介護・バリアフリー

介護とリフォームの切っても切れない関係

投稿日:2018年11月6日

介護を自宅でする場合、介護する人・介護される人双方とも、なるべくストレスを軽減したいものです。

そのストレスの量は、お住まいが介護に適した仕様であるかどうかによって大きく変わってきます。

特徴的な日本家屋が危険をはらむ!?

そもそも日本の家屋は、介護生活には非常に不便です。その理由として、

1つめは、段差。

玄関の敷居、廊下と居室、浴室と脱衣所など、多くの場所に段差があり、高齢者や障がい者の方でなくともつまずいた経験はあるのではないでしょうか。

2つめは、開口部の幅の狭さ。

これは昔からの尺貫法による建築が影響しているのですが、部屋やトイレの出入り口、廊下や階段の幅が通常3尺(910mm)となっているため、車椅子の通り抜けや人の介助が必要な場合には、とても狭すぎるのです。

3つめは、住宅面積の狭さ。

住宅面積の狭さは、ひいては1室あたりの部屋の狭さにも通じます。現代のライフスタイルによって、家具や家電が増え、床面積がそれらに占められているところに、福祉用具が入るとさらに狭く、室内移動さえ困難になってしまいます。

4つめは、和の様式。

フローリングにテーブルとイス、洋式トイレと、多くのお宅で洋式化は進んでいますが、やはり畳の部屋や和式トイレを好む方も少なくありません。和室において座ったり寝たりしている姿勢で、床から立ち上がらなければならない動作は、バランスを崩しやすく安全面で懸念があります。

5つめは、温度差が出る室内環境。

日本の気候は高温多湿であるため、住宅は夏の環境に合わせて建造されてきました。そのため、冬の住環境が良くないのです。居間は暖房していても、トイレや脱衣所まで暖房しているご家庭はまだ少ないと思います。暖かい部屋から寒い場所へ移動した時の温度差は身体への負担が大きく非常に危険です。日本で入浴中の死亡事故が多いのは、この住環境が影響していると言えます。

交通死亡事故より家庭内死亡事故が多い

これらデメリットは数字にも現れています。

平成17年の統計データで見ると、65才以上の高齢者が年間1万人近く家庭内事故(浴室等での溺死、転倒や転落など)で亡くなっているのです。これは、ニュースで頻繁に見聞きする高齢者の交通死亡事故の2倍以上に上っており、いかに家庭の住環境に危険がはらんでいるかの現れと言えましょう。

 

近年新築される家屋は、これらデメリットを解消したバリアフリー住宅が増加してきてはいます。しかし、全住宅に占める割合はまだまだ低いのです。

そこで、必要となってくるのが『介護リフォーム』です。

 

「この段差で転ばないように・・・」

「階段で滑らないように・・・」

毎日毎日幾度となく繰り返される日常の動作のそのたびに、ストレスを感じるのは辛いことです。日々の暮らしを安心して、安全に暮らせるようにするために介護リフォームがあるのです。

失敗のない介護リフォームをするために

ですが注意点があります。

手すりをつければいい、段差をなくせばいい、という単純なことではありません。

(1)手すりの位置がわずか2~3センチ高かったために、手すりをつかみ損ねて転んでケガをした

(2)狭いトイレに手すりをつけたために、体格の良い家人がトイレで体をぶつけてしまうようになった

というような、図らずも改悪になってしまった介護リフォームがあります。

(1)の場合は本人の動作確認なしに手すりを設置してしまったのでしょう。(2)の場合は家族全員の生活を考えずにプランニングしてしまったのだと思います。

重要なのは、介護リフォームの第一段階に福祉住環境に詳しい専門家なりが実際にご自宅を見て、事前リサーチをすることです。ご家族の生活スタイルを把握しご意向をお聞きしながら、住宅内での生活全般にわたって問題点の抽出を行います。このステップこそが、ストレスの少ない介護生活の第一歩と言っても過言ではありません。

また、こんなケースもあります。

高齢者は、長年の生活習慣から生活の不便さ・不自由さを当たり前だと思い、我慢したり意識さえしていなかったりする場合があります。そしてその不便・不自由が住環境の介護リフォームによって解決できることさえも気づいていないことが多いのです。

たとえば、和式便器から洋式便座へのリフォーム。この1カ所だけのリフォームでも「洋式便器がこんなに楽だと思わなかったし、こんなに簡単に洋式に変更できるならもっと早くにリフォームすれば良かった」とおっしゃる方は、結構いらっしゃるのです。

洋式便器だけではありません。

・握りやすいようにドアノブの形状を変えただけ

・窓の高さを拡張して寝ていても空が見えるようにしただけ

それだけでも、生活の質が向上し、精神的メリットがあるのに、介護リフォームで何かできるか・どんな効果があるかをご存じないことで、ストレスを抱え続けていらっしゃるのは損です。

特徴的な日本家屋で介護をする場合には、リフォームの必要性は高く、介護×リフォームは切っても切れない関係であると言えるでしょう。

そして、失敗のない、より費用効果の高い介護リフォームをするためには、福祉住環境に詳しい専門家に必ず事前リサーチをしてもらい、プロの知識やノウハウを十分に活用されることをおすすめします。

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