介護・バリアフリー

介護のためのトイレ・リフォームの留意点

投稿日:2018年10月30日

介護においてトイレが自立できるかできないかは、人間の尊厳に関わる重要な要素です。だからこそ、本人や介助者のトイレ負担が最小限に抑えられる住環境への配慮が必要です。しかし、トイレに関わる不満や不便はデリケートな話題であるため、本人の意向が聞き出しにくいという問題があります。そのため、他所の事例を良く知る専門家の意見を聞くなどして失敗しないトイレ・リフォームが望まれます。

もしも十分な配慮なくリフォームがなされてしまうと、トイレに行くことに非消極的になり、次第にベッド周辺での排泄行為になり、ひいては寝たきりの生活を誘発してしまうことにもなりかねないからです。

では、高齢者や障がい者の動作や介護上の観点からみた留意点をいくつかあげてみましょう。

留意点

洋式便器への交換

下肢の筋力や同じ姿勢を保持する能力が弱まってくるため、和式便器の使用が困難になります。和式便器である場合は、立ち座りの動作が楽な洋式便器への交換が望まれます。

排水音への配慮

高齢者は夜間の使用頻度が増える傾向にあります。家族の部屋とトイレが隣接する場合は、排水音が大きくならないよう静音タイプのトイレを採用するという方法があります。

温水洗浄便座

体勢的に排泄後の清拭が困難であったり、毎日の入浴ができなかったりする対象者は、温水洗浄便座が便利です。ただし下半身麻痺で局部に当たっているかどうかわからない場合もあるので、使い始めに介護者が位置を確認し、スイッチ操作も自分でできるかどうかのシミュレーションをしてみることが必要です。

便器内側の色

便器の内側は、健康のバロメーターとなる排泄物の色がわかるよう白色が望ましいと言われています。

引き戸への交換

トイレの出入り口は、ドアより引き戸のほうが開閉動作が容易です。もしもドアの場合は、内開きではなく外開きとします。内開きだと出る時に、体を避けなければならなかったり、トレイ内で具合が悪くなって倒れたりした時に外から救出することが難しくなるためです。

手すりの種類

トイレ内の手すりには、便器への立ち座り用の縦手すり、座っている時に姿勢を安定させるための横手すり、これら両方の機能を備えたL字型手すりがあります。対象者の必要性に応じて取り付けをします。手すりの材質は、触感が冷たい金属製よりも木製や樹脂製のものが良いでしょう。

また介助や車椅子移動の際に手すりが邪魔になる場合は、手すりを可動式にします。水平方向にスライドさせるか、垂直方向にはね上げるかにすると、スペースが確保でき便利です。

背もたれの設置

排泄時間が長い方や、長時間の座位姿勢が辛い方には、背もたれを設置する方法があります。この場合は便器のフタは取り外して使用します。

トイレットペーパーホルダー

通常トイレットペーパーホルダーは、便器に腰掛けた状態で肘の高さに設置します。しかし、手すりも設置する場合には、トイレットペーパーホルダー位置と重なってしまうことが多々あります。その際は、手すりの位置をまず優先し、手すりを使用した時に妨げとならないようトイレットペーパーホルダーの位置を調整します。横手すりでは、手すりの直下に設置をしますが、ペーパー交換を考慮し、手すりとの間隔は5cm以上開けるようにします。

トイレの照明

高齢者は、暗がりから明るい場所に出た時に、眩しさを感じやすくなっています。光による目の負担やふらつきを防止するために、トイレ内の明かりは明るすぎず暗すぎずの照度50~100ルクスが適切です。そして、暗がりでもスイッチの場所がすぐわかるように、明かり付きのスイッチが良いでしょう。

換気設備の設置位置

換気設備はトイレ壁面上部に設置されていることが多いですね。しかし、臭気の元は便器内であるため、実は床面に近い壁面下部に取り付けたほうが有効です。特に寝室が隣接している場合は、寝室に臭気が入ってこないように、便器自体に消臭機能が付いたものを採用する方法もあります。

暖房設備

急激な温度差による心疾患や急性の呼吸器疾患を防止するために、冬期間はトイレへの暖房が必要です。一般的な暖房機能付き便座をはじめ、トイレ全体を暖められるパネルヒーターなどを利用すると良いでしょう。

 

また、トイレはトイレ内だけでなくトイレまでの移動動線も非常に重要です。トイレまでの移動距離が4mを超えると「遠い」という感覚を覚えます。寝室など普段居る部屋の隣室が理想ですが、なるべく近い位置が望まれます。

そしてスペースもできれば広いほうが本人も介助者も楽です。しかし、限られた居住空間でそもそもトイレに広い空間をあてているご家庭はそう多くありません。したがって、スペースを広げるリフォームでは、隣接の洗面所や脱衣所をワンルームにし、アコーディオンカーテンで仕切る方法がよくとられています。

トイレから外の敷地に余裕があれば、外側にトイレを拡張することも可能です。

トイレはリフォーム依頼の多い場所のひとつでたくさんの事例がありますので、お気軽にお問合せ・ご相談ください。

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