人工芝の下に防草シートでよくある質問

ここでは、人工芝下に敷く防草シートに関してよくある質問とその回答を紹介します。
防草シートの素材選び、施工方法の疑問を解消して耐久性の高い芝生の庭を楽しみましょう。
防草シートは不織布なら何でもいい?
防草シートは不織布を使用するのが基本ですが、何でもよいというわけではありません。厚み、高密度、耐候性の3点が不可欠です。
特に強い雑草は薄い不織布では突き抜けてしまう可能性があるため、厚手で高密度の不織布が必須となります。また、耐久性の高い防草シートを選んでおけばメンテナンスの手間も減り、長期間きれいな人工芝を維持しやすくなるはずです。
ただし、防草シートは品質がよいものほど費用も高くなる傾向があります。素材を選ぶ際は費用と生えてくる可能性のある雑草の種類、耐久性のバランスを考えて決めるとよいでしょう。
人工芝の下に防草シートを敷いたら水はけは悪くなる?
人工芝の下は、透水性の高い防草シートを敷けば水はけが悪くなることは基本的にありません。むしろ、防草シートは雑草の発生を防ぎながら排水を確保するために重要な役割を持っています。
水はけが悪くなる原因は、人工芝の下の土壌の水はけが悪い場合です。この場合、下地処理で砂利や砂を敷き、排水経路を確保することで解消できます。また、防草シートを選ぶ際は透水性の高い高品質なシートを選ぶと失敗を防げます。
防草シートはある程度経ったら張り替えたほうがいい?
防草シートは経年により劣化するので、一定期間が経過したら交換することをおすすめします。
不織布タイプの防草シートの交換時期の目安は10~20年です。人工芝の耐用年数がおよそ10年ですので、人工芝の交換と同時に防草シートも交換すると工事が1回で済み、負担を最小限に抑えられます。
耐用年数を経過していなくても、シートを突き抜けて雑草が生えている場合やピンの周辺から雑草が生えてきた場合、シートが破けている場合は交換のサインです。
まとめ

お庭に人工芝を敷く際は、防草シートの設置をおすすめします。せっかくの芝生の地面が雑草だらけになったり、凹凸の発生で継ぎ目が目立ってしまうと施工のやり直しが必要になってしまいます。
施工後のきれいな状態をできるだけ長く保つためには、適切な下地処理と防草シートの設置が重要なポイントです。また、きれいに長持ちする人工芝に仕上げたい場合は業者に任せることをおすすめします。

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